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常位胎盤早期剥離

執筆者:

Antonette T. Dulay

, MD, Main Line Health System

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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本ページのリソース

常位胎盤早期剥離とは、子宮壁の正常な位置に付着している胎盤が、通常は妊娠20週以降に剥がれてしまうことです。

  • 性器出血や激しい腹痛が起こり、ショック状態を起こすことがあります。

  • 胎盤が早い時期に剥がれると、在胎週数の割に成長しなかったり、死亡することさえあります。

  • 医師は症状に基づいて常位胎盤早期剥離を診断し、ときに超音波検査を行って診断を確定します。

  • 活動を制限するだけでよい場合もありますが、出血が続く場合や胎児が危険な状態である場合、または妊娠が満期である場合には、できるだけ早く分娩します。

胎盤は、一部が剥がれることもあれば(10~20%程度の剥離など)、完全に剥がれてしまうこともあります。原因は不明です。

胎盤剥離は全妊娠の0.4~1.5%に起こります。

胎盤の問題

胎盤は正常な状態では子宮上部に位置し、胎児が娩出されるまでしっかりと子宮壁に付着しています。胎盤は母体から胎児へ酸素と栄養を届けます。

常位胎盤早期剥離になると胎児がまだ子宮内にいるうちに胎盤が子宮壁から剥がれて子宮から出血が起こり、胎児への酸素と栄養の供給量が減少します。この合併症が起きた妊婦は入院し、胎児を早く分娩させることがあります。

前置胎盤では胎盤が子宮下部に位置し、子宮頸部を覆うように形成されたり、子宮頸部近くに形成されます。前置胎盤があると、妊娠の後期に痛みを伴わない出血が突然生じることがあります。出血は大量になることがあります。通常、帝王切開で胎児を分娩します。

胎盤の問題

危険因子

以下のような場合に常位胎盤早期剥離のリスクが高くなります。

症状

常位胎盤早期剥離の症状は剥離の程度と出血量によって異なります(大量出血となることもあります)。

症状は突然の腹痛で、持続性の場合もあればけいれん性の場合もあります。腹部をやさしく押すと圧痛がみられたり、危険なレベルの低血圧(ショック)に陥ることもあります。しかし、症状がまったく出ない人もいます。

胎盤が付着していた部位から子宮出血がみられます。出血は子宮頸部から腟を経て外出血となることもありますが、血液が胎盤の裏側にたまって出血していることが分からないこともあります。したがって、性器出血がみられる場合とみられない場合があります。出血は鮮紅色であることや暗赤色であることもあり、出血は持続することも少量であることもあります。

胎盤の早期剥離によって、ときに血管内の広範な血液凝固(播種性血管内凝固症候群)による重度の失血、腎不全、子宮壁内への出血が生じることがあり、特に妊娠高血圧腎症もある場合には、こうした状態を起こしやすくなります。

胎盤が剥がれると胎児への酸素と栄養の供給が少なくなります。胎盤が突然剥がれて酸素供給量が一気に低下すると、胎児が死亡することがあります。胎盤が徐々に剥がれた場合や剥離部位が狭い場合には、胎児が在胎週数の割に大きくならなかったり、羊水の量が不足(羊水過少)したりすることがあります。胎盤が徐々に剥がれる場合は、一気に剥がれる場合と比べて腹痛がそれほどひどくなく、母体がショック状態に陥るリスクも下がります。しかし、続いて前期破水が起こるリスクは高まります。

診断

  • 医師による評価

  • ときに超音波検査

医師は症状に基づいて胎盤の早期剥離を疑い、診断も通常、症状に基づきます。超音波検査は早期剥離の診断を確定し、同様の症状が生じることがある前置胎盤との区別に役立ちます。

妊娠高血圧腎症があると問題のリスクが上昇するため、この病気がないか調べることがあります。

胎盤の早期剥離によって起こりうる問題がないか調べるため、血液検査や胎児心拍数のモニタリングを行うことがあります( 胎児のモニタリング)。

治療

  • ときに入院および床上安静

  • ときに早急な分娩

胎盤早期剥離の妊婦は、症状の重症度と妊娠期間の長さにより、入院となることがあります。入院のほかに必要な治療は床上安静のみである場合があります。床上安静とは、1日の大半を横になって過ごすことです。医師は性交も控えるように勧めます。

以下のすべてに該当する場合、入院と床上安静が適切となります。

  • 出血により母体の生命も胎児の生命も脅かされていない。

  • 胎児の心拍数が正常である。

  • 妊娠が満期より前である(37週未満)。

入院と床上安静により、医師が母体と胎児を注意深くモニタリングすることができ、必要があれば迅速に治療できます。通常、早産のリスクが高い場合にはコルチコステロイドが推奨されます。症状が軽減し、胎児が危険な状態になければ、退院できることもあります。

以下のいずれかに該当する場合は、通常できるだけ早く分娩を行います。

  • 出血が続いたり、出血量が増えたりする。

  • 胎児の心拍数に異常がみられる(胎児への酸素供給が不十分であることを示唆する)。

  • 妊娠が満期である(37週以上)。

経腟分娩ができない場合は帝王切開を行います。

ショックを起こした場合や播種性血管内凝固症候群を発症した場合には輸血を行い、集中治療室でモニタリングします。

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