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口臭

執筆者:

Bernard J. Hennessy

, DDS, Texas A&M University, College of Dentistry

最終査読/改訂年月 2018年 9月
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本ページのリソース

口臭とは、息から頻繁にまたは持続的に発せられる不快な臭いです。

その他の息の臭い

特定の病気によって、息から検出できる物質がつくられますが、その臭いは一般的には弱く、口臭とはみなされません。例えば以下のようなものがあります。

原因

大半の口臭は口の中の問題によって引き起こされます。口臭の一因となる原因を口臭の主な原因と特徴 口臭の主な原因と特徴 口臭の主な原因と特徴 に挙げます。

一般的な原因

口臭の最も一般的な原因は以下のものです。

歯周病は、歯根の外側にある層や歯ぐきなど、歯を取り囲んで支えている構造に炎症と破壊を起こし、その主な原因は特定の細菌が蓄積することです。そのような細菌は、歯の周囲にある深いポケットの中で増殖します。そうした細菌が舌の表面でも増殖することがあり、これは歯周病がない人でさえもみられます。唾液分泌量の低下(一部の病気や特定の薬の使用が原因、 口腔乾燥 口腔乾燥 口腔乾燥は、唾液の分泌が減少または停止することで発生します。この状態は、不快感を引き起こし、発話や飲み込みを妨げ、入れ歯の装着を難しくし、口臭を引き起こし、また口内の酸性度を低下させ細菌の増殖が多くなることで口の衛生状態を悪化させます(これがう蝕発生の一因となります)。長期にわたる口腔乾燥の結果、重度のう蝕や口のカンジダ症が生じることがあ... さらに読む )や唾液の酸性度の低下によっても、そのような細菌が過剰に増殖することがあります。

消化の後に、タマネギやニンニクなど特定の食べものや香辛料によって発生した臭いは、血流に乗って肺に入ります。続いて臭いが吐き出され、その臭いが他の人にとって不快なことがあります。例えば、ニンニクの臭いは食べてから2~3時間後、口や胃を通り過ぎて長時間経過した後に他の人が臭うことができます。このような臭いは、口を清潔にしても消すことはできません。

口臭は非喫煙者よりも喫煙者で多くみられます。

あまり一般的でない原因

口臭のあまり一般的でない原因としては、以下のものがあります。

多くの人が消化管の病気によって口臭が発生すると考えていますが、そうなることはまれで、これはのどと胃をつなぐ筋肉でできた通路(食道)が正常な場合には閉じているためです。口臭が消化不良によって生じることはなく、また口臭は消化器系や腸がどの程度機能しているかを示すこともありません。しかし、まれに、出生時から食道内に袋(ツェンカー憩室 ツェンカー憩室(咽頭憩室) 食道憩室(けいしつ)とは、食道の一部が異常な袋状ないしポケット状になったものです。まれに、嚥下困難や逆流(吐き気や腹筋の強い収縮がない状態で食べものを吐き戻すこと)を引き起こします。 原因は憩室の種類によって異なります。 症状としては、食べものの吐き戻しや嚥下困難などがあります。... さらに読む ツェンカー憩室(咽頭憩室) )がある場合があり、そこに食べもののかけらがたまることがあります。その食べもののかけらが分解し、悪臭を発生させることがあります。

思い込みによる口臭は、心因性口臭と呼ばれます(偽性の口臭[pseudo-halitosis])。患者は、実際には口臭がないのに、自分の吐く息が臭いと思い込みます。これは、体の正常な感覚を大げさに心配する傾向のある人や、統合失調症 統合失調症 統合失調症は、現実とのつながりの喪失(精神病)、幻覚(通常は幻聴)、妄想(誤った強い思い込み)、異常な思考や行動、感情表現の減少、意欲の低下、精神機能(認知機能)の低下、日常生活(仕事、対人関係、身の回りの管理など)の問題を特徴とする精神障害です。 統合失調症は、遺伝的な要因と環境的な要因の双方によって起こると考えられています。... さらに読む などの重篤な精神障害のある人で起こることがあります。強迫観念がある人の一部では、汚れているという感覚が非常に強く、自分の息が臭いと思い込むことがあります。

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評価

口臭を医師または歯科医師が直ちに評価する必要がある場合はまれです。以下では、医師の診察を受ける必要があるか、また受けた場合に何が行われるかについて説明しています。

警戒すべき徴候

特定の症状や特徴に注意が必要です。具体的には以下のものがあります。

  • 発熱

  • 膿でいっぱい(膿性[のうせい])の、たんまたは鼻水

  • 口の中の、目に見えるまたは触れられる異常な個所

受診のタイミング

発熱や膿性のたんまたは鼻水がみられる人や、異物を吸入した可能性のある人は、直ちに医師の診察を受ける必要があります。自分の口の中に異常な個所を発見した人は、数日以内に歯科医師の診察を受ける必要があります。

