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シスチン尿症

執筆者:

Christopher J. LaRosa

, MD, Perelman School of Medicine at The University of Pennsylvania

最終査読/改訂年月 2017年 3月
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シスチン尿症は、アミノ酸の一種であるシスチンが尿中に排泄されてしまうまれな遺伝性の腎疾患で、しばしば尿路内にシスチンの結石が形成されます。

先天性の尿細管疾患に関する序も参照のこと。)

シスチン尿症は尿細管の遺伝的な異常が原因で発生します。原因となる遺伝子異常はいくつかあります。I型シスチン尿症では、原因は劣性遺伝子で、したがって、この病気を発症する人は異常遺伝子を両親からそれぞれ1つずつ受け継いでいます( 非X連鎖劣性遺伝疾患)。I型以外のシスチン尿症では、優性遺伝子が原因です。異常遺伝子を1つもつ人では、正常な人と比べて多くのシスチンが尿中に排泄されますが、結晶でできた腎結石(シスチン結石)が形成されるだけの量になることはめったにありません。

シスチン結石は、腎臓、膀胱、腎盂(じんう―尿が集まって腎臓の外に流れ出る部分)、または尿管(腎臓から膀胱へ尿を流している細長い管)の中で形成されます。ときに腎不全を起こすこともあります。

尿路の構造

尿路の構造

シスチン尿症の症状

シスチン尿症の症状は、乳児期に始まる場合もありますが、通常は10~30歳で始まります。最初の症状として多いのは、結石が詰まった箇所で尿管がけいれんすることで生じる激しい痛みです。そうした結石に細菌が集まって、尿路感染症やまれに腎不全の原因になる場合もあります。

シスチン尿症の診断

  • 腎結石の分析

  • 尿検査

腎結石を繰り返す人には、シスチン尿症の検査を行います。採取された結石を分析します。

顕微鏡を用いた尿検査でシスチンの結晶が認められることがあり、尿中からは高濃度のシスチンが検出されます。

シスチン尿症の治療

  • 水分摂取量を増やす

  • 食事中の塩分とタンパク質の量を減らす

  • 尿をアルカリ性にする薬

  • シスチンを溶解する薬

シスチン尿症の治療は、尿中のシスチン濃度を低下させることでシスチン結石の発生を予防することです。シスチンの濃度を低く抑えるには、毎日3~4リットル以上の尿を出せるだけの十分な量の水分を摂取する必要があります。これを続けたとしても、水分を摂取できない夜間には尿の生産量が減少するため、結石ができやすくなります。そのため、寝る前にも水分を摂取することで結石のリスクを抑えます。

また、アルカリ性の尿には酸性の尿と比べてシスチンが溶けやすいことから、クエン酸カリウムや炭酸水素ナトリウム、ときにアセタゾラミドを服用することで、尿をアルカリ性にする(すなわち酸性度を下げる)治療方法もあります。水分の摂取量を増やし尿のアルカリ度を高めようとすると、腹部の膨満につながるため、この治療法は耐えがたいと感じる人もいます。塩分とタンパク質の摂取量を減らすことが、尿中のシスチン濃度を低下させる助けになる場合があります。

こうした治療法を続けても結石が繰り返しできる場合は、ペニシラミン、チオプロニン、カプトプリルなどの薬剤が試みられます。これらの薬剤には、シスチンを水に溶けたままの状態にする効果があります。ペニシラミンは、尿中のシスチン濃度を低く保つ上で効果的ですが、毒性があるため、ペニシラミンを服用する人にはビタミンB6(ピリドキシン)のサプリメントが処方されます。チオプロニンは、副作用の発生頻度が低いことから、一部の小児にはペニシラミンの代わりとして使用できます。カプトプリルは、有効性の点では他の薬剤にやや劣りますが、毒性が少ないという利点があります。この治療により通常は効果がみられますが、それでも結石の形成が続くリスクがかなり高くなります。

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