良性(がんではない)または悪性の腫瘍がまぶたにできることがあります。
眼瞼黄色腫
まぶたに最もよくみられる良性の増殖性病変の1つが眼瞼黄色腫で、これは脂肪性の物質が蓄積した黄白色の平らなかたまりです。これは本物の腫瘍ではなく、新たな組織が異常に増殖したものです。眼瞼黄色腫は血中コレステロール値上昇のサインかもしれないため、特に若い人の場合、これができたときには採血を行いコレステロール値の検査を行うことがあります。眼瞼黄色腫は外見の面で気にならない限り、切除する必要はありません。
眼の基底細胞がん
基底細胞がん 基底細胞がん 基底細胞がんは、最も多くみられる皮膚がんで、皮膚の外層(表皮)にある特定の細胞から発生します。 通常は、皮膚に小さくつやのある隆起が現れ、徐々に大きくなっていきます。 隆起は破れてかさぶたになることがあり、ときには出血を伴ったり、平らになって瘢痕状になったりすることもあります。 このがんは外観から確認できることが多いですが、通常は生検を行います。 通常は切除しますが、皮膚に化学療法薬を塗ることもあり、ときには放射線療法や薬物療法も行うこ... さらに読む は、しばしばまぶたの縁、眼の内側の隅、上頬に発生するタイプの皮膚がんです。医師は、生検(組織のサンプルを採取して顕微鏡下に調べる検査)の結果に基づいて診断を下します。病変は通常、外科的に切除されます。
まぶたのその他の悪性腫瘍
それほど一般的ではありませんが、 扁平上皮がん 有棘細胞がん 有棘細胞がんとは、皮膚の扁平上皮細胞に由来するがんのことです。 皮膚にかさつく厚い増殖性病変が出現し、それが治りません。 このがんの診断を下すには、生検を行います。 転移していない場合は、手術、皮膚への化学療法薬の塗布、ときには放射線療法を行うことで通常は治癒します。 他の部位に転移している場合は、死に至ることもあります。 さらに読む 、マイボーム腺(皮脂腺)がん(まぶたの皮脂腺のがん)、 黒色腫 黒色腫 黒色腫(メラノーマとも呼ばれます)は、色素を作り出す皮膚細胞(メラノサイト)から発生する皮膚がんです。 黒色腫は、正常な皮膚から発生する場合もあれば、すでにあった ほくろから発生する場合があります。 皮膚に様々な色の斑点を伴う平坦または隆起した褐色の不規則な皮疹、あるいは黒または灰色の硬い隆起が現れます。 黒色腫の診断を下すには、生検を行います。 黒色腫を切除します。 さらに読む
などがまぶたに生じることがあります。まぶたにできた病変が数週間経っても消えない場合、生検を行うことがあります。病変は通常、外科的に切除します。 まぶたの腫瘍は他の眼疾患(眼瞼炎 眼瞼炎 眼瞼炎(がんけんえん)とは、まぶたの縁の炎症です。厚い鱗屑(りんせつ)、目やにのかたまり、浅い潰瘍(かいよう)、またはまぶたの縁の発赤および腫脹を伴うこともあります。 炎症は何らかの感染症、アレルギー反応、ある種の皮膚の状態によって引き起こされます。 まぶたが刺激され、赤くなり腫脹して、灼熱感およびかゆみが生じることがあります。 診断は通常、症状とまぶたの外観に基づいて下されます。... さらに読む
や 霰粒腫[さんりゅうしゅ] 霰粒腫と麦粒腫(ものもらい) 霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、まぶたの奥にある脂腺が腫れて(吹き出物のように)、腺の開口部がふさがるために起こります。麦粒腫(ばくりゅうしゅ)は一般に、まつ毛の毛包の感染症です。 霰粒腫は、感染を伴わない炎症です。麦粒腫は、通常、ブドウ球菌の感染によって起こります。ときに、 眼瞼(がんけん)炎(まぶたの縁の炎症)も併発します。一生のうちに1、2回しか麦粒腫にならない人もいれば、何度も繰り返す人もいます。まれに、麦粒腫がまぶたの比較的深部の... さらに読む
など)に類似することがあるため、当初の治療で効果がみられない病変についてはすべて生検を行うのが通例です。