鼻の上部は大部分が骨でできています。下部は軟骨によって支えられています。鼻の内側は空洞で(鼻腔)、薄い板状の軟骨と骨でできた鼻中隔によって2つに分かれています。顔の骨の中には副鼻腔という複数の空洞があり、いずれも鼻腔に開口しています( 鼻と副鼻腔 鼻と副鼻腔 鼻は、嗅覚器官であるとともに、肺に出入りする空気の主な通り道にもなっています。鼻は、肺に向かう空気を温め、加湿し、きれいにします。鼻の周囲の顔面の骨には副鼻腔と呼ばれる空洞があります。副鼻腔には、上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)の4組があります()。副鼻腔は、顔面の骨と... さらに読む )。
鼻は顔面から突き出ているため、 骨折 鼻の骨折 鼻が折れる(骨折する)と、典型的には出血、痛み、腫れが生じます。 診断は鼻梁(びりょう)の視診と触診により行います。 ときに、折れた骨の破片を元の場所に押し戻さなければならないこともあります。 鼻の骨(鼻骨)は顔の中でも特に折れやすい骨です。鼻骨が折れると、鼻の内側を覆う粘膜が破れることがあり、結果、鼻出血が起こります。たいていは、鼻梁が... さらに読む を含め、特にけがをしやすい部位です。鼻には 鼻の細菌感染症 鼻の細菌感染症 細菌によって、鼻孔の開口部のすぐ内側(鼻前庭)に、吹き出物やおでき(せつ)ができることがあります。 鼻の開口部に軽い感染(鼻前庭炎)が起こると、鼻毛の根元に吹き出物ができたり(毛包炎)、ときに鼻孔の周辺にかさぶたができたりすることがあります。多くの場合、ブドウ球菌属 Staphylococcusの細菌が原因です。感染は鼻ほじ... さらに読む 、 鼻出血 鼻血 鼻血を起こしやすい人もいれば、めったに起こさない人もいます。血がポタポタとしたたる程度の場合もあれば、勢いよく流れ出る場合もあります。血を飲み込んでしまうと、血が胃を刺激するため、その血を吐いてしまうことがよくあります。飲み込まれた血が消化管を通過し黒いタール状の便として認められる場合があります。... さらに読む 、 異物の詰まり 鼻の中の異物 小児、知的障害者、精神病患者らが様々な異物を鼻に入れることがあり、綿、紙、小石、ビーズ、種、ナッツ、虫、ボタン電池、豆などはその一部の例に過ぎません。こういった異物を耳に入れる患者もいます( 外耳道の閉塞)。 鼻に異物が詰まると、気道をふさぎ、感染症を起こし、取り除くのが難しいため、特に注意が必要です。小児は怖がって鼻にものを入れてしまっ... さらに読む 、 ポリープ 鼻茸(鼻ポリープ) 鼻茸(はなたけ)は、鼻の粘膜にできる肉質の増殖性病変で、鼻ポリープとも呼ばれます。 アレルギーや喘息がある人では、鼻茸が比較的よくみられます。 鼻茸による症状には鼻づまりなどがあります。 さらに読む
も発生することがあります。鼻の粘膜が炎症を起こすこともあります( 鼻炎 鼻炎 鼻炎は鼻の粘膜が炎症を起こして腫れた状態で、鼻水と鼻づまりを特徴とし、通常はかぜ(感冒)または季節性アレルギーが原因で起こります。 鼻炎の最も多い原因はかぜとアレルギーです。 症状は、鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどです。 一般的に、診断は症状に基づいて下されます。 鼻炎には様々なタイプがあるため、治療法も様々で、例えば抗菌薬、抗ヒスタミン薬... さらに読む
)。この炎症が副鼻腔内の粘膜へ広がり、 副鼻腔炎 副鼻腔炎 副鼻腔炎は副鼻腔の炎症で、多くはウイルスや細菌の感染またはアレルギーが原因です。 最もよくみられる症状は痛み、圧痛、鼻づまり、頭痛などです。 診断は症状に基づいて下されますが、ときにCT検査などの画像検査が必要になることもあります。 原因となっている細菌感染症は抗菌薬で根治させることができます。... さらに読む になることもあります。
鼻とのどの内部の構造
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