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遺伝子スクリーニング

執筆者:

Jeffrey S. Dungan

, MD, Northwestern University, Feinberg School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 6月
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本ページのリソース
  • スクリーニングではカップルの家族歴を評価し、必要に応じて血液や組織のサンプルを分析します。

遺伝子スクリーニングは、遺伝性の遺伝子疾患をもつ子どもが生まれるリスクが高いかどうかを判断するために行う検査です。すべてのカップルが遺伝子スクリーニングを受けることができますが、特に推奨されるのは以下の場合です。

  • パートナーの一方または両方に遺伝子異常があることが分かっている。

  • 家系内に遺伝子異常を有する人がいる。

  • パートナーの両方が遺伝性疾患のリスクが高い民族である。

遺伝子スクリーニングではカップルの家族歴を評価し、ときに遺伝子検査を行う(血液や頬の内側の細胞のサンプルを用いる)こともあります。

遺伝性疾患の概要も参照のこと。)

家族歴の評価

遺伝性疾患の子どもが生まれるリスクが高いかどうかを判定するため、カップルに対し、医師は以下の事柄について質問します。

  • 家系内の人がかかったことのある病気

  • 家系内の死因

  • 現時点で生存しているすべての第1度近親者(両親、兄弟姉妹、子ども)、第2度近親者(おじ、おば、祖父母)の健康状態

  • 流産死産児、出生直後に死亡した子どもの有無

  • 先天異常児の有無

  • 親族内の近親婚の有無(同じ異常遺伝子をもつリスクが高まるため)

  • 民族的背景(特定の病気のリスクが高い民族があるため)

一般に、3世代にわたる情報が必要です。家族歴が複雑であれば、遠い親戚の情報も必要になる場合があります。遺伝性疾患があったとみられる親族について、カルテなどの診療記録を調べることもあります。

キャリアスクリーニング

キャリアとは、ある病気の原因となる異常遺伝子をもっているものの、その病気の症状が現れておらず、その病気を示す証拠が認められない人のことです。

キャリアがもつ異常遺伝子は劣性であるのが通常ですが、劣性とはすなわち、原因遺伝子のペアの両方が異常でなければ発病しないという意味です(劣性遺伝疾患を参照)。そのようなキャリアの人は、その病気について正常な遺伝子と異常な遺伝子を1つずつもっています。

X染色体の劣性遺伝子のキャリアになるのは女性だけです。女性はX染色体を2本もっているため、もう一方のX染色体の遺伝子が正常であれば、それにより発病には至りません。男性はX染色体を1本しかもっていないため、その染色体の劣性遺伝子に異常があると、それが原因で生じる病気を必ず発症します。

キャリアスクリーニングでは、症状はみられないものの、特定の病気の劣性遺伝子をもっているリスクが高い人を対象として検査を行います。そのようなリスクは、パートナーの一方または両方に特定の病気の家族歴がある場合や、特定の病気になるリスクが高い特徴(民族的背景や人種あるいは居住地域)がみられる場合に高くなります。ただし、スクリーニングは以下の基準も満たしている場合にのみ行います。

  • その病気が非常に重いか、致死的である。

  • 信頼性の高いスクリーニング検査が利用可能である。

  • 胎児の治療が可能である、または生殖上の選択肢(中絶避妊手術など)がありカップルがその選択肢を受け入れられる。

米国では、鎌状赤血球貧血サラセミアテイ-サックス病嚢胞性線維症などがこの基準を満たす病気です。スクリーニングが可能な遺伝子疾患の数は着実に増加しており、一部の検査機関では、多数の疾患のキャリアスクリーニングを提供しています。このように拡大されたキャリアスクリーニングを受けたいかどうかを決める前に、遺伝学の専門家に相談すべきです。

キャリアスクリーニングでは、通常は血液サンプルから抽出したDNAを分析します。頬の内側から採取した細胞を分析することもあります。この場合は、特別な溶液を口の中に含み、専用の容器に吐き出すか、頬の内側を綿棒でこすってサンプルとします。

キャリアスクリーニングは女性が妊娠する前に行うのが理想的です。妊娠後に行って、カップルが2人とも同じ病気の劣性遺伝子をもっていることがキャリアスクリーニングで判明した場合は、出生前診断を受けるかどうかを選択します。この検査では、出生前に胎児にその病気があるかどうかが調べられます。胎児に病気があった場合は、胎児の治療が可能な場合もありますが、妊娠の中絶を検討することもあります。

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遺伝子スクリーニングを検討すべき人

民族/人種

病名*

スクリーニング検査

すべて

血液や頬の内側から採取した細胞のサンプルのDNA分析

アシュケナージ系ユダヤ人

カナバン病

血液や頬の内側から採取した細胞のサンプルのDNA分析

家族性自律神経失調症(遺伝性の自律神経系の機能障害)

血液や頬の内側から採取した細胞のサンプルのDNA分析

血液検査により、この病気で欠乏する酵素(ヘキソサミニダーゼA)を測定

場合によりDNA分析

黒人

血液検査によりヘモグロビン異常の有無を確認

ケイジャン人

テイ-サックス病

血液検査により、この病気で欠乏する酵素(ヘキソサミニダーゼA)を測定

場合によりDNA分析

地中海系、東南アジア系、インド系、中東系の人

血液検査により、赤血球の平均サイズ(平均赤血球容積)を測定

東南アジア人、カンボジア人、中国人、フィリピン人、ラオス人、ベトナム人

血液検査により、赤血球の平均サイズを測定

平均サイズが小さい場合は、血液検査によりヘモグロビン異常の有無を確認

*この表はすべてを網羅しているわけではなく、ほかにもスクリーニングが可能な病気があります。

ユダヤ人の大半(90%)はアシュケナージ系です。そのため、自分がアシュケナージ系かどうか分からないユダヤ人はスクリーニングを受けるべきです。また、ゴーシェ病ニーマン-ピック病A型ファンコニ貧血(症候群)C群などの他の病気についてもスクリーニングを推奨する専門家もいます。

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