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バルトリン腺嚢胞

(バルトリン嚢胞)

執筆者:

S. Gene McNeeley

, MD, Michigan State University, College of Osteopathic Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 12月
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バルトリン腺嚢胞は粘液で満たされた袋で、腟口の近くにあるバルトリン腺が詰まったときに生じます。

  • 通常は痛みはありませんが、大きくなると、座る、歩くなどの動作や性交を妨げることがあります。

  • 感染を起こし、痛みを伴う膿瘍になることもあります。

  • 通常は内診での視診や触診で嚢胞を確認できます。

  • 治療としては、嚢胞から外部に向けて永久的な開口部を作るか、手術により嚢胞を切除します。

バルトリン腺は非常に小さな丸い腺で、外陰部の腟口の両側にあります。皮下の深いところにあるため、通常は触れても分かりません。バルトリン腺は性交時に必要な潤滑液を分泌します。

バルトリン腺に通じる管が詰まると、バルトリン腺に粘液がたまって腫れ、その結果として嚢胞ができます。このような嚢胞は女性の約2%にみられ、その多くは20代に生じます。嚢胞が感染を起こし、膿瘍になることもあります。加齢に伴い、嚢胞や膿瘍はできにくくなります。

一般的に、管が詰まる原因は判明しません。まれに、淋菌感染症などの性感染症が原因で嚢胞が生じます。

バルトリン腺嚢胞とは

バルトリン腺は腟口の左右にある小さな腺で、詰まることがあります。すると液体がたまり、腺が腫れて嚢胞ができます。嚢胞の大きさは、エンドウ豆くらいのものから、ゴルフボールよりも大きくなるものまで様々です。多くの場合、片側だけに生じます。感染を起こし、膿瘍になることもあります。

バルトリン腺嚢胞とは

症状

ほとんどのバルトリン腺嚢胞は症状を引き起こしません。しかし、嚢胞が大きくなると、座る、歩くといった動作や性交の際に不快感が生じます。痛みがなくても、腟口付近のしこりに気づいたり、外陰部の左右の形が違って見えることで、嚢胞に気づく人もいます。

膿瘍ができると強い痛みが生じ、ときに発熱することもあります。また、触れると圧痛を感じます。膿瘍がある部分の皮膚は赤くなります。おりものがみられることもありますが、通常は、膿瘍とは関係ありません。

診断

  • 内診

  • ときに生検

以下のような場合には、医師の診察を受ける必要があります。

  • 温坐浴(浴槽などに湯をはり、患部を浸す)を数日間続けても嚢胞が大きくなり続ける場合。

  • 嚢胞に痛みがある場合(膿瘍ができると痛むことが多い)。

  • 発熱がみられた場合。

  • 歩く、座るなどの動作が妨げられる場合。

  • 40歳以上の場合。

嚢胞が大きくなって本人が気づいたり、症状が出ると、医師が内診の際に視診や触診で確認できます。通常は、感染が起きているかどうかを外観から判断することができます。分泌物がある場合はそのサンプルを検査に出し、性感染症を含む感染症を調べることがあります。膿瘍ができている場合は、膿瘍から採取した液体の培養検査も行います。

外陰がんの中には嚢胞のように見えるものもあるため、医師は嚢胞を切除して顕微鏡で調べることがあります(生検)。通常、生検は嚢胞の形が不規則である場合やでこぼこしている場合、あるいは患者が40歳以上の場合に行います。

治療

  • 患部を温水に浸す

  • 嚢胞が症状を引き起こしているか、患者が40歳以上の場合、手術

治療法にかかわらず、嚢胞は再発する可能性があります。

40歳未満の女性における嚢胞の治療

40歳未満の女性では、嚢胞の痛みがごく軽いか、まったくない場合には、自分で治療することができます。浴槽などに5~8センチメートル程度の湯をはり、患部を浸します(温坐浴)。浸す時間は10~15分程度とし、これを1日3回から4回行います。数日間続けると、嚢胞が消失します。このような治療で効果が得られない場合には、医師の診察を受ける必要があります。

40歳未満の女性では、症状がなければ治療は必要ありません。嚢胞内の液を吸引することもありますが、再発が多く、ほとんど効果はありません。そのため、手術を行って、バルトリン腺に通じる管から外陰部表面への永久的な開口部を作ることがあります。これにより、嚢胞に再び液体がたまっても、自然に排出されます。この手術では、痛みを感じさせないよう患部に局所麻酔を行った後に、以下のいずれかの処置を実施します。

  • カテーテル留置:嚢胞を小さく切開し、先端にバルーンの付いた細いチューブ(カテーテル)を挿入します。挿入後にバルーンを膨らませ、4~6週間カテーテルを留置しておくと、永久的な開口部が形成されます。カテーテルの挿入や除去は診療所の外来で行います。カテーテルを入れている間は普段通りの生活を送ることができますが、性交時に不快感を生じることもあります。

  • 造袋術(ぞうたいじゅつ):嚢胞を小さく切開し、切開創の縁の内側を外陰部の表面に縫い合わせます。この処置は外来の処置室で行うことができますが、ときに全身麻酔が必要になることもあります。

この処置から数週間は分泌物が出ることがありますが、通常は、パンティライナーの使用だけで対応できます。温坐浴を1日に数回行うと不快感が和らぎ、治癒が早まることがあります。

嚢胞が再発した場合は、手術で切除する場合があります。この治療は手術室で行います。

40歳以上の女性における嚢胞の治療

40歳以上の女性では、何年にもわたって存在し、外観が変化していない嚢胞を例外として、すべての嚢胞に治療が必要です。

治療には以下のものがあります。

  • 嚢胞を手術で切除する

  • がんの検査のために嚢胞の一部を切除し、その後嚢胞の造袋術を行う

膿瘍の治療

膿瘍ができていれば、抗菌薬を経口で1週間投与します。膿瘍から膿を排出するためにカテーテルを挿入することもあるほか、膿瘍の治療を目的として最初から造袋術を行う場合や、嚢胞の再発予防を目的として後日に造袋術を行う場合もあります。

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