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副鼻腔炎

執筆者:

Marvin P. Fried

, MD, Montefiore Medical Center, The University Hospital of Albert Einstein College of Medicine

最終査読/改訂年月 2017年 11月
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副鼻腔炎は副鼻腔の炎症で、多くはウイルスや細菌の感染またはアレルギーが原因です。

  • 最もよくみられる症状は痛み、圧痛、鼻づまり、頭痛などです。

  • 診断は症状に基づいて下されますが、ときにCT検査などの画像検査が必要になることもあります。

  • 原因となっている細菌感染症は抗菌薬で根治させることができます。

副鼻腔炎は最も多い病気の1つです。副鼻腔炎は、上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)という4種類の副鼻腔のいずれにも起こります。ほぼ必ず鼻腔の炎症(鼻炎)が併発し、鼻副鼻腔炎と呼ばれることもあります。短期間で治まる急性副鼻腔炎と、長期にわたる慢性副鼻腔炎があります。

急性副鼻腔炎

副鼻腔炎のうち、30日未満で完全に消失するものは急性副鼻腔炎と定義されています。患者の免疫系が正常に機能している場合は、通常はウイルス感染が原因です。

急性副鼻腔炎はときに細菌によって生じることもあります。感染は多くの場合、副鼻腔の開口部が何かで閉塞した後に発生します。そうした閉塞は一般的にかぜなどの上気道のウイルス感染が原因で起こります。かぜを引いている間は、鼻腔の粘膜の腫れによって、副鼻腔の開口部が閉塞しやすくなります。副鼻腔内の空気が血液中に吸収され、副鼻腔内の圧力が低下するため、痛みが生じ、副鼻腔内に体液が引き込まれます。この体液は、細菌が繁殖する温床となります。細菌から体を守るために、白血球やさらなる体液が副鼻腔に入り込みます。この流入により圧力が高まり、さらに痛みが強くなります。

アレルギーも粘膜の腫れを引き起こし、副鼻腔の開口部をふさぎます。また、鼻中隔弯曲症のある人では、副鼻腔の閉塞がさらに起こりやすくなります。

副鼻腔の位置

副鼻腔は鼻の周囲の骨にある空洞です。前頭洞は2つあり、左右のまゆのすぐ上にあります。上顎洞も2つ、左右の頬骨の中にあります。篩骨洞の集まりは鼻腔の両側に2対あります。蝶形骨洞も2つ、篩骨洞の後ろにあります。

副鼻腔の位置

慢性副鼻腔炎

副鼻腔炎のうち、90日以上続くものは慢性副鼻腔炎と定義されています。慢性副鼻腔炎の正確な原因ははっきり分かっていませんが、慢性の炎症を引き起こす要因が関与しています。要因としては、慢性のアレルギー、鼻茸、環境中の刺激物(空気中の汚染物質やタバコの煙)への曝露などがあります。患者の家族に同じ病歴があることが多く、遺伝的素因も要因の1つと考えられます。患者が細菌や真菌に感染していることがあり、その場合はるかにひどい炎症がみられます。ときに、上の歯にできた膿瘍がその上に位置する副鼻腔に広がり、上顎洞の慢性副鼻腔炎を引き起こすことがあります。

副鼻腔炎は亜急性(30~90日間続く)や再発性(急性副鼻腔炎が年に4回以上発生する)の場合もあります。

症状

急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎は似た症状を引き起こし、具体的には以下のものがあります。

  • 鼻から黄色や緑色の膿が出る

  • 顔面の圧迫や痛み

  • 鼻づまり

  • 患部の副鼻腔上の圧痛(触れたときの痛み)や腫れ

  • 嗅覚の減退(嗅覚低下)

  • 口臭

  • たんを伴うせき(特に夜間)

以下のように、一部の症状ではどの副鼻腔が感染しているかが示唆されます。

  • 上顎洞炎では、眼のすぐ下の頬の痛み、歯の痛み、頭痛が起こります。

  • 前頭洞炎では額が痛みます。

  • 篩骨洞炎では眼の奥や両眼の間が痛み、涙目、(しばしば「頭が割れるような」と表現される)激しい額の痛みが起こります。

  • 蝶形骨洞炎では、頭の前部や後部に痛みを感じますが、はっきりと位置を特定できません。

全身がだるく感じられることもあります(けん怠感)。発熱と悪寒も起こることがありますが、これらの症状がみられる場合は、感染が副鼻腔を越えてさらに広がっていることが疑われます。多くの場合、急性副鼻腔炎では痛みがより激しくなります。

副鼻腔炎の合併症

副鼻腔炎の主な合併症は、細菌感染が広がることです。感染が眼の周囲の組織に広がり( 眼窩の病気に関する序)、視覚の変化または眼の周囲の腫れが起こることがあります。

まれに、感染が眼そのものに広がり、眼の痛みと視覚の障害を引き起こします。

まれに、感染が脳の周囲の組織(髄膜炎)に広がり、重度の頭痛や錯乱を引き起こすことがあります。副鼻腔炎の人でこのような症状が現れた場合は、できるだけ速やかに医師の診察を受ける必要があります。

