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歯科補綴物

執筆者:

James T. Ubertalli

, DMD, Hingham, MA

最終査読/改訂年月 2017年 3月
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う蝕歯周病外傷、または処置が成功しなかったときの抜歯などいくつかの原因によって、歯が失われることがあります。歯が失われると、美容上の問題や発話の問題、歯並びの問題、上下のあごの配置の問題が起こることがあります。また、近くに残っている歯が移動する場合もあります。

失った歯は、数種類の歯科補綴物(ほてつぶつ)で補うことができます。歯科補綴物には、ブリッジ、クラウン、インプラント、義歯(入れ歯)などがあります。

ブリッジ、クラウン、インプラント

抜歯した後の補綴物として、ブリッジまたはインプラントが用いられることがあります。ひどい損傷を受けた歯には、クラウンをかぶせることがあります。

ブリッジは固定式の部分入れ歯で、使用するためには抜いた歯の隣の歯にクラウンをかぶせます。ブリッジは、人工の歯同士を接着し、両隣の歯にかぶせるクラウンと一体で作製します。クラウンはセメントで自分の歯に接着します。ブリッジの装着は永久的なもので、取り外すことはできません。歯が失われた部分を補うために複数のブリッジが使用されることがあります。

クラウンとは、歯にかぶせる歯冠修復物のことです。ぴったりフィットするクラウンを作るには通常2回の通院が必要ですが、より多くの通院を必要とする場合もあります。1回目の受診時には、少し先細状になるように歯が削られ、型(印象と呼ばれます)がとられ、仮のクラウンがかぶせられます。その後、採取した型を基に歯科技工士が永久的に使用するクラウンを作製します。2回目の受診時に、仮のクラウンが取り外され、整えておいた歯にできあがったクラウンがセメントで接着されます。

クラウンは通常、金、ポーセレン、またはその両方で作られています。ポーセレンは、金属の色を隠すために覆うように使われることがあります。クラウン全体がポーセレンで作製されることもありますが、ポーセレンは歯のエナメル質よりも硬く摩擦が生じるため、噛み合わせたときにあたる反対側の歯がすり減ることがあります。さらに、ポーセレンやそれと同様の材料だけで作られたクラウンは、金属製のクラウンよりもやや壊れやすい傾向があります。

インプラントは、失われた歯の代わりに用いられることがあります。あごに健康な骨が十分ない場合、インプラントを埋め込むのに十分な基礎をつくるために骨移植が行われることがあります。インプラントは、あごの骨に挿入する金属の固定装置です。この金属は、骨の細胞が付着できる特殊な合金です。インプラント挿入後しばらく(通常2~6カ月)経過すると骨にしっかりと固定され、そこに支柱を取り付けます。その後、人工的な歯(クラウン)を支柱に取り付けます。できあがった歯は、通常の咀嚼の力に耐えることができます。インプラントはう蝕にならず、取り外し式の部分入れ歯を避けられることから、現在ではより好まれる方法です。インプラントがある人は、感染を予防するためにインプラントの周辺を非常に清潔に保つ必要があります。

クラウン、ブリッジ、インプラント

クラウン、ブリッジ、インプラント

入れ歯

歯をほとんどまたはすべて失った人には、総入れ歯や部分入れ歯が有用です。総入れ歯は取り外しが可能で、歯がまったくない場合に用いられます。部分入れ歯も取り外しが可能で、失われた歯の数は数本だけれどもブリッジやインプラントを入れることができないか、または経済的な理由により入れられない場合に用いられます。

注意深くていねいに作製された入れ歯はよく適合し、自然に見えます。一般的に、入れ歯の作製には数カ月かかり、綿密に計画された手順に従って作られます。入れ歯を装着したら、少なくとも1年に1度は歯科医院を受診するべきです。あごの骨と口の形は時間の経過や体重の増減によって変化することがあり、その場合、入れ歯を再調整したり交換したりする必要が生じることがあります。

入れ歯は、外見と発話を改善しますが、完全な解決策からは程遠いものです。天然の歯の感覚が完全に戻るわけではなく、ものを噛む能力は天然の歯の20%未満しか戻りません。さらに、入れ歯によって不快感を覚えたり、入れ歯がものを味わう妨げになることもあります。入れ歯をしていることを恥ずかしいと思う人もいます。

入れ歯は清潔に保つ必要があります。毎食後に取り外して、研磨剤やホワイトニング成分が入っていない歯磨き粉や重曹を柔らかい歯ブラシまたは入れ歯用ブラシに付けてきれいにする必要があります。また、口の中もきれいにして食べもののかすを取り除きます。寝る前には入れ歯を外して、きれいに掃除し、安全な場所に保管します。入れ歯を一晩中洗浄剤につけておく方法は役に立ちますが、歯ブラシできれいに掃除していれば必要ではありません。

入れ歯の問題点

ときに、入れ歯の下部の歯ぐきが炎症を起こし、赤く滑らかに見えることがあります(義歯性口内炎)。この炎症で痛みが起こることは通常ありません。カンジダ属 Candidaの真菌感染がみられる場合、入れ歯が合っていなかったり、口の中の衛生状態が悪かったり、過剰に動く入れ歯をしていることがあり、1日24時間入れ歯を装着し続けている人(非常に多い)では炎症のリスクが高まります。真菌が異常増殖している人では、綿状の斑点や潰瘍に似た口内炎が歯ぐきにみられます。これらは多くの場合薬で容易に治療できます。

入れ歯を再調整するか、精巧な入れ歯を新たに作製することで、ほとんどの場合は状況が改善します。患者は、口の中の衛生状態を改善し、入れ歯を掃除する必要があります。まず、入れ歯を外している時間をより長くします。抗真菌薬の入った洗口液で口をゆすいだり、入れ歯を一晩中つけておく方法が使用できます。抗真菌薬入りの液体には歯ぐきに直接塗るものもあり、抗真菌薬のトローチ剤も使用できます。

歯科補綴物と手術

一般的に、全身麻酔やのどの手術の前には、歯科補綴物が割れたり、飲み込まれたり、誤嚥によって肺の中に入ったりしないように、取り外し可能な歯科補綴物はすべて取り外します。手術中、歯科補綴物は形が変わらないように水の中に入れて保管します。しかしときに、気管チューブを挿入しやすくするために、麻酔医(手術中に麻酔をかける医師)が補綴物をそのまま外さないでおくことがあります。手術中に補綴物を外さないでおくことで、顔の形も正常に保たれるため、麻酔マスクがよりフィットし、天然の歯によって歯のない部分の歯ぐきが傷つくことも防げます。

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