( 不妊症の概要 不妊症の概要 不妊症とは通常、避妊をせずに繰り返し性交をしているカップルが1年以上妊娠できずにいる状態と定義されます。 避妊をせず頻回に性交を行えば、通常は以下の割合で妊娠します。 3カ月以内にカップルの50% 6カ月以内にカップルの75% 1年以内にカップルの90% さらに読む も参照のこと。)
治療
卵巣刺激法
ときに生殖補助医療
不妊症の原因が不明の場合、卵巣刺激法と呼ばれる方法が用いられることがあります。
卵巣刺激法は妊娠の可能性を高め、早く妊娠する助けになります。この治療により双子以上の多胎となる可能性があります。
卵巣刺激法の方法は以下のものです:
複数の卵子の成熟と放出を促す排卵誘発薬( クロミフェン クロミフェン 通常は 月経周期内に起こる卵巣からの排卵が毎月起こらない状態です。 排卵の問題は、排卵をコントロールしている脳の一部や内分泌腺の機能障害、あるいは卵巣の機能障害によって起こります。 体温測定や排卵検査薬を用いることで、排卵の有無を調べ、排卵の時期を予測することができます。 超音波検査、血液検査、尿検査を行って排卵の問題を評価します。 通常はクロミフェンやレトロゾールなどの薬剤により排卵を促すことができますが、それで必ずしも妊娠するとは限... さらに読む )と、排卵を促すヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を最長3回の月経周期の間女性に投与します。
hCGによる治療から2日以内に、粘液を避けて子宮内に精液を直接注入します(子宮内精子注入)。
この治療で妊娠しなかった場合、以下のいずれかを行うことがあります。
卵巣刺激法の別の方法( ヒトゴナドトロピン ヒトゴナドトロピン 通常は 月経周期内に起こる卵巣からの排卵が毎月起こらない状態です。 排卵の問題は、排卵をコントロールしている脳の一部や内分泌腺の機能障害、あるいは卵巣の機能障害によって起こります。 体温測定や排卵検査薬を用いることで、排卵の有無を調べ、排卵の時期を予測することができます。 超音波検査、血液検査、尿検査を行って排卵の問題を評価します。 通常はクロミフェンやレトロゾールなどの薬剤により排卵を促すことができますが、それで必ずしも妊娠するとは限... さらに読む (卵巣の卵胞の成熟を促すホルモンを含む製剤)を投与した後、排卵を促すためにhCGを投与してから子宮内精子注入を行う)
体外受精 体外受精 生殖補助医療は、精子と卵子、あるいは胚を培養室(体外)で操作して妊娠を達成することを目標とします。 ( 不妊症の概要も参照のこと。) 治療開始から4~6サイクルの月経周期が経過しても妊娠に至らない場合は、体外受精や配偶子卵管内移植(GIFT)などの方法を検討します。これらの方法は、35歳未満の女性の方が成功率が高くなります。米国での体外受精の成功率を以下に示します。 35歳未満の女性:体外受精の約30%で出生に至る。... さらに読む
などの 生殖補助医療 生殖補助医療 生殖補助医療は、精子と卵子、あるいは胚を培養室(体外)で操作して妊娠を達成することを目標とします。 ( 不妊症の概要も参照のこと。) 治療開始から4~6サイクルの月経周期が経過しても妊娠に至らない場合は、体外受精や配偶子卵管内移植(GIFT)などの方法を検討します。これらの方法は、35歳未満の女性の方が成功率が高くなります。米国での体外受精の成功率を以下に示します。 35歳未満の女性:体外受精の約30%で出生に至る。... さらに読む
予後(経過の見通し)
クロミフェンとhCGによる治療が不成功であった後に、ゴナドトロピンとhCGによる刺激を行った場合と直後に体外受精を行った場合では、妊娠率は同様(約65%)です。しかし、クロミフェンによる治療が不成功であった直後に体外受精を実施する方が早く妊娠し、三つ子以上の多胎妊娠になる可能性が低くなります。そのためクロミフェンと子宮内精子注入が成功しなければ、多くの場合、次のステップは体外受精です。
38歳以上で不妊症の原因が不明である女性は、卵巣刺激法を試す前に体外受精を行う方が早く妊娠することを示唆する科学的根拠があります。