口臭があっても、警戒すべき徴候がない場合や口臭以外に具合の悪いところがない場合は、都合のよいときに歯科医師の診察を受ける必要があります。

医師が行うこと

医師はまず、症状と病歴について質問します。次に身体診察を行います。病歴聴取と身体診察で得られた情報から、多くの場合、口臭の原因と必要になる検査を推測することができます(表「口臭の主な原因と特徴 口臭の主な原因と特徴 口臭の主な原因と特徴 」を参照)。

匂いを嗅ぐ検査が診察で役に立ち、悪臭の原因が鼻や副鼻腔の病気なのか、口や肺の病気なのかの判別を助けます。患者が医師の鼻から約10センチメートルの距離で、まず鼻をつまんで閉じた状態で口から息を吐き、次に口を閉じて鼻から息を吐きます。口からの方が臭いがきつい場合、ほとんどの場合原因は口にあります。鼻からの方が臭いがきつい場合、ほとんどの場合原因は鼻か副鼻腔にあります。鼻と口の両方で臭いが同様の場合、ほとんどの場合原因は体内の他の部分か肺にあります。原因の部位が判断できない場合は、プラスチック製のスプーンで舌の表面をこすります。5秒後に、スプーンの臭いを嗅ぎます。スプーンから悪臭がすれば、問題が舌についた細菌である可能性が高いことが分かります。

検査

検査が必要かどうかは、病歴聴取と身体診察の結果によって決まりますが、警戒すべき徴候 警戒すべき徴候 口臭とは、息から頻繁にまたは持続的に発せられる不快な臭いです。 特定の病気によって、息から検出できる物質がつくられますが、その臭いは一般的には弱く、口臭とはみなされません。例えば以下のようなものがあります。 肝不全があると、息からネズミのような臭いや、ときにかすかに腐った卵のような(硫黄の)臭いがします。... さらに読む の有無が特に重要になります。口臭を重視する一部の専門医は、携帯式の硫黄モニター、ガスクロマトグラフィー、舌をこすったものの化学検査など、珍しい検査機器を所有しています。そうした検査が医学的な研究以外で必要となることはまれです。

医師は、症状が飲み込んだ物質または吸入した物質に関連していると考えられる患者に対して、疑わしい物質をしばらく避けて症状が消えるかどうか確認するよう勧めることがあります(試験的な回避)。

処置/治療

  • 原因の治療

  • 定期的に口腔内を清潔にすることと口腔ケア

口臭の診断が下されれば、あらゆる原因を治療します。

物理的原因に対しては、それを除去または是正できます。例えば、ニンニクやタマネギ、臭いを発生させる食べものを食べることや喫煙をやめることができます。原因が口にある場合、歯科医院を受診して、専門的な口腔清掃と歯周病やう蝕の治療を受ける必要があります。家庭では、日常的な口の衛生習慣を改善する必要があり、その例としては、デンタルフロス使用の徹底、歯磨きの徹底、歯ブラシや舌ブラシでの舌の清掃の徹底などがあります。防臭効果のある洗口液や口臭防止スプレーが多数市販されていますが、有益性は限られています。これらの製品のほとんどは防臭効果が20分以上持続しません。アルコール依存症の治療中の人は、アルコールを含まない洗口液を使用する必要があります。

心因性口臭のある人は、精神医学的評価を受ける必要がある場合があります。

高齢者での重要事項

高齢者は口腔乾燥 口腔乾燥 口腔乾燥は、唾液の分泌が減少または停止することで発生します。この状態は、不快感を引き起こし、発話や飲み込みを妨げ、入れ歯の装着を難しくし、口臭を引き起こし、また口内の酸性度を低下させ細菌の増殖が多くなることで口の衛生状態を悪化させます(これがう蝕発生の一因となります)。長期にわたる口腔乾燥の結果、重度のう蝕や口のカンジダ症が生じることがあ... さらに読む を引き起こす薬を使用している可能性が高く、それにより口の衛生状態を保つのが難しくなるため口臭が生じます。口臭の他の原因として、口腔がん 口とのどのがん 口とのどのがんは、唇、口蓋、口の側面や底部、舌、扁桃、のどの奥で発生するがんです。 (口、鼻、のどのがんの概要も参照のこと。) 口とのどのがんは、口の中にできた潰瘍やびらん、増殖性の病変、または変色した領域のように見えます。 口腔がんの診断は、生検やX線検査によって行います。 がんの大きさを測定したり、広がりを確認したりするために、CT検... さらに読む 口とのどのがん がありますが、これもまた加齢に伴って、みられる頻度が増えます。これら以外の理由で、高齢者で口臭が生じる可能性が高まることはありません。

要点

  • 大半の口臭は、食べもののかけらが口の中の細菌によって発酵することで生じます。

  • 口以外の病気が口臭を引き起こすこともありますが、多くの場合、医師または歯科医師の診察結果に基づいて確認できます。

  • 口臭が消化不良によって生じることはなく、また口臭は消化器系や腸がどの程度機能しているかを示すこともありません。

  • 洗口液の効果はあまり長続きしません。

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