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女性の内性器

執筆者:

Jennifer Knudtson

, MD, University of Texas Health Science Center at San Antonio;


Jessica E. McLaughlin

, MD, Medical University of South Carolina

最終査読/改訂年月 2016年 9月
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内性器は全体で1つの経路(生殖路)を形成しています。この経路は以下の器官から構成されています。

  • 腟(産道の一部):性交時にはこの中で精子が放出され、出産時にはここを通って胎児が体外に出ていきます。

  • 子宮:この中で受精卵が胚から胎児へと成長していきます。

  • 卵管:この中で精子が卵子と出合って受精が起こります。

  • 卵巣:ここで卵子が作られ、放出されます。

精子はこの経路を上っていき、卵子はこの経路を下ってきます。

女性の内性器

女性の内性器

処女膜と呼ばれる粘膜は、生殖路の入り口である腟口のすぐ内側に位置しています。処女の場合、処女膜は腟口の周囲を取り巻く強固な輪のようになっているのが通常ですが、完全に開口部をふさいでいる場合もあります。処女膜には生殖路を保護する働きがありますが、健康を維持するのに必要というわけではありません。この膜は最初の性交で破れることもありますが、膜が柔軟で破れないこともあります。また処女膜は、運動をしている際やタンポンや避妊用のペッサリーを挿入する際にも破れることがあります。破れると通常は少量の出血がみられます。性交経験のある女性では、処女膜が確認できなくなっていたり、小さな組織片となって腟口の周辺に残っていたりします。

腟は筋肉質ながら弾力性のある管状の器官で、その長さは成人女性では10~13センチメートルほどです。腟は外性器と子宮をつないでいます。腟は性交時に女性側で最も重要となる器官で、ここに陰茎が挿入されます。精子はここを通って卵子がある方に移動していき、経血や胎児はここから体外に出ていきます。

腟の内部は、診察や性交、出産などの際に押し広げられない限り、通常はすき間なく閉じた状態となっています。腟の下側3分の1の部分は弾力性のある筋肉に囲まれていて、この筋肉によって腟口の大きさが調節されています。オルガスムの際には、この部分の筋肉がリズミカルかつ無意識に収縮します。

腟の内側は粘膜で覆われていて、表層の細胞から分泌される液体と子宮頸部(子宮の下部)にある腺から分泌される液体によって、湿った状態に保たれています。これらの体液が透明あるいは乳白色の分泌物として少量だけ体外に流れ出ることがありますが、これは正常な現象です。生殖可能年齢の女性の腟内には、ひだやしわがみられます。思春期前や閉経後の女性の腟内は滑らかです。

子宮および子宮頸部

子宮は、筋肉質の厚い壁でできた洋ナシのような形の器官で、骨盤部の中央にあって、前には膀胱、後ろには直腸があります。子宮はいくつかの靱帯によって一定の位置に固定されています。子宮の主な役割は発育中の胎児を維持することです。

子宮は以下から構成されています。

  • 子宮頸部

  • 子宮体部

子宮頸部とは、子宮の下部の細くなった部分のことで、腟の上部につながっています。この部分は内診の際に観察することが可能です。腟と同様に子宮頸部の内側も粘膜で覆われていますが、子宮頸部の表面は滑らかです。

子宮頸部は、精子が子宮に入っていく際の入り口となり、経血が子宮から排出される際の出口となります。子宮頸管は普段は狭くなっていますが、分娩時には広がって、胎児が通過できるようになります。卵子が卵巣から放出される排卵期と月経が起きる月経期および分娩時を除くと、子宮頸部は細菌の侵入を防ぐ優れたバリアとして機能しています。しかし性交時には、性感染症を引き起こす細菌が子宮頸部から子宮内に侵入できるようになります。

知っていますか?

