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羊水塞栓症

執筆者:

Julie S. Moldenhauer

, MD, Children's Hospital of Philadelphia

最終査読/改訂年月 2018年 6月
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羊水塞栓症では、胎児の細胞や組織が含まれる羊水(子宮内の胎児の周囲を満たしている液体)が母体の血流に入り、母体に重篤な反応を引き起こします。この反応は肺や心臓に損傷を与え、過度の出血を引き起こすことがあります。

羊水塞栓症は極めてまれです。通常、妊娠後半に起こりますが、第1または第2トリメスター(訳注:第1トリメスターは日本の妊娠初期に、第2トリメスターは妊娠中期にほぼ相当)に妊娠が中絶された際に起こることもあります。

以下の場合にリスクが上昇します。

羊水や胎児の組織は母体に重篤な反応を引き起こします。反応は通常、陣痛および分娩中か、その直後に起こります。心拍数の増加、不整脈、低血圧、呼吸困難などが起こる可能性があります。呼吸が止まったり( 呼吸不全 呼吸不全 呼吸不全は、血液中の酸素レベルが危険なほど低くなったり、血液中の二酸化炭素濃度が危険なほど高くなる病気です。 呼吸不全の原因としては、気道をふさぐ病気、肺組織を損傷する病気、呼吸を制御する筋肉を衰えさせる病気、呼吸を促す仕組みが抑制される病気などがあります。 激しい息切れ、皮膚の青みがかった変色、錯乱または眠気などの症状がみられることがあ... さらに読む )、心臓が止まったり( 心停止 心停止 心停止とは人が死ぬときに生じる状態です。心停止になると、心臓から、内臓、脳、組織に血液と酸素が送り出されなくなります。心停止が起こって数分以内であれば、ときに蘇生する可能性があります。しかし、時間が経過するほど蘇生する可能性は低くなり、助かったとしても脳に障害が残る可能性が高くなります。 心停止が5分を超えて続くと脳に障害が残る可能性が高くなり、8分を超えると死亡する可能性が高まります。そのため、心停止の場合、一刻も早く救命処置を始める... さらに読む 心停止 )する可能性もあります。羊水塞栓症の20%の女性が死亡します。

羊水塞栓症は迅速な診断と治療が不可欠です。医師は、症状に基づいて診断を下しますが、特に以下の3つの症状がみられる場合に診断されます。

  • 突然の呼吸困難

  • 低血圧

  • コントロール不能な広範囲の出血

母体には輸血および血液成分の投与が行われることがあります。血液凝固因子(血液の凝固を助ける)の投与により救命につながることがあります。妊婦に呼吸補助を行ったり、心臓の収縮を助ける薬剤を投与しなければならないこともあります。

胎児を直ちに鉗子または吸引器を用いて娩出する場合や、帝王切開を行う場合があります。このような娩出による母体の経過については改善することも悪化することもないとみられています。しかし、胎児が子宮の外で生存するのに十分な週齢である場合には、胎児の救命につながります。

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