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癒着胎盤

執筆者:

Julie S. Moldenhauer

, MD, Children's Hospital of Philadelphia

最終査読/改訂年月 2018年 6月
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癒着胎盤とは、胎盤が異常なまでに強く子宮に付着している状態です。

  • 過去の1度の妊娠で帝王切開と前置胎盤の両方の経験があると、癒着胎盤のリスクが極めて高くなります。

  • 妊婦に癒着胎盤の危険因子がある場合、妊娠中に超音波検査を定期的に行い、この合併症について確認します。

  • 通常、出産予定日の数週間前に分娩を行い、患者が望まない場合以外は子宮を摘出します。

胎盤の子宮への付着が強すぎると、分娩後に胎盤の一部が子宮に残ることがあります。この場合、胎盤の娩出が遅れ、出血や子宮感染のリスクが高くなります。出血が生命を脅かすことがあります。

癒着胎盤は増えてきており、以下の割合で起こっています。

  • 1950年代:妊娠3万件に1件

  • 1980年代と1990年代:妊娠500~2000件に1件

  • 2000年代:妊娠1000件に3件

この増加は、帝王切開の増加と一致しています。

危険因子

癒着胎盤は、以下のような特徴がみられる女性でより多くみられます、

  • 帝王切開で分娩したことがある

  • 胎盤が子宮頸部を覆っている(前置胎盤

  • 35歳以上である

  • これまでに数回妊娠したことがある

  • 子宮内膜(子宮の内側を覆っている組織)の下に筋腫がある

  • 子宮筋腫の摘出を含む子宮の手術を受けたことがある

  • アッシャーマン症候群(感染症や手術が原因の子宮内膜の瘢痕組織)などの子宮内膜の病気がある

過去の1度の妊娠で帝王切開と前置胎盤の両方の経験があると、以降の妊娠における癒着胎盤のリスクが極めて高くなります。このような女性では、過去の帝王切開の回数が多ければ多いほどリスクは高くなります。

診断

  • 超音波検査

  • ときにMRI検査

妊婦に癒着胎盤のリスクを上昇させる状態がある場合、通常、分娩前に超音波検査を行い癒着胎盤が生じていないか確認します。超音波検査は手持ち式の装置を腹部にあてるか腟内に挿入して行い、妊娠20~24週頃から定期的に行います。超音波検査ではっきり確認できなければ、MRI検査を行うことがあります。

分娩中に以下が起こった場合、癒着胎盤が疑われます。

  • 胎児が娩出されてから30分経っても胎盤が娩出されない。

  • 医師が手で胎盤を子宮から剥がすことができない。

  • 胎盤を剥がそうとして大量出血が起こる。

治療

  • 帝王切開とそれに続く子宮摘出術

分娩前から癒着胎盤が見つかっていれば、一般的に帝王切開とそれに続く子宮摘出術が行われます。この処置では、まず胎児を帝王切開で分娩します。次に、胎盤はそのままの状態で子宮を摘出します。通常は妊娠34週頃に行います。この方法により、分娩後に胎盤が剥がれない場合に起こりうる、生命を脅かす可能性のある失血を予防できます。しかし、この処置にも大量出血などの合併症を伴う可能性があります。また手術に長時間かかった場合や、手術後に長期間の床上安静が必要になった場合、血栓ができる可能性があります。血栓は血流に乗って移動し、肺の動脈を詰まらせることがあります。帝王切開とそれに続く子宮摘出術は、こういった合併症に対処できる病院で行うべきです。

将来の妊娠・出産が妊婦にとって大切な場合には、医師は様々な方法により子宮の温存を試みます。しかし出血が極めて多い場合や、胎盤の位置により極めて多いと予想される場合には、こういった方法は利用できません。

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