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不妊症の概要

執筆者:

Robert W. Rebar

, MD, Western Michigan University Homer Stryker M.D. School of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 5月
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本ページのリソース

不妊症とは通常、避妊をせずに繰り返し性交をしているカップルが1年以上妊娠できずにいる状態と定義されます。

避妊をせず頻回に性交を行えば、通常は以下の割合で妊娠します。

  • 3カ月以内にカップルの50%

  • 6カ月以内にカップルの75%

  • 1年以内にカップルの90%

妊娠の可能性を最大限に高めるためには、排卵前の6日間(特に3日間)に頻繁に性交すべきです。排卵は通常、月経周期の半ば、つまり月経初日から次の月経初日の中間に起こります。

女性が排卵時期を予測するのには、以下に示す2つの一般的な方法を用いることができます。

  • 安静時の体温(基礎体温)を測定する

  • 排卵検査薬を使用する(おそらく最良の方法)

月経が規則的な女性では、起床前に毎日体温を測定することにより、排卵時期を推定できます。体温が下がったことは、排卵が近いことを示唆しています。0.5℃以上の上昇は排卵がちょうど起こったことを示唆します。しかし、この方法は多くの女性にとって不便であり、信頼性も低く、正確ではありません。せいぜい2日以内の排卵を予測する程度です。

排卵検査薬はより正確です。排卵検査薬は、尿中の黄体形成ホルモンの増加を検出するものです。(このホルモンは卵巣を刺激し排卵を促します。)通常、排卵の24~36時間前にこの上昇が起こります。通常、検査は数日間連続で繰り返す必要があるため、排卵検査薬には一般的に5~7本のスティックが含まれています。排尿中にスティックに尿をかけるか、滅菌容器に入れた尿にスティックを浸します。

定期的に性交を行っているカップルが排卵が起こる時期を予測することで、妊娠の可能性が高まるかどうかは不明です。しかし、排卵が起こる時期の予測は、定期的に性交を行っていないカップルがいつ性交を行うのが良いかを推測する助けになる可能性は高いでしょう。

米国のカップルの最大5組に1組は1年以上妊娠に至らず、そのため不妊症と判断されます。しかし、1年間妊娠を試みてうまくいかなかったカップルのうち60%以上は、治療を受けて、あるいは特に治療を受けなくても、最終的には妊娠に至ります。

不妊症の原因

不妊症の原因は、男性、女性、または男女両方にあります。

多量のカフェイン摂取(例えば1日にコーヒーを5~6杯)や過度の喫煙は、女性の妊よう性を低下させる可能性があるため、避けるべきです。

不妊症の診断

  • 医師による評価

不妊症の診断には、パートナー双方の十分な評価が必要です。通常、評価は最低1年間妊娠を試みてから行われます。ただし、以下の場合はそれより早く行われます。

  • 女性が35歳以上である(通常6カ月間妊娠を試みた後で評価)。

  • 女性の月経回数が少ない(1年に9回未満)。

  • 女性の子宮、卵管、または卵巣に異常がある。

  • 医師が男性の精子の問題を特定している、または問題の疑いがある。

年齢は要因の1つであり、女性では特に重要になります。女性は加齢とともに妊娠しにくくなり、妊娠中の合併症のリスクも高くなります。また女性の場合、特に35歳を過ぎると、閉経までの時間的制約により不妊症の問題を解決するための時間が限られてきます。

不妊症の治療

  • 原因の治療

  • ときに薬剤

  • ときに生殖補助医療

  • カウンセリング、サポートなどストレスを減らす対策

治療の目標は以下のものです。

  • 可能であれば、不妊症の原因を治療する

  • 妊娠の可能性を高める

  • 妊娠するのに必要な時間を短縮する

不妊症の原因が特定できなくても、治療を試みることは可能です。このような場合、女性には複数の卵子を刺激して成熟させ、排卵を引き起こす薬剤(いわゆる排卵誘発薬)が投与されることがあります。例えばクロミフェン、レトロゾール、ヒトゴナドトロピンなどの薬剤があります。この治療を受けている女性が妊娠する可能性は毎月約10~15%です。

あるいは、以下のような生殖補助医療を用いることもあります。

  • 子宮内精子注入:運動性の良好な精子を選んで直接子宮内に注入する

  • 体外受精:卵巣を刺激し、成熟した卵子を採取し、培養皿(体外)で精子と受精させ、培養により胚を発育させ、1個または複数個の胚を女性の子宮に着床させる

不妊治療を受けている間は、カップルの一方または双方が欲求不満、精神的ストレス、無力感、罪悪感などを感じることがあります。希望を抱いては失望することを繰り返す可能性もあります。孤立感やコミュニケーションがうまくいかないもどかしさから、パートナーや家族、友人、医師に対して怒りや恨みといった感情を抱くこともあります。精神的ストレスから、疲労や不安、睡眠や摂食の障害、集中力の低下などが起こります。また、診断と治療に伴う経済的負担や時間的拘束が、夫婦間の不和の原因になることがあります。

こうした問題を軽減するには、医学的な問題がパートナーのどちらにあろうと、2人がともに治療のプロセスに関わり、またその情報(どのくらいの期間かを含めて)を得ることが大切です。治療の成功率がどの程度であるかを把握し、また治療は成功するとは限らず、永遠に続けることもできないことを理解しておくことは、カップルがストレスに対処する上で役立ちます。

以下に関する情報も有用です。

  • いつ治療をやめるべきか

  • いつセカンドオピニオンを求めるべきか

  • いつ養子縁組を検討すべきか

例えば、もし3年間妊娠を試み続けて妊娠しなければ、あるいは2年間不妊治療を受け続けて妊娠しなければ、妊娠の可能性は低いため、養子をとることを考えてもよいかもしれません。理想的には、治療を開始する前にこれらの情報を得ておくべきです。

様々な支援団体(米国ではRESOLVEやPath2Parenthoodなど)によるカウンセリングや心理的支援なども利用することができます。

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