
膀胱および腎臓の感染症では排尿時の痛みや頻尿、ときに発熱が生じることがあります。
膀胱および腎臓の感染症を診断するには、尿サンプルの検査および分析を行います。
腎臓の感染症ではたいてい抗菌薬を静脈内投与し、膀胱の感染症では抗菌薬を内服します。
(出産後の感染症 分娩後の感染症 分娩の直後はたいてい体温が上昇します。分娩から12時間以内に体温が38℃以上になると感染が疑われますが、そうでないこともあります。しかし、このような場合は、医師または助産師の診察を受ける必要があります。一般に、分娩後24時間経ってから6時間以上の間隔をおいた体温測定で2回、38℃以上の発熱が認められた場合、分娩後の感染症と診断されます。 医師は感染予防および感染症につながりかねない状態の治療に努めるため、分娩後の感染症はめったに起こりま... さらに読む も参照のこと。)
分娩中や分娩後に尿がたまらないよう膀胱にカテーテルが留置されていると(特にカテーテルがしばらく入っていた場合)、膀胱の感染症が発生するリスクが高くなります。
症状
膀胱の感染のほか、しばしば腎臓の感染でも排尿時の痛みや頻尿が生じます。腎臓の感染症が起こると、また膀胱の感染症の一部でも、発熱がみられます。腎臓に感染が生じると、腰やわき腹の痛み、全身のけん怠感や不快感などが起こることがあります。
診断
尿サンプルの検査および分析
尿サンプルの培養検査
膀胱および腎臓の感染症の診断は、尿サンプルの検査と分析の結果に基づいて下されます。腎臓の感染症や一部の膀胱の感染症では、原因菌を特定するために培養検査を行うことがあります。
治療
抗菌薬
腎臓の感染症ではたいてい抗菌薬を静脈内投与し、膀胱の感染症では抗菌薬を内服します。
膀胱の感染が腎臓まで広がっている徴候がなければ、抗菌薬の服用が2~3日で済むことがあります。腎臓の感染が疑われる場合は、平熱の状態が48時間続くまで抗菌薬(セフトリアキソン単剤、もしくはアンピシリンとゲンタマイシン併用)の投与を続けます。多くの場合、その後に抗菌薬を7~14日間内服します。培養結果が得られたら、検出された細菌に効果が高い抗菌薬に切り替えることがあります。
腎臓の働きを助け、細菌を尿路から洗い流すため、水分を多くとるようにします。
分娩から6~8週間経った後に再度尿サンプルの培養検査を行い、感染症が治癒しているかどうかを確認します。