精巣炎は通常、ウイルスによって引き起こされます。
精巣が腫れて痛みます。
精巣炎の診断は医師の診察と尿検査によって下されます。
精巣炎の治療は、床上安静と痛みを緩和するための対策です。
精巣炎は、精巣上体が感染した場合に、 精巣精巣上体炎 精巣上体炎と精巣精巣上体炎 精巣上体炎とは精巣上体(精巣の上にあるコイル状の管で、精子が成熟するための空間と環境を作っている)の炎症のことで、精巣精巣上体炎とは精巣上体と精巣の両方に炎症が生じた場合のことをいいます。 患部の腫れと圧痛や痛みがみられます。 精巣上体炎と精巣精巣上体炎の診断は、身体診察と尿検査のほか、ときにドプラ超音波検査を行うことで下されます。... さらに読む の一部として起こる可能性があります。精巣だけが感染している場合、精巣炎と呼ばれます。
精巣炎はほとんどの場合、ウイルス(通常はムンプスウイルス)によって引き起こされます。まれに、他の感染によって引き起こされることもあります。ムンプス(おたふくかぜ)にかかった男性の約20~25%が精巣炎を発症します。ムンプス精巣炎の大半は、10歳未満の男児に発生します。
精巣炎は片方だけの精巣に起きる場合もあれば、両側の精巣に起きる場合もあります。長期的には精巣が萎縮することがありますが、男性ホルモンのテストステロンの分泌量は減少しないのが通常です。妊よう性が低下することがあり、特に両方の精巣に精巣炎が生じたり、精巣炎が思春期以降に起こったりした場合にその可能性があります。しかし、不妊症になることはまれです。
症状
ムンプスの男児または男性では、唾液腺が腫れてから4~7日後に精巣炎が発生します。精巣が腫れて痛みます。ときに両方の精巣が侵されます。発熱、吐き気、頭痛、筋肉痛もみられることがあります。
診断
医師による評価
尿検査と血液検査
精巣炎の診断は通常、身体診察によって下されます。ムンプスウイルスや他の感染症を特定するために、ときに血液検査と尿検査を行います。ときに、精巣への血流を評価して(緊急事態である) 精巣捻転 精巣捻転 精巣捻転(せいそうねんてん)とは、精巣が回転して精索がねじれてしまった状態で、精巣への血流が妨げられます。 精巣捻転が起きると、激しい痛みが突然起きた後、捻転が起きた側の精巣が腫れ上がります。 精巣捻転の診断には、医師による診察のほか、ときに超音波検査が必要になります。 治療は精巣のねじれを解除することです。 精巣捻転は通常、12歳から18歳くらいの男児に起こり、ときに乳児期にも起こりますが、どの年齢でも起こる可能性があります。精巣を覆... さらに読む の可能性を否定するために、 ドプラ超音波検査 ドプラ超音波検査 超音波検査は、周波数の高い音波(超音波)を用いて内臓などの組織の画像を描出する検査です。プローブと呼ばれる装置で電流を音波に変換し、この音波を体の組織に向けて発信すると、音波は体内の構造で跳ね返ってプローブに戻ります。これは再度、電気信号に変換されます。コンピュータが、この電気信号のパターンをさらに画像に変換してモニター上に表示するとともに、コンピュータ上のデジタル画像として記録します。X線は使用しないため、超音波検査で放射線にさらされ... さらに読む を緊急で行うこともあります。
治療
痛みを和らげる対策
ときに抗菌薬
精巣炎の治療は通常、床上安静や鎮痛薬と、陰嚢にアイスパックをあてて行います。細菌感染症の場合は適切な抗菌薬で治療します。