( 眼窩の病気に関する序 眼窩の病気に関する序 眼窩(がんか)は、眼球が入っている、骨でできた空間で、眼球とその支持構造を保護しています(図「 眼の内部の構造」および「 眼を保護する構造」を参照)。眼窩の病気には以下のものがあります。 骨折 海綿静脈洞血栓症 炎症 感染症(例えば、 眼窩蜂窩織炎[ほうかしきえん]や 眼窩隔膜前蜂窩織炎) さらに読む も参照のこと。)
腫瘍は眼の後方の組織内に形成されることもあれば、隣接する副鼻腔(鼻の後方にある空気で満たされた空洞)から拡がることもあります。体内の他の部位にできた悪性腫瘍が、眼の後方の組織に拡がる(転移する)可能性もあります。
腫瘍のために眼球が前に異常に突き出すことがあります(この状態を 眼球突出 眼球の突出 眼球が前に飛び出したり押し出されたりすることを、眼球突出と呼びます。 眼球突出という言葉は、甲状腺の活動が過剰になった状態( 甲状腺機能亢進症)を引き起こすバセドウ病によって、眼球が前方に飛び出した状態を指して用いられるのが通常です。眼球の突出は、眼が大きいことではありません。 クッシング病や重度の肥満などは、顔貌や眼の外観を変えることがありますが、真の眼球の突出が起こることはありません。... さらに読む と呼びます)。痛み、複視、まぶたの垂れ下がり、視力障害が起こることもあります。
腫瘍の画像を撮影し、ほかの異常によるものではないことを確認するために、 CT(コンピュータ断層撮影)検査 CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像)検査 眼の病気を診断したり、その重症度や広がりを特定したりするために、様々な検査が行われます。左眼、右眼それぞれ別に検査します。 血管造影検査は一般に、血管に造影剤を注射し、画像検査で血管を見えやすくするものです。しかし、眼の血管造影検査では造影剤(色素)を使うことで、医師が直接診察するときに血管を見えやすくするものであり、この色素は写真にも写ります。 フルオレセイン蛍光眼底造影検査を行うと、医師は眼底の血管をはっきりと観察できるようになりま... さらに読む 、 MRI(磁気共鳴画像)検査 CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像)検査 眼の病気を診断したり、その重症度や広がりを特定したりするために、様々な検査が行われます。左眼、右眼それぞれ別に検査します。 血管造影検査は一般に、血管に造影剤を注射し、画像検査で血管を見えやすくするものです。しかし、眼の血管造影検査では造影剤(色素)を使うことで、医師が直接診察するときに血管を見えやすくするものであり、この色素は写真にも写ります。 フルオレセイン蛍光眼底造影検査を行うと、医師は眼底の血管をはっきりと観察できるようになりま... さらに読む 、またはその両方が行われます。腫瘍のタイプを確定するには、通常、組織のサンプルを採取して顕微鏡で調べる検査(生検)が必要です。治療法はその結果に基づいて決定されます。
治療法は腫瘍の種類によって異なります。良性腫瘍の治療では、必要に応じて、薬物療法、レーザー療法、外科的切除などが行われます。悪性腫瘍では、外科的切除、放射線療法、化学療法が必要であり、これらを組み合わせることもあります。