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鼻と副鼻腔

執筆者:

Debara L. Tucci

, MD, MS, MBA , Duke University Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 1月
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鼻は、嗅覚器官であるとともに、肺に出入りする空気の主な通り道にもなっています。鼻は、肺に向かう空気を温め、加湿し、きれいにします。鼻の周囲の顔面の骨には副鼻腔と呼ばれる空洞があります。副鼻腔には、上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)の4組があります( 副鼻腔の位置)。副鼻腔は、顔面の骨と頭蓋骨の重量を減らしつつ、骨の強度と形を維持させています。また、鼻と副鼻腔の空洞部分は、声に響きを加えています。

外鼻の上部は骨により、下部は軟骨により支えられています。鼻の内側の空間を鼻腔といい、鼻中隔によって左右2つの通り道に分かれています。鼻中隔は骨と軟骨からなり、鼻孔から鼻の奥まで伸びています。鼻甲介(びこうかい)という骨が鼻腔に突き出し、一連のひだを作り出しています。このひだで鼻腔の表面積が大きく増え、それによって熱や湿気の交換がより効果的にできます。ひだの間にポリープが生じることがあり、特に喘息の人、アレルギーのある人、嚢胞性線維症の人、 アスピリンを長期間使用している人に多くみられます。

鼻腔の内側は、血管が密集した粘膜に覆われています。表面積が広く、血管がたくさんあるおかげで、鼻は外から入ってくる空気を素早く温め、加湿することができます。粘膜の細胞は粘液を分泌し、粘膜の表面には細い毛のような小突起(線毛)があります。通常、粘液が鼻の中に入ってきたほこりの粒子をとらえ、線毛がそれを鼻孔の前方またはのどに向かって運び、気道から取り除きます。この働きは、肺に入る空気をあらかじめきれいにするのに役立ちます。せきが肺をきれいにするように、くしゃみは刺激に反応して鼻の通り道を自動的にきれいにします。

鼻腔と同様に、副鼻腔も線毛をもち、粘液を分泌する細胞でできた粘膜で覆われています。ほこりの粒子は、副鼻腔に入ると粘液にとらえられ、線毛の働きで、小さな開口部を通って鼻腔へ運ばれます。これらの開口部は非常に狭いため、かぜやアレルギーなどで粘膜が腫れると、容易に排出が妨げられます。副鼻腔からの正常な排出が妨げられると、副鼻腔の炎症や感染が生じます(副鼻腔炎)。

鼻とのどの内部の構造

鼻とのどの内部の構造

嗅覚

鼻の最も重要な働きの1つは、嗅覚の役割です。鼻腔の上部には嗅覚受容器という細胞があります。それらは線毛を備えた特殊な神経細胞です。各細胞の線毛は、様々な化学物質に反応し、刺激を受けると神経インパルスを生じ、そのインパルスは鼻のすぐ上の頭蓋内にある嗅球の神経細胞へと送られます。神経インパルスは嗅球から嗅神経によって脳に直接伝えられ、匂いとして認識されます。

嗅覚は、まだ完全には解明されていませんが、味覚に比べて、その仕組みははるかに高度なものです。人間が識別できる匂いの数は、味よりもはるかにたくさんあります。食べているときの主観的な味覚(風味)には、味と匂い( 人はどのように風味を感じるのか)、食感や温度が関わっています。かぜを引いたときのように、嗅覚が鈍っていると食べものの味があまりしないように感じるのは、そのためです。嗅覚受容器は鼻腔内の上の方にあるため、普通の呼吸ではそこには空気があまり届きません。しかし、匂いをかごうとして鼻から空気を吸い込むと、嗅覚受容器に届く空気の量が増え、受容器に触れる匂い物質の量が大きく増加します。

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