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羊膜感染

(絨毛膜羊膜炎)

執筆者:

Antonette T. Dulay

, MD, Main Line Health System

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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概要

羊膜感染は、胎児の周囲を満たしている液体(羊水)、胎盤、胎児を包んでいる膜など(またはこれら複数の場合もある)、胎児の周りにある組織の感染です。

  • 羊膜感染により母体と胎児に問題が生じるリスクが高まります。

  • 妊婦には通常、発熱がみられ、しばしば骨盤痛やおりものがみられます。

  • 通常は身体診察により感染を診断できますが、羊水の検査が必要になることもあります。

  • 抗菌薬と体温を下げるための薬を投与し、できるだけ早く分娩を予定します。

羊膜感染は一般的に、腟の細菌が子宮に入って胎児の周りの組織に感染するために起こります。正常な状態では、子宮頸部の粘液、胎児を包んでいる膜、および胎盤が細菌の感染を防いでいます。しかし、特定の状態では、細菌がこの防御を突破しやすくなります。例えば、胎児を包む膜が破れるのが早すぎることがあります(前期破水 前期破水 前期破水とは、陣痛開始前のいずれかの時点で胎児の周りの羊水が流れ出ることです。 多くの場合、破水後まもなく陣痛が始まります。 破水して6~12時間以内に陣痛が始まらない場合には、妊婦と胎児の感染リスクが上昇します。 妊娠34週以降の場合、または胎児の肺が成熟している場合には通常、人工的に陣痛を開始させます(誘発)。 妊娠34週未満で胎児の肺が十分に成熟していない場合には通常、妊婦を入院させ、注意深くモニタリングします。胎児の肺の成熟を助... さらに読む )。まれに、胎児をモニタリングする必要があるために腟から電極(ワイヤーのついた小さな円形のセンサー)を挿入(内測法による胎児モニタリング 胎児モニタリング 陣痛とは、胎児を子宮の下部(子宮頸部)から産道(腟)を経て徐々に外側に押し出すために発生する、規則的で次第に強まっていく一連の子宮の収縮のことです。 (陣痛と分娩の概要も参照のこと。) 分娩は大きく3つの段階に分けられます。 分娩第1期:陣痛が生じます(第1期には潜伏期と活動期があります)。子宮の収縮によって子宮口(子宮頸部)が徐々に開いて(開大)薄く引っ張られ(展退)、子宮の残りの部分と一体化します。このような変化によって、胎児が腟の... さらに読む と呼ばれる)した際に感染が生じることがあります。

破水から分娩が起こるまでの時間が長くなるほど羊膜感染が発生しやすくなり、特に医師や助産師が何回も内診を行った場合にこの可能性が高まります。内診により細菌が腟や子宮に侵入する可能性があります。

性器に感染の原因になりうる細菌がいる場合にも、羊膜感染が起こりやすくなります。妊婦はこうした細菌の存在に気づいていないことがあり、特にこうした細菌の検査が行われる通常の出生前ケアを受けていない場合にはその傾向があります。

以下の場合にも、羊膜感染の可能性が高くなります。

羊膜感染により胎児において以下のような問題のリスクが高まります。

羊膜感染により妊婦において以下のような問題のリスクが高まります。

まれに、羊膜感染を治療しないと、妊婦に敗血症性ショック 敗血症 敗血症は、菌血症やほかの感染症に対する重篤な全身性の反応に加え、体の重要な器官(臓器)の機能不全が起こる病態です。敗血症性ショックは、敗血症によって生命を脅かす低血圧(ショック)および臓器不全が引き起こされている病態です。 通常、敗血症は特定の細菌に感染することで起こり、病院内で感染する細菌で多くみられます。 免疫系の機能低下、特定の慢性疾患、人工関節や人工心臓弁の使用、特定の心臓弁の異常といった特定の条件下ではそのリスクが高くなります... さらに読む (感染に対する全身性の重篤な反応により引き起こされる生命を脅かす低血圧)、播種性血管内凝固症候群 播種性血管内凝固症候群(DIC) 播種性(はしゅせい)血管内凝固症候群は、小さな血栓が全身の血管のあちこちにできて、細い血管を詰まらせる病気です。血液凝固が増加することで出血の抑制に必要な血小板と凝固因子を使い果たしてしまい、過度の出血を引き起こします。 感染や手術など、考えられる原因はいくつかあります。 必要以上の血液凝固は過度の出血を引き起こします。 血液中の凝固因子の量を測定します。 原因になっている病気を治療します。 さらに読む (血栓と出血を起こす血液凝固障害)、急性呼吸窮迫症候群 急性呼吸窮迫症候群(ARDS) 急性呼吸窮迫症候群は、呼吸不全(肺機能不全)の一種で、肺に液体が貯留し、血液中の酸素レベルが異常に低下する様々な病気が原因で発生します。 患者は息切れを起こし、呼吸は通常速く浅くなり、皮膚に斑点ができたり、色が青っぽくなったりすること(チアノーゼ)や、心臓や脳などの他の臓器が機能不全に陥ることがあります。 指先のセンサー(パルスオキシメーター)または動脈から血液サンプルを採取する方法で血液中の酸素レベルが測定され、胸部X線検査も行われま... さらに読む が発生することがあります。

症状

羊膜感染が起こると、通常は発熱がみられ、しばしば腹痛および悪臭のある分泌物が生じます。胎児および母体の心拍数が上昇することがあります。しかし、症状がまったくない人もいます。

診断

  • 医師による評価

  • 血算

  • ときに羊水穿刺

医師は身体診察および血算(白血球数を含む)を行います。

切迫早産または早期前期破水が生じた場合、母体に典型的な症状がみられなくても、医師は感染の可能性を考慮する場合があります。

予防

妊婦に早期前期破水が生じた場合、内診は必要なときのみ行います。

通常、感染が広がるリスクを抑えるために抗菌薬も静脈内投与または経口投与します。

治療

  • 抗菌薬

  • 体温を下げるための薬

  • 分娩

羊膜感染の妊婦には抗菌薬を静脈内投与します。体温を下げるためにアセトアミノフェンなどの薬剤も投与します。

いったん診断がつけば、分娩を遅らせるべきではありません。

陣痛が始まっていない場合、人工的に陣痛を開始させることがあります(陣痛誘発)。

母体と胎児が安定しており、陣痛誘発の間に抗菌薬が投与されていれば、直ちに帝王切開を行う必要は通常ありません。

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