眼の上に黄色味を帯びた灰色の小さな隆起物が形成されます。
一般的な症状として、眼が赤くなる、かすみ目、明るい光への過敏、目の中に異物が引っかかっているような感覚がみられるほか、ときにまぶたの端に死滅した皮膚の破片が見えることがあります。
医師は、眼の外観に基づいて、フリクテン性角結膜炎を診断します。
治療は点眼薬またはまぶたのこすり洗いにより行います。
(角膜の病気に関する序 角膜の病気に関する序 角膜とは、虹彩と瞳孔の前にある透明な層です。角膜は、虹彩と水晶体を保護し、光が網膜に焦点を結ぶのを助ける働きをしています。角膜は細胞、タンパク質、液体からできています。角膜は脆弱(ぜいじゃく)に見えますが、爪とほとんど同じくらいの硬さです。しかし、接触には極めて敏感です。 角膜の病気には以下のものがあります。... さらに読む も参照のこと。)
眼の内部の構造
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フリクテン性角結膜炎は、感染症ではありません。これは、眼または眼の周囲に存在する細菌への免疫反応です。病気の引き金となる細菌には、ブドウ球菌のほか、まれに結核菌、クラミジア Chlamydiaなどがあります。この病気は小児により多くみられます。
症状
輪部(結膜が角膜に付着する部位)周辺の角膜上または結膜上に、小さな黄灰色の隆起(小さな水疱)が現れます。この隆起は数日から2週間続きます。結膜上では、この隆起がその後ただれ(潰瘍[かいよう])になりますが、瘢痕(はんこん)を残さず完治します。角膜に病変がかかると、激しい流涙(りゅうるい)、羞明(しゅうめい、眼に光が当たったときの眼痛)、かすみ目、うずき、眼に異物が入っているかのような感覚(異物感)に気づくことがあります。多くの人に、眼が赤くなる、かすみ目、明るい光への過敏、目の中に異物が引っかかっているような感覚がみられるほか、ときにまぶたの端に死滅した皮膚の破片が見えることがあります(脂漏性眼瞼炎)。
再発がたびたび起こると、角膜がくもったり、角膜を横切る微小血管が現れたりします。視覚が障害されることもあります。
診断
医師による眼の評価
フリクテン性角結膜炎の診断は、典型的な眼の外観に基づいて下されます。
医師は、結核がないか検査することもあります。
治療
コルチコステロイド/抗菌薬の点眼薬
脂漏(しろう)性眼瞼炎に対し、まぶたのこすり洗い
結核のない人には、コルチコステロイドと抗菌薬を配合した点眼薬が処方されます。
皮膚の病気である 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮や顔面、髪の生え際、耳の周囲、ときにその他の部位に慢性の炎症が起き、脂ぎった黄色い鱗屑(うろこ状のくず)やフケが生じる病気です。 ( 皮膚炎の概要も参照のこと。) 原因は不明ですが、皮膚に常在している微生物であるマラセジア Malassezia属の真菌の数が何らかの役割を果たしています。脂漏性皮膚炎が最もよく生じるのは、乳児(通常は生後3カ月)、10代の人、30~70歳の人です。こ... さらに読む による眼瞼炎(脂漏性眼瞼炎)のある人は、まぶたの縁をやさしくこすると、再発の予防に役立ちます(眼瞼炎の治療 治療 眼瞼炎(がんけんえん)とは、まぶたの縁の炎症です。厚い鱗屑(りんせつ)、目やにのかたまり、浅い潰瘍(かいよう)、またはまぶたの縁の発赤および腫脹を伴うこともあります。 炎症は何らかの感染症、アレルギー反応、ある種の皮膚の状態によって引き起こされます。 まぶたが刺激され、赤くなり腫脹して、灼熱感およびかゆみが生じることがあります。 診断は通常、症状とまぶたの外観に基づいて下されます。... さらに読む
を参照)。