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吸引・鉗子分娩

執筆者:

Julie S. Moldenhauer

, MD, Children's Hospital of Philadelphia

レビュー/改訂 2021年 7月
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本ページのリソース

吸引器または鉗子を使用して行う分娩を、吸引・鉗子分娩といいます。

吸引器は、ゴムのような素材でできた小さなカップが吸引器につながった構造になっています。このカップを腟に挿入し、胎児の頭皮に吸着させます。吸引分娩を試みてうまくいかない場合は、 帝王切開 帝王切開 帝王切開では、母親の腹部と子宮を切開して胎児を外科手術により取り出します。 米国では分娩の最大30%が帝王切開で行われています。 以下のような場合には帝王切開が母体や胎児、あるいはその両方にとって経腟分娩よりも安全であると考えられるため、帝王切開を行います。 遷延分娩(分娩の進行が長引く) 胎児の 姿勢が異常な場合(骨盤位など) さらに読む 帝王切開 が行われます。まれに、吸引器によって胎児の頭皮に挫傷ができたり、胎児の両眼に出血を起こしたり(網膜出血)することがあります。吸引分娩はまた、 肩甲難産 肩甲難産 胎向とは、胎児が後ろ(母親の背中の方)を向いているか、前を向いているか(顔が上向きか)という胎児の向きのことです。 胎位とは、胎児の体のうち最初に産道を通る部分(先進部)を表します。通常、頭が先進しますが、ときに殿部や肩が下になることもあります。 最も一般的で安全な胎向と胎位の組合せは次のような状態です。 頭が下になっている(頭位) 胎児が後ろを向いている さらに読む (特に胎児が大きい場合)および 黄疸 新生児黄疸 黄疸とは、血流中のビリルビンの増加が原因で、皮膚や眼が黄色くなることです。ビリルビンは、古くなった赤血球や損傷した赤血球を再利用する正常なプロセスの中で、ヘモグロビン(酸素を運ぶ赤血球の一部)が分解されるときに生成される、黄色い物質です。ビリルビンは血流によって肝臓に運ばれ、胆汁(肝臓で作られる消化液)の一部として肝臓から排泄されるように処理されます。肝臓でのビリルビンの処理において、ビリルビンは抱合と呼ばれる過程で別の化学物質に結合し... さらに読む 新生児黄疸 のリスクを上昇させます。

補助分娩
映像

鉗子は金属製の手術器具で縁は丸く、胎児の頭に沿うように作られています。まれに、鉗子分娩で新生児に挫傷ができたり、母体の腟口と肛門の間の部位(会陰部)が裂傷したりすることがあります。

以下のような状況において吸引分娩や鉗子分娩が必要になることがあります。

  • 胎児ジストレスの場合

  • 産婦が効果的にいきむことができないほど疲労した場合

  • 分娩が長引いた場合

  • 妊婦に何らかの病気(脳疾患や心疾患など)があり、力強くいきむことが勧められない場合

鉗子や吸引器の使用

胎児の娩出を補助するために、鉗子や吸引器が使用されることがあります。鉗子で胎児の頭を挟みます。吸引器は胎児の頭に吸着させて使用します。どちらを使用した場合も、妊婦のいきみに合わせて胎児をそっと引き出します。

鉗子や吸引器の使用
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