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Rh式血液型不適合

(胎児赤芽球症)

執筆者:

Antonette T. Dulay

, MD, Main Line Health System

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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本ページのリソース

Rh式血液型不適合は、母体がRhマイナスで胎児がRhプラスの場合に起こります。

  • Rh式血液型不適合により胎児の赤血球が破壊されうるため、重症の貧血が起こることがあります。

  • 胎児が貧血を起こしていないかどうかを調べるため、定期的に検査を行います。

  • 貧血が疑われる場合には胎児に輸血が行われます。

  • 胎児に問題が起こらないよう、妊娠28週頃、大量出血が生じた後、分娩後、および特定の処置を行った後に、血液型がRhマイナスの妊婦にRh抗体を注射します。

胎児の母親がRhマイナスで父親がRhプラスの場合、胎児の血液がRhプラスになることがあります。血液型がRhマイナスである割合は、民族により異なります。

  • 北米と欧州の白人:約15%

  • アフリカ系アメリカ人:約8%

  • 中国系の人々:約0.3%

  • インド系の人々:約5%

知っていますか?

  • 初回の妊娠でRh式血液型不適合による問題が起きることはありません。

赤血球の表面にRh因子という分子がみられる人がいますが、赤血球にRh因子があると血液型がRhプラスに、なければRhマイナスになります。胎児のRhプラスの血液がRhマイナスの母親の血液に入ったとき、問題が生じる可能性があります。母体の免疫系が胎児の赤血球を異物とみなし、Rh抗体と呼ばれる抗体を作ってRhプラスの赤血球を破壊することがあります。このような抗体が作られることをRh感作といいます。(抗体は異物から体を守るために免疫細胞が作り出すタンパクです。)

血液型がRhマイナスの女性では、妊娠中を通じていつでも感作が起こりえます。しかし、最も可能性が高いのは分娩時です。最初に感作を受けた妊娠では、胎児または新生児に影響が生じる可能性はあまりありません。いったん母体が感作されると、Rhプラスの胎児を妊娠するたびに問題が生じる可能性が高くなります。感作後は妊娠回数を重ねる毎に、母体ではより早い時期に、より多くのRh抗体が作られるようになります。

Rh抗体が胎盤を通過して胎児に移行すると、胎児の赤血球の一部が破壊されることがあります。この破壊速度が胎児体内で赤血球が新たに作られる速度を上回ると、胎児に貧血が生じる可能性があります。このような状態を胎児または新生児の溶血性疾患(胎児赤芽球症、新生児赤芽球症― 新生児溶血性疾患)といいます。

赤血球が破壊されるとき、ビリルビンという黄色の色素が作られます。大量の赤血球が破壊されると、ビリルビンが皮膚などの組織に蓄積します。その結果、新生児の皮膚や白眼が黄色に見えることがあります(黄疸)。重症の場合には脳が損傷することがあり(核黄疸)、重度の貧血により胎児が死亡することもあります。流産が起こりやすくなります。

ときに、母体の赤血球の表面の他の分子が胎児のものと不適合であることがあります。このような不適合は、Rh式血液型不適合と同様の問題を引き起こします。

診断

  • 血液検査

  • 女性の血液にRh抗体が含まれている場合、ドプラ超音波検査

初回の妊婦健診時の血液検査によりスクリーニングを行い、妊婦のRh式血液型を調べます。Rhマイナスの場合は、Rh抗体の有無を調べます。

医師は通常、以下を行って女性がRh因子に感作されるリスクを評価します。

  • 父親が分かっており、検査が可能なときは血液型を調べる。

  • 父親の検査ができないときや、検査の結果父親がRhプラスであった場合、細胞フリー胎児DNAを用いた新しい血液検査を行って、胎児の血液型がRhプラスであるかどうかを調べる。この検査では、母体の血液中にごく少量存在する胎児のDNAの小さな断片を検査する(通常10~11週以降)。

Rh感作のリスクを判断した後、母体の血液中のRh抗体を測定します。Rh抗体が一定の値に達すると、胎児の貧血のリスクが上昇します。このような場合はドプラ超音波検査を定期的に行って、胎児の脳内の血流を調べます。異常が認められたら、胎児が貧血である可能性があります。

予防

Rhマイナスの女性には予防策として、以下の時点でそれぞれRh抗体を注射します。

  • 妊娠28週

  • Rhプラスの胎児の分娩から72時間以内(流産または中絶した場合にも行う)

  • 妊娠中に性器出血がみられた後

  • 羊水穿刺や絨毛採取を行った後

注射する抗体はRh0(D)免疫グロブリン(抗D免疫グロブリン)です。この治療は、母体の血流に入った可能性のある胎児の赤血球上のRh因子を、母体の免疫系が認識しにくくするためのものです。これにより、母体の免疫系はRh因子に対する抗体を作らなくなります。この治療により、次回以降の妊娠時に胎児の赤血球が破壊されるリスクが治療をしない場合の12~13%から約0.1%まで下がります。

治療

  • 胎児の貧血に対する輸血

  • ときに35週での分娩

胎児の血液型がRhマイナスであるか、検査の結果胎児に貧血がないことが継続して示されていれば、治療を行わず妊娠を満期まで継続することができます。

胎児が貧血と診断されれば、ハイリスク妊娠を専門とするセンターで、専門医が出生前の胎児に輸血を行うことができます。ほとんどの場合、輸血は臍静脈に刺した針から行われます。通常、輸血は妊娠32~35週頃まで繰り返し行います。厳密な輸血のタイミングは、貧血の重症度と胎齢により異なります。

妊娠23~24週以上であれば、最初の輸血の前にしばしば妊婦にコルチコステロイドを投与します。コルチコステロイドは胎児の肺の成熟と、早産で生まれた新生児によくみられる合併症の予防に役立ちます。

出生後もしばらく輸血が必要な場合があります。出生後まで輸血の必要がない場合もあります。

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