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眼の構造と機能

執筆者:

James Garrity

, MD, Mayo Clinic College of Medicine

最終査読/改訂年月 2016年 10月
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眼の構造と機能はとても複雑です。眼は、入ってくる光の量を調節し、見るものの距離に応じて焦点を合わせ、その画像情報を瞬時に脳に伝えるという働きを絶えず行っています。

眼球は、眼窩(がんか)という骨で囲まれた空間に収まっています。眼窩の中には、筋肉、神経、血管、そして涙を分泌し排出する器官もあります。眼窩はいくつかの骨が組み合わされて形作られた空間で、洋ナシのような形をしています。

眼の内部の構造

眼の内部の構造

眼球の表面には、強膜という比較的硬く白い組織(いわゆる白眼)があります。

眼の正面付近(まぶたに保護されている部分)で、強膜は薄く透明な膜(結膜)に覆われており、結膜は角膜の縁まで延びています。結膜は、眼球だけでなく、まぶたの裏側の湿潤した部分も覆っています。

光は、角膜を通過して眼球の中に入ってきます。角膜は、虹彩と瞳孔の前にある透明なドーム状の構造物です。角膜には眼球の表面を保護する働きと、眼球の裏側にある網膜の上に光が像を結ぶのを助ける働きがあります。

光は角膜を通り抜けた後、瞳孔(虹彩の中心にある黒い部分)を通ってさらに奥へと進みます。

虹彩は、瞳孔を取り巻く環状の色の付いた領域で、ここで眼に入る光の量が調節されています。虹彩の働きにより、暗い場所ではたくさんの光が眼に入り(瞳孔の散大[拡大]による)、明るい場所では眼に入る光の量が少なくなります(瞳孔の収縮[縮小]による)。このように瞳孔は、周囲の光の量に応じて、カメラのレンズの絞りのように散大したり収縮したりします。瞳孔の大きさを調節しているのは瞳孔括約筋と瞳孔散大筋という筋肉です。

虹彩のすぐ後ろには、レンズの働きをする水晶体があります。この水晶体が形を変えることで、眼に入った光がうまく網膜の上に像を結びます。毛様体筋と呼ばれる小さな筋肉の働きにより、水晶体は近くの物を見るときは厚くなり、遠くの物を見るときは薄くなります。

網膜には、光を感じる細胞(視細胞)と、その細胞に栄養を与えるための血管が分布しています。網膜の中で光への感度が最も高い部分は黄斑と呼ばれ、ここには錐体細胞と呼ばれる種類の視細胞がぎっしりと詰まっています。錐体細胞が高い密度で配置されていることによって、黄斑では緻密な像が作られます。これは画素値が高いデジタルカメラほど鮮明な写真が撮れることと同様の原理です。

視細胞はそれぞれが神経線維につながっています。視細胞につながった神経線維は束になって視神経を形成します。この視神経の基部である視神経乳頭は、眼球の裏側にあたります。

網膜に結ばれた像は視細胞で電気信号に変換され、それが視神経を通って脳へと運ばれます。視細胞には大きく2種類あり、それぞれ錐体細胞、桿体(かんたい)細胞と呼ばれています。

錐体細胞は中心視野を鮮明にする機能と色を感じる機能をもち、主に黄斑部に分布しています。

桿体細胞は周辺視力と夜間の視力を担っています。桿体細胞は錐体細胞よりもはるかに数が多く、光に対する感度も高いのですが、錐体細胞と異なり、色を感じたり中心視野で像を鮮明に見せたりする機能はもっていません。桿体細胞は主に網膜の周辺部に集まっています。

視覚路をたどる

それぞれの眼で生じた神経信号は、視神経などの神経線維(視覚路と呼ばれる)に沿って伝わり、脳の後方で視覚として感知され、解釈されます。2本の視神経は、眼の後方で下垂体の直前、前方部の脳(大脳)の直下にある視交叉で出会います。それぞれの眼からきた視神経は、視交叉で2つに分かれます。右側、左側からきた神経線維のうち半分ずつが、視交叉で反対側に交叉し、脳の後ろまでつながっています。このため、脳の右側は、両眼の左視野からの情報を受け取り、脳の左側は両方の視神経から視野の右側の情報を受け取ります。視野の中心部分の情報は重なり合って伝えられます。つまり、この部分は両方の眼で見ているわけです(両眼視と呼びます)。

同じ物をそれぞれの眼から見ると、角度がわずかに異なるため、脳がそれぞれの眼から受け取る情報は、重なっているとはいえ、まったく同じものではありません。脳はそれらの情報を統合して完全な画像に仕上げます。これが立体視または奥行きの知覚の基礎です。

視覚路をたどる

眼球は大きく2つの部分に分かれていて、そのどちらも液体で満たされています。この2種類の液体が眼球を満たしているため、その圧力により眼球の形が保たれます。

眼球の前方、つまり角膜の内側から水晶体の前面までの部分を前眼部といいます。ここは房水という液体で満たされており、内部の構造物は房水から栄養を得ています。前眼部は、さらに前房と後房の2つの部分に分かれます。前房は角膜から虹彩までの範囲を指します。後房は、虹彩から水晶体までを指します。通常、房水は後房でつくられ、瞳孔を通ってゆっくりと前房の中へと流れ込んでいき、虹彩と角膜が交わる場所にある流出路を通って眼球の外へと排出されます。

眼球の後方、水晶体の裏面から網膜までの部分を後眼部といいます。後眼部は硝子体(しょうしたい)液と呼ばれるゼリー状の液体で満たされています。

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