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授乳と食事に伴う問題

執筆者:

Christopher P. Raab

, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2017年 9月
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  • 授乳と食事に伴う一般的な問題には、胃食道逆流胃腸炎、過食、少食、または脱水(水分の喪失)などが挙げられます。

  • 治療しなくても消失するものと、医師の診察や入院を必要とするものがあります。

  • 適切な栄養素を適切な方法で与えることによって、一部の問題は軽快します。

乳幼児への授乳と食事に伴う問題は、普通は気にするほどのものではありませんが、ときとして深刻な結果を招く場合もあります。

溢乳(いつにゅう)

溢乳(げっぷ)とは、飲み込んだ人工乳または母乳を口や鼻から自然に吐き出してしまうことです。乳児は、授乳中や授乳後、背をまっすぐにして座っていられないため、溢乳はほぼすべての乳児でみられます。また、食道と胃を隔てている弁(括約筋)が未発達で、胃の内容物をしっかり中に保っておくことができないことも原因の1つです。乳児の哺乳が速すぎたり、空気を飲み込んだ場合、溢乳が悪化します。普通は、生後7~12カ月の間になくなります。

溢乳は以下の方法により減らすことができます。

  • 乳児のおなかがすきすぎる前に授乳する

  • 4~5分おきにげっぷをさせる

  • 授乳中と授乳後は立て抱きにしておく

  • 哺乳びんを押したり、上下逆さにしたりするとほんの数滴だけが出るように調整しておく

症状が乳児に不快感を与えている場合や、食事や発育の妨げになる場合、幼児期になっても同様の症状が続く場合は、胃食道逆流と呼ばれ、医師の診察が必要になることがあります( 小児の胃食道逆流)。吐き出したものが緑色をしていたり(胆汁を示します)、血が混じっていたり、せきまたは息詰まりを伴ったりする場合は、直ちに医師の診察が必要です。

嘔吐

嘔吐は食べたものを強制的に排出してしまうことをいい、不快感を伴います。これは決して正常な状態ではありません。より詳しい議論については、 乳児と小児の嘔吐を参照。

乳児の嘔吐は、急性ウイルス性胃腸炎が原因であることがほとんどです。ウイルス性胃腸炎は、吐き気、嘔吐、下痢、けいれんを引き起こす消化管の感染症です。耳の感染症尿路感染症など体の他の部位での感染が原因で嘔吐が起こることもあります。

頻度は下がりますが、重篤な病気が原因である場合もあります。 まれに、生後2週間から4カ月の乳児が胃の出口(幽門)の閉塞(肥厚性幽門狭窄症)が原因で、噴き出すような(噴出性)嘔吐をすることがあります。髄膜炎(脳と脊髄の周りの組織の感染症)、腸閉塞、代謝性疾患、および虫垂炎などの生命を脅かす病気が原因で嘔吐が起こることもあります。これらの病気は、通常、ひどい痛み、嗜眠、時間とともに軽快しない持続的な嘔吐を伴います。

胃腸炎による嘔吐は、ほとんどの場合、治療しなくても治まります。水分と電解質(ナトリウムや塩化物など)を含む市販の飲みものを与えると、脱水(水分の喪失)を予防または治療できます。頻回に嘔吐している小児には、大量の水分を少ない回数で与えるよりも少量の水分を何回も与える方がよいでしょう。比較的年長の小児には、アイスキャンデーやゼリーを与えてもよいですが、これらの食べものが赤い色をしていた場合、再び吐いたときに血のようにみえて紛らわしくなることがあります。

嘔吐がある小児に以下がみられる場合、医師の診察が必要です。

  • 重度の腹痛

  • 水分を摂取し保持できない

  • 高熱がある

  • 嗜眠状態であるか極めて具合が悪い、または普段と振る舞いがかなり異なる

  • 12時間以上嘔吐が続いている

  • 血液または緑色のもの(胆汁)を吐く

  • 8時間以上排尿しない

これらの症状は、脱水またはもっと重い病態を示唆します。

栄養過剰

栄養過剰とは、小児の健全な発育に必要とされる以上の栄養を与えることをいいます。小児が泣くとつい食べものを与えてしまったり、哺乳びんを気晴らしや遊びのような感覚で与えたり、哺乳びんをずっと持たせたままにしていたりすると、小児が栄養過剰になります。いい子にしていたときのご褒美に食べものを与えたり、おなかがすいていないのに残さず食べさせようとしたりするのも、栄養過剰の原因となります。栄養過剰は短期的に見ると、溢乳下痢の原因となります。 長期的に見ると、肥満の原因になることがあります。

栄養不足

栄養不足とは、小児の健全な発育に必要とされるだけの栄養が与えられていないことをいいます。 これは数ある発育不良の原因のうちの1つであり、小児自身に問題がある場合もあれば、世話をする人に問題がある場合もあります。栄養不足は、小児がぐずったり注意散漫でじっと座って食べられない場合や、吸ったり飲み込んだりする能力に問題がある場合に起こります。不適切な授乳方法や誤った人工乳の作り方も、栄養不足の原因になることがあります( 人工乳による授乳)。貧困や栄養のある食べものが手に入らない状況は、栄養不足の主な原因です。ときに、虐待傾向のある親や精神障害のある親が小児に食べものを意図的に与えない例もあります。乳児では授乳不足により脱水や黄疸(皮膚が黄色くなる)が生じることがあります。

地域社会団体(女性、乳児、小児のためのプログラム[WICプログラム]など)は、人工乳の購入を補助したり、人工乳の正しい作り方と授乳の方法を教えたりしています。乳児が予測体重をかなり下回っていて食事管理を必要としている場合、医師は評価のために入院させます。親が虐待やネグレクト(育児放棄)をしている場合は、児童相談所などが介入します。

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