診断

  • 医師による評価

  • ときにCT検査

診断は典型的な症状に基づいて下されます。CT検査で副鼻腔炎の広がりと重症度を判定できますが、この検査が行われるのは主に、合併症の症状(眼の充血や眼球突出など)か慢性副鼻腔炎がある場合です。上顎洞炎の場合は、歯の膿瘍の有無を調べるため、歯のX線検査が行われることがあります。ときに鼻に細い内視鏡を挿入して副鼻腔の開口部を観察し、培養のために液体のサンプルを採取することもあります。この処置は、局所麻酔(処置を行う部位の感覚をなくすため)が必要ですが、診察室で行うことが可能です。

小児の副鼻腔炎は、膿性の(どろどろの)鼻水が10日以上続き、極度の疲労感とせきがある場合に疑われます。顔面の痛みや不快感が生じることもあります。発熱はまれです。鼻の診察の際に、膿性の(どろどろの)鼻水がみられます。CT検査で診断が確定しますが、放射線被曝に伴うリスクがあるため、通常は、抗菌薬で治癒しない慢性副鼻腔炎または合併症の徴候がある小児でのみ行われます。

治療

  • 副鼻腔からの排出を改善する治療

  • 薬用鼻腔スプレー

  • ときに抗菌薬

急性副鼻腔炎の治療は、副鼻腔からの排液を改善し、感染を治癒させることを主眼に行います。蒸気を吸入したり、湿らせた熱いタオルを炎症のある副鼻腔の上にあてたり、熱い飲みものを飲んだりすることで、粘膜の腫れが緩和され分泌物の排出が促されることがあります。鼻を食塩水で洗い流す(鼻洗浄)か、食塩水のスプレーを使うことでも、症状を緩和できます。

フェニレフリンやオキシメタゾリンなどの鼻腔スプレーには粘膜の腫れを抑える働きがあり、期間を限って使用することがあります。同様の作用をもつプソイドエフェドリンなどの内服薬は、それほど効果的ではありません。コルチコステロイドの鼻腔スプレーも症状の緩和に役立ちますが、効果が現れるまでに少なくとも10日かかります。

抗菌薬

重度(39℃以上の発熱や重度の痛みなどの症状が3日以上)または持続性(10日以上)の急性副鼻腔炎に対しては、アモキシシリン/クラブラン酸やドキシサイクリンなどの抗菌薬を使用します。

慢性副鼻腔炎の患者も同じ抗菌薬を服用しますが、より長く(一般的には4~6週間)使用します。抗菌薬が効果的でない場合は、手術を行うことがあります。手術によって、副鼻腔内を洗浄して培養のためのサンプルを採取したり、副鼻腔からの排膿を改善して炎症の消失を促したりします。排出を妨げる鼻づまりにも手術が必要なことがあります。

副鼻腔の真菌感染症

自然環境のいたるところに通常みられる様々な真菌は、大部分の健康な人の鼻や副鼻腔にも存在しています。しかしある種の状況下では、真菌が鼻や副鼻腔に重大な炎症を引き起こすことがあります。

健康な人にアスペルギルス属 Aspergillusの真菌が異常増殖したものを菌球と呼びます。症状は副鼻腔の痛み、圧迫感、鼻づまり、鼻水の排出などです。手術で感染した副鼻腔を切開し、真菌の残渣(ざんさ)を取り除く必要があります。

浸潤性真菌性副鼻腔炎は非常に重篤な病気で、がんの化学療法や、コントロール不良の糖尿病、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、エイズなどの病気によって免疫機能が低下した人に最も多くみられます。この病気は急速に広がる可能性があります。症状は痛み、発熱、鼻からの膿の分泌などです。真菌感染が眼窩に広がって、眼球の突出や失明を引き起こすこともあります。診断は生検(組織の一部を採取して顕微鏡で調べる検査)の結果に基づいて下されます。治療は、手術と抗真菌薬の静脈内投与です。また、この感染症によって死に至る可能性もあるため、原因となっている病気をコントロールし、低下した免疫系の機能を活性化する必要があります。

アレルギー性真菌性副鼻腔炎は、真菌が原因でアレルギー反応が起き、著しい鼻づまりと、鼻や副鼻腔に鼻茸が形成されることを特徴とする慢性副鼻腔炎です。鼻茸が、鼻や副鼻腔の開口部をふさぎ、慢性的な炎症を引き起こします。通常、副鼻腔を手術で切開し、菌体などの貯留物を取り除く必要があります。また、コルチコステロイドや抗菌薬による長期治療も必要で、ときには抗真菌薬を患部に直接塗布するか内服する場合もあります。このような薬により炎症を和らげ、真菌を排除します。しかし長期間の治療を行っても、非常に再発しやすい病気です。

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