口腔灼熱症候群は、閉経後の女性に最も多く発生します。
口腔灼熱症候群は、多くの人が刺激のある食べものや酸性の食べものを食べた後に経験する一時的な不快感とは異なります。
原因
口の痛みの原因となる病気はいくつかあります。このような病気にかかっておらず、口の中に明らかな異常が認められない状態で口の痛みがある場合には、医師はこれを口腔灼熱症候群と呼んでいます。口腔灼熱症候群の原因として、痛みと味覚を制御する神経にあまりよく理解されていない異常が生じていることがおそらく関与しているだろうと医師は考えています。
口の痛みの原因となるその他の病気には以下のものがあります。
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食べものに対するアレルギーや歯科製品に対するアレルギー
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ACE阻害薬(高血圧の治療に用いられる薬)の使用
症状
診断
医師または歯科医師は、患者の病歴と食習慣を詳細に確認し、口の診察を行います。口の灼熱感の原因となることが分かっている特定の病気を調べるために血液検査や他の検査が行われることもあります。例えば、口腔乾燥が生じていないかどうかを確認するために、唾液の分泌を調べる検査を行うことがあります。口腔灼熱症候群はしばしば診断が難しく、その原因としては、特定の病気による口の痛みでは、それが軽症であるか初期である場合にも口腔内の組織が正常にみえる可能性があることがあげられます。
処置/治療
口の痛みの原因がみつかれば、それを治療します。
症状の緩和に役立つ手段はいくつかあります。人工唾液、氷片、頻繁に水を飲むこと、またはチューインガムを噛むことが、唾液の分泌を促し口を湿った状態に保つために役立つことがあります。ノルトリプチリンなどの抗うつ薬やクロナゼパムなどの抗不安薬がときに役立ちますが、これらの薬は、口腔乾燥を引き起こして症状を悪化させることがあります。カプサイシンのクリームやガバペンチンも役に立つ場合があります。認知行動療法が、他の治療法で効果がみられない場合に、役立つことがあります。治療を行わなくても症状が自然に消えることがありますが、再発することもあります。