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外耳炎(スイマーズイヤー)

執筆者:

Bradley W. Kesser

, MD, University of Virginia School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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外耳炎(外耳道炎)は、外耳道の皮膚の感染症です。

  • 外耳炎は細菌か、頻度は低いですが真菌によって生じます。

  • 典型的な症状は痛みと耳だれです。

  • 医師は耳鏡で耳の中を観察し、赤み、腫れ、膿がないか調べます。

  • 最も一般的な治療法は、分泌物などのかすを取り除き、抗菌薬の点耳薬を使用し、耳に水や綿棒を入れないようにし、鎮痛薬を投与することです。

外耳炎は、広範囲に及ぶ外耳炎や急性外耳炎などで耳の全体に生じることもあれば、おでき(耳せつ)や吹き出物に膿がたまった場合などで1つの小さな領域だけに生じることもあります。悪性外耳道炎は、非常に重度のまれな外耳の感染症で、頭蓋骨の側頭骨に広がって炎症(骨髄炎)を引き起こします。

原因

緑膿菌や黄色ブドウ球菌などの様々な細菌が外耳炎を引き起こします。外耳道真菌症(真菌による外耳炎)はよりまれな病気ですが、典型的にはアスペルギルス・ニゲル Aspergillus nigerまたはカンジダ・アルビカンス Candida albicansによって引き起こされます。おできの原因は、通常は黄色ブドウ球菌 Staphylococcus aureusです。アレルギー、乾癬(かんせん)湿疹、または脂漏性皮膚炎の患者など、特定の人は、特に外耳炎にかかりやすくなっています。綿棒で耳そうじをしていて外耳道を傷つけたり、外耳道に水や刺激物(ヘアスプレーや毛髪用染料など)が入ったりした場合は、外耳炎がよく起こります。

外耳炎は泳いだ後に特によくみられ、そのためスイマーズイヤーと呼ばれることがあります。耳栓や補聴器を使用している場合は外耳炎になりやすく、それらの器具をきちんと清潔にしていない場合は特にかかりやすくなります。綿棒の使用は、外耳炎の非常に一般的な危険因子です。綿棒は外耳道に入れるべきではありません。

症状

外耳炎の症状は、痛み、赤み、耳だれです。耳だれは、耳から出てくる白または黄色の分泌物で、不快な匂いを放ちます。外耳道はまったく腫れないことも、わずかに腫れる場合もあり、ひどい場合は外耳道が腫れて完全にふさがってしまうことがあります。外耳道が腫れていたり、膿や分泌物などのかすで詰まっていたりすると、聴力が低下します。通常は、外耳(耳介)を引っぱったり、外耳道の前方にある皮膚と軟骨のひだ(耳珠)に圧力がかかったりすると、外耳道に圧痛や痛みを感じます。

外耳道真菌症は、痛みよりもかゆみを強く引き起こし、患者は耳が詰まった感覚がします。通常、アスペルギルス・ニゲル Aspergillus nigerを原因とする外耳道真菌症では、綿のような物質(真菌の胞子)に囲まれた灰色がかった黒または黄色の点(真菌の分生子柄)が生じます。カンジダ・アルビカンス Candida albicansを原因とする外耳道真菌症では、目に見える真菌塊が形成されることはありませんが、通常は粘度のある乳白色の分泌物が出てきます。

耳のおできはひどい痛みを引き起こします。おできが破れると、少量の血と膿が耳から漏れ出ることがあります。

診断

  • 医師による外耳道の診察

  • ときに外耳道から採取したサンプルの培養検査

診断は症状と外耳道の診察結果に基づいて下されます。耳鏡(外耳道と鼓膜を観察するための器具)で外耳道を見ると、皮膚は赤く腫れて見え、膿や分泌物などのかすで汚れていることもあります。真菌による感染症も、診察と培養検査(膿または分泌物などのかすのサンプルを検査室で増殖させ、微生物を特定する検査)の結果に基づいて下されます。ときに外耳道の中に真菌の胞子が見えることがあります。

予防

スイマーズイヤーは、水泳の直後に、消毒用アルコールと酢(酢酸)を同量ずつ混ぜ合わせた液を耳の中に数滴垂らすことで予防できることがあります(ただし、鼓膜に穴[穿孔]がない場合に限ります)。

綿棒や他のものを使った耳そうじは耳の正常な自浄作用を妨げる上、分泌物などのかすがさらに内側へと押しやられるため、決して行うべきではありません。さらに、耳そうじによって外耳道の傷つきやすい皮膚に小さな傷ができ、それが細菌の繁殖場所になることがあります。

治療

  • 感染した分泌物などのかすを外耳道から取り除くことと、耳の乾燥を保つ対策

  • 酢とコルチコステロイドを含有する点耳薬

  • ときに抗菌薬を含有する点耳薬

  • まれに抗菌薬の内服薬

外耳炎の治療では、原因が何であれ、医師はまず吸引器か脱脂綿で感染による分泌物などのかすを外耳道から除去します。外耳道をきれいにしただけで、聴力が正常に戻ることがよくあります。

軽い外耳炎の患者では、通常は酢酸を含有する点耳薬とヒドロコルチゾンやデキサメタゾンなどのコルチコステロイドを含有する点耳薬が処方され、1日数回ずつ、最長で1週間使用します。酢酸が有用なのは、外耳道の酸性度を正常に戻すことで、細菌が繁殖しにくくなるためです。

中等度から重度の感染症では、抗菌薬の点耳薬も処方されます。外耳道の腫れがひどい場合は、医師が小さなガーゼを丸めて挿入し、抗菌薬とコルチコステロイドの点耳薬が浸透するようにします。ガーゼは24~72時間入れたままにしておくと、その後腫れが十分引いて点耳薬が外耳道に直接入るようになることがあります。

ひどい外耳炎(外耳道を越えてさらに広がるもの)の患者では、セファレキシンやシプロフロキサシンなどの抗菌薬の服用が必要になることがあります。

炎症が治まり始めるまでの最初の24~48時間は、痛みの軽減にアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの鎮痛薬が役立ちます。

患者は感染が治癒するまで、予防策(シャワーキャップをつける、水泳を避けるなど)を行って耳が乾燥した状態を保つべきです。

外耳道真菌症の治療では、医師は外耳道を徹底的に清掃し、抗真菌薬の点耳薬を入れます。繰り返し清掃と治療が必要になる場合もあります。外耳道真菌症には消毒用アルコールと酢酸の併用が特に効果的だと考える医師もいます。消毒用アルコールは外耳道を乾燥させ、酢酸は真菌が増殖しにくい酸性の環境を作り出します。

耳のおできの治療法は感染症の進行度によって異なります。感染症が初期段階の場合は、痛みを和らげるために、温熱パッドを短時間あて、鎮痛薬(オキシコドンとアセトアミノフェンの併用など)を投与します。温めることは治癒を早めるのにも役立ちます。抗菌薬の内服薬が処方されます。化膿して口が開きそうになっているおできは、切開して膿を出します。

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