  • 生まれたばかりの女児の卵巣には100万個以上の卵細胞がありますが、そのうち生涯の月経周期に伴って放出されるのは約400個のみです。

  • 出生後に新たに作られる卵細胞はありません。

子宮の特に狭くなった部分の粘膜には、粘液を分泌する腺があります。この粘液の粘度が高いため、排卵の直前まで精子はこの部分を通過することができません。排卵期になると、この粘度が下がって精子が泳いで通過できるようになる結果、受精が起こります。この時期には、子宮頸部にある粘液を分泌する腺によって、最長で5日間ほど、ときにはこれよりやや長いこともありますが、精子を生きたまま保持することが可能です。このようにして保持された精子は、後に子宮体部を上って卵管まで到達し、そこで卵子と遭遇すれば受精に至ります。ほぼすべての妊娠が排卵前の3日間に行われた性交によって起こります。しかし、最長で排卵の6日前から3日後までに行われた性交によっても妊娠が成立することがあります。一部の女性では、月経から排卵までの期間が月毎に変化することがあります。そのため月経周期内の様々な時点で妊娠が起こる可能性があります。

子宮体部は、厚い筋肉質の壁でできた器官で、胎児の成長に合わせて伸縮できるようになっています。分娩時には、この筋肉質の壁が収縮して胎児を押し出すことで、胎児は子宮頸部から腟内を通って体外へと送り出されます。生殖可能年齢の女性では、子宮体部の長さは子宮頸部の2倍ほどですが、閉経後にはこの比率が逆転することになります。

1回の月経周期(通常は約1カ月)中には、子宮体部の内側の層(子宮内膜)が厚くなる時期があります。その月経周期に妊娠が成立しないと、子宮内膜の組織が剥がれ落ちて出血が起こり、その結果として月経が始まります。

卵巣にある卵子の数

女児は生まれた時点で、卵巣内に将来卵子になる細胞(卵母細胞)をもっています。妊娠16~20週の時点では、胎児の卵巣には600万~700万個の卵母細胞が存在します。卵母細胞の大半は次第に消失していき、出生時までに100万~200万個程度にまで減少します。出生後に新たに作られる卵母細胞はありません。思春期を迎える頃には、30万個程度まで減少していますが、それでも女性の一生涯の妊よう性を維持するには十分な数となります。

卵子に成熟する卵母細胞の割合はわずかにすぎません。それ以外の膨大な数の卵母細胞は成熟することなく退化していきます。退化は閉経前の10~15年間に急速に進行し、閉経時にはすべての卵母細胞が消失しています。

通常は1回の月経周期につき1個の卵子が放出(排卵)され、女性の生殖期間全体で卵巣から排出される卵子はわずか400個程度です。排卵前の卵子は、細胞分裂が途中で停止した状態で卵胞内に保持されています。つまり、卵子は体内で特に寿命の長い細胞であるといえます。

休止期の卵子では通常の細胞内で起こる修復プロセスが機能しないため、年齢を重ねるにつれて、卵子に損傷が起きる機会が増えていきます。そのため、女性が高齢になってから妊娠するほど、染色体や遺伝子の異常がみられる可能性が高くなります。

卵管

2本の卵管は約10~13センチメートルほどの長さで、子宮の上端からそれぞれの卵巣の方に伸びています。卵管と卵巣は直接つながってはいません。卵管の先端は広がっていて、指を広げた手のようなじょうご形の構造(卵管采)になっています。卵巣から放出された卵子は、この卵管采に導かれて比較的広くなった卵管の入り口に到達します。

卵管の内側は、細い毛のような無数の突起物(線毛)に覆われています。この線毛の動きと卵管の壁にある筋肉の働きによって、卵子は卵管内を子宮の方に送られていきます。通常、卵子は卵管で精子と出会い、受精が起こります。

卵巣

卵巣は、通常は真珠のような色をしたクルミ大の長めの楕円形の器官です。卵巣は靱帯によって子宮とつながっています。女性ホルモン( エストロゲン プロゲステロン)に加えて、男性ホルモンが分泌されるほか、卵巣は卵子を作って放出します。未熟な卵細胞(卵母細胞)は、卵巣の壁の中にある液体で満たされた空洞(卵胞)に入っています。この卵胞には卵母細胞が1つずつ入っています。

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