20年ほど前から双子、三つ子などの多胎出産が増えています。約70~80件の出産のうち1件が多胎出産です。
以下のような場合に多胎妊娠になりやすくなります。
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排卵誘発薬を使用している
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生殖補助医療(体外受精など)を受けている
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これまでに多胎妊娠の経験がある
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高齢である
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西アフリカ系である
リスク
多胎妊娠により問題が生じるリスクが上昇します。
多胎妊娠では子宮が過度に拡張し、過度に拡張した子宮は、妊娠が満期になる前に収縮を始める傾向にあります(切迫早産)。このため多胎出産では多くの場合、早産になったり小さな新生児が生まれてきたりします。また、過度に拡張した子宮が分娩後、十分に収縮せずに母体に出血が起こることがあります(分娩後出血)。
多胎妊娠では胎児毎に胎向と胎位が異なるため、経腟分娩が難しくなりがちです。また第1子が生まれた時点で子宮が収縮し、残っている胎児の胎盤が剥がれてしまうこともあります。その結果、後から生まれる胎児の分娩中に多くの問題が生じる可能性があります。
多胎妊娠により、母体に問題が生じるリスクも上昇します。例えば以下のものです。
診断
治療
多胎出産では問題が生じやすいため、双子の分娩に際して医師が経腟分娩にするか帝王切開にするかをあらかじめ決めておくことがあります。
双子の第1子の姿勢が異常である場合(頭位以外)は帝王切開を行います。ときに双子の第1子を経腟分娩で娩出した場合でも、第2子には帝王切開が安全だと考えられることもあります。三つ子以上の多胎では、たいてい帝王切開が行われます。