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化膿性内耳炎

執筆者:

Lawrence R. Lustig

, MD, Columbia University Medical Center and New York Presbyterian Hospital

医学的にレビューされた 2020年 6月
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化膿性内耳炎とは、内耳の細菌感染症で、しばしば難聴と平衡感覚の喪失を引き起こします。

内耳は骨迷路という空洞に収まっています。内耳には聴覚器官(蝸牛)と平衡器官が存在します(内耳の概要 内耳の概要 液体で満たされた内耳(迷路)は複雑な構造で、次の2つの主要部分から構成されています。 聴覚器官(蝸牛[かぎゅう]) 平衡器官(前庭系[ぜんていけい]) 蝸牛および前庭系は、第8 脳神経(内耳神経)で脳につながっています。この神経の1枝である聴神経は、音の信号を脳に伝え、もう一方の枝は平衡感覚に関わる信号を脳に伝えています。... さらに読む を参照)。化膿性内耳炎は通常、重度の中耳の感染症(急性中耳炎 急性中耳炎 急性中耳炎は、ウイルスや細菌の感染により中耳が炎症を起こした状態です。 急性中耳炎は、かぜやアレルギーの患者によく起こります。 感染した耳には痛みが出ます。 医師は、鼓膜を診察して診断を下します。 特定の小児予防予防接種によって、急性中耳炎のリスクを低減することができます。 さらに読む 急性中耳炎 )やある種の 髄膜炎 髄膜炎に関する序 髄膜炎とは、髄膜(脳と脊髄を覆う組織層)とくも膜下腔(髄膜と髄膜の間の空間)の炎症のことです。 髄膜炎は細菌、ウイルス、または真菌、感染症以外の病気、薬剤などによって引き起こされます。 髄膜炎の症状には、発熱、頭痛、項部硬直(あごを胸につけるのが難しくなる症状)などがありますが、乳児では項部硬直がみられない場合もあり、非常に高齢の人や免疫... さらに読む の経過中に細菌が内耳に入った場合に起こるか、または頭蓋骨の側頭骨が骨折した際の合併症として発生します。また、鼓膜に長期間穴があいている(中耳炎が繰り返し起こっている人などでみられる)場合の合併症としても発生することがあり、特に真珠腫(穴のあいた鼓膜で増殖する皮膚のような物質)がある場合によくみられます。

症状

化膿性内耳炎の症状としては以下のようなものがあります。

また、痛みと発熱もよくみられます。

診断

  • CT検査やMRI検査

  • ときに腰椎穿刺

急性中耳炎の際に、回転性めまい、眼振、難聴、またはそれらの組合せがみられる場合、化膿性内耳炎が疑われます。医師は頭蓋骨の CT検査 CT(コンピュータ断層撮影)検査 CT検査(以前はCAT検査とよばれていました)では、X線源とX線検出器が患者の周りを回転します。最近の装置では、X線検出器は4~64列あるいはそれ以上配置されていて、それらが体を通過したX線を記録します。検出器によって記録されたデータは、患者の全周の様々な角度からX線により計測されたものであり、直接見ることはできませんが、検出器からコンピュータに送信され、コンピュータが体の2次元の断面のような画像(スライス画像)に変換します。(CTとは... さらに読む CT(コンピュータ断層撮影)検査 を行って、内耳と中耳を含む骨(側頭骨)、内耳の骨、耳の後ろの骨に異常がないか調べます。また、感染が脳にまで及んでいないか確認するために、 MRI検査 MRI(磁気共鳴画像)検査 MRI(磁気共鳴画像)検査は、強力な磁場と非常に周波数の高い電磁波を用いて極めて詳細な画像を描き出す検査です。X線を使用しないため、通常はとても安全です。( 画像検査の概要も参照のこと。) 患者が横になった可動式の台が装置の中を移動し、筒状の撮影装置の中に収まります。装置の内部は狭くなっていて、強力な磁場が発生します。通常、体内の組織に含まれる陽子(原子の一部で正の電荷をもちます)は特定の配列をとっていませんが、MRI装置内で生じるよう... さらに読む MRI(磁気共鳴画像)検査 を行うこともあります。

錯乱、項部硬直、高熱といった 髄膜炎 髄膜炎に関する序 髄膜炎とは、髄膜(脳と脊髄を覆う組織層)とくも膜下腔(髄膜と髄膜の間の空間)の炎症のことです。 髄膜炎は細菌、ウイルス、または真菌、感染症以外の病気、薬剤などによって引き起こされます。 髄膜炎の症状には、発熱、頭痛、項部硬直(あごを胸につけるのが難しくなる症状)などがありますが、乳児では項部硬直がみられない場合もあり、非常に高齢の人や免疫... さらに読む の症状がみられる場合、医師は 腰椎穿刺 腰椎穿刺 病歴聴取と 神経学的診察によって推定された診断を確定するために、検査が必要になることがあります。 脳波検査は、脳の電気的な活動を波形として計測して、紙に印刷したりコンピュータに記録したりする検査法で、痛みを伴わずに容易に行えます。脳波検査は以下の特定に役立つ可能性があります。 けいれん性疾患 睡眠障害 一部の代謝性疾患や脳の構造的異常 さらに読む 腰椎穿刺 を行い、髄液のサンプルを検査室に送って 培養 微生物の培養検査 感染症は、 細菌、 ウイルス、 真菌、 寄生虫などの 微生物によって引き起こされます。 医師は、患者の症状や身体診察の結果、危険因子に基づいて感染症を疑います。まず、患者がかかっている病気が感染症であり、他の種類の病気ではないことを確認します。例えば、せきが出て、呼吸が苦しいと訴える人は、肺炎(肺の感染症)の可能性があります。また、喘息や... さらに読む します。

治療

  • 抗菌薬の静脈内投与

  • 中耳からの液体の排出

化膿性内耳炎の治療は、静脈から投与される(静脈内投与)抗菌薬で行われます。また、医師は鼓膜切開術という処置により、鼓膜に穴をあけて中耳から液体を排出します(鼓膜切開術:繰り返し起こる耳の感染症の治療 鼓膜切開術:繰り返し起こる耳の感染症の治療 鼓膜切開術:繰り返し起こる耳の感染症の治療 を参照)。一部の患者では、耳の後ろの骨をすべて摘出する、より広範囲の手術(乳様突起削開術)が必要になることがあります。

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