外耳道の皮膚炎には以下の2種類があります。
接触皮膚炎
外耳道湿疹による皮膚炎
原因
外耳道の接触皮膚炎は、ニッケルを含有するイヤリングや多数の化粧品(例えばヘアスプレー、ローション、毛髪用染料)などの誘因に対するアレルギー反応です。
外耳道湿疹による皮膚炎は、 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮や顔面、髪の生え際、耳の周囲、ときにその他の部位に慢性の炎症が起き、脂ぎった黄色い鱗屑(うろこ状のくず)やフケが生じる病気です。 ( 皮膚炎の概要も参照のこと。) 原因は不明ですが、皮膚に常在している微生物であるマラセジア Malassezia属の真菌の数が何らかの役割を果たしていま... さらに読む や 乾癬 乾癬 乾癬(かんせん)は、1つまたは複数の盛り上がった赤い斑が生じる、再発を繰り返す慢性の病気で、それらの斑は銀白色の鱗屑(うろこ状のくず)を伴い、正常な皮膚との境界ははっきりしています。 免疫系の問題が関わっている可能性があり、遺伝的に乾癬を生じやすい人もいます。 特徴的な鱗屑または赤い斑が全身のあらゆる部分に様々な大きさで生じますが、特に肘... さらに読む
(かんせん)など、特定の種類の皮膚炎様の病気がある患者の一部に自然発生することがあります。
皮膚炎によって皮膚の刺激やひび割れが起きると、細菌または真菌による 外耳道感染症 外耳炎(スイマーズイヤー) 細菌、あるいはときに真菌が、外耳道の皮膚に急性感染症を引き起こすことがあります。 外耳炎は細菌か、頻度は低いですが真菌によって生じます。 典型的な症状は痛みと耳だれです。 医師は耳鏡で耳の中を観察し、赤み、腫れ、膿がないか調べます。 最も一般的な治療法は、分泌物などのかすを取り除き、抗菌薬の点耳薬を使用し、耳に水や綿棒を入れないようにし、... さらに読む (急性外耳炎)が起きやすくなります。
症状
どちらの種類の皮膚炎も、かゆみや赤み、透明な分泌物や皮膚の湿り、皮膚のひび割れを引き起こし、ひび割れは黒ずんでいて痛みを伴い、やがて剥がれ落ちます。対照的に、細菌感染症の最初の症状は、典型的には重度の耳の痛みとなります。真菌による外耳炎は、痛みよりも、強いかゆみを引き起こすことが多いです。
治療
外用(重度の場合は経口)コルチコステロイド
接触皮膚炎に対して、アレルギーを誘発する物質の排除
外耳道湿疹による皮膚炎に対して、酢酸アルミニウム溶液
接触皮膚炎の治療として、患者はアレルギーを誘発する物質(特にニッケルを含有するイヤリングや、ヘアスプレー、イヤーモールドという補聴器の部品でさえ誘因になる可能性があります)を自分の周りから排除するべきです。アレルギーを誘発する物質を特定するには、試行錯誤が必要な場合があります。医師は腫れとかゆみを軽減するために、ヒドロコルチゾンやベタメタゾンなどのコルチコステロイドを含有するクリームを投与します。耳の中には綿棒や水、その他の刺激を生じる可能性がある物質を入れないようにするべきです。耳により強い炎症がある場合は、コルチコステロイド(プレドニゾン[日本ではプレドニゾロン]など)の内服薬が処方されることがあります。
外耳道湿疹による皮膚炎の治療では、酢酸アルミニウムの希釈液(ブロー液)の点耳薬が処方されるため、耳に不快感が生じるたびに使用します。かゆみと腫れは、コルチコステロイド(ベタメタゾンなど)を含有するクリームで軽減できます。この病気の治療でも、外耳道を刺激するあらゆるもの(綿棒や水など)を避けることが重要です。