口の中の変色は以下のような原因でおこることがあります。
全身の病気(全身性疾患)
口の中の状態
口の中の変色の原因となりうる全身の病気には、以下のものがあります。
貧血 貧血の概要 貧血とは、赤血球の数が少ない状態をいいます。 赤血球には、肺から酸素を運び、全身の組織に届けることを可能にしているヘモグロビンというタンパク質が含まれています。赤血球数が減少すると、血液は酸素を十分に供給できなくなります。組織に酸素が十分に供給されないと、貧血の症状が現れます。... さらに読む (血球数の減少)では、口の粘膜の色が、正常な人の健康な赤味がかったピンク色ではなく、白っぽくなることがあります。
ウイルス感染症の 麻疹 麻疹(はしか) 麻疹は非常に感染力の強い ウイルス感染症で、かぜのような様々な症状と特徴的な発疹が現れます。 麻疹の原因はウイルスです。 症状としては、発熱、鼻水、頻発する空せき、目の充血、かゆみを伴う赤い発疹などがみられます。 診断は、典型的な症状と特徴的な発疹に基づいて下されます。 ほとんどの小児が回復しますが、まれに麻疹により死亡したり脳に損傷が生じたりすることもあります。 さらに読む
(はしか)では、頬の内側に斑点ができることがあります。この斑点はコプリック斑と呼ばれ、赤い輪に囲まれた小さな白い砂粒のような外見をしています。
アジソン病 アジソン病 アジソン病は副腎機能の低下によって、副腎ホルモンが不足する病気です。 アジソン病の原因には、自己免疫反応、がん、感染症、その他の病気などがあります。 アジソン病の人は、脱力感や疲労感が生じ、座ったり横になったりした姿勢から立ち上がるとめまいを起こすほか、皮膚の黒ずみがみられる場合もあります。 ナトリウムとカリウムの血中濃度と、コルチゾール値および副腎皮質刺激ホルモンの値の測定によって診断されます。... さらに読む
や特定のがん(悪性黒色腫 黒色腫 黒色腫(メラノーマとも呼ばれます)は、色素を作り出す皮膚細胞(メラノサイト)から発生する皮膚がんです。 黒色腫は、正常な皮膚から発生する場合もあれば、すでにあった ほくろから発生する場合があります。 皮膚に様々な色の斑点を伴う平坦または隆起した褐色の不規則な皮疹、あるいは黒または灰色の硬い隆起が現れます。 黒色腫の診断を下すには、生検を行います。 黒色腫を切除します。 さらに読む
など)は黒ずんだ変色を引き起こすことがあります。
口蓋(口の中の天井部分)に発生する小さな赤色斑は、血液疾患または 伝染性単核球症 伝染性単核球症 エプスタイン-バーウイルスは、伝染性単核球症をはじめ、いくつかの病気を引き起こします。 この ウイルスはキスを介して広がります。 症状は様々ですが、最も多いのは極度の疲労感、発熱、のどの痛み、リンパ節の腫れです。 血液検査を行って診断を確定します。 アセトアミノフェンや非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は発熱と痛みを和らげます。 さらに読む
の徴候の可能性があります。
口の中に色が変わった部分がみられることがありますが、これは問題である場合も、そうでない場合もあります。例えば、口の中に白い部分があるように見えることがありますが、これはしばしば単なる食べもののかすで、ふき取ることができます。また、頬の内側をかんだり、歯の鋭い部分や歯の詰め物で頬の内側や舌をこすったりしても、白い部分として見えることがあります。しかし、簡単に取り除けない白い部分があれば、 口腔がん 口とのどのがん 口とのどのがんは、唇、口蓋、口の側面や底部、舌、扁桃、のどの奥で発生するがんです。 ( 口、鼻、のどのがんの概要も参照のこと。) 口とのどのがんは、口の中にできた潰瘍やびらん、増殖性の病変、または変色した領域のように見えます。 口腔がんの診断は、生検やX線検査によって行います。 がんの大きさを測定したり、広がりを確認したりするために、CT検査、MRI検査、PET検査などの画像検査が行われます。 さらに読む の初期徴候の場合もあるため、必ず医師または歯科医師の診察を受けてください。白い部分は、がん以外にも多くの状態の可能性があり、例としては真菌感染症(カンジダ症 カンジダ症 カンジダ症は、カンジダ・アルビカンス Candida albicansをはじめとする数種類のカンジダ属 Candidaの真菌によって引き起こされる感染症です。 最もよくみられる病型は、口、腟、皮膚の表面に感染が起きるもので、白や赤の斑点が生じ、かゆみや刺激感、またはその両方を引き起こします。 免疫機能が低下している人では、食道やほかの内臓に重篤な感染症が起こることがあります。... さらに読む
)、白く厚い層(白色海綿状母斑と呼ばれる遺伝性疾患)、歯に面している頬の内側に沿ってできる白い線(白線)、粘膜の灰白色の領域(白色水腫)などがあります。
口の中の変色の例として、以下のようなものが挙げられます。
口の中には黒紫色暗紫色または黒色の部分が見られることがあり、その原因は歯の充填剤(詰めもの)の銀アマルガム、鉛筆の黒鉛、またはほくろです。
大量の喫煙によって、「喫煙者のメラニン沈着症」と呼ばれる暗褐色または黒色の変化(通常は歯ぐき)が起こります。
口の中の褐色部分は遺伝性の場合があります。例えば、黒い色素の沈着は、皮膚の色が濃い人や地中海沿岸地方の人に特に多く発生します。
食物色素、加齢、喫煙によって、歯が黒ずんだり黄ばんだりすることがあります。
ミノサイクリンという抗菌薬は骨を変色させ、歯の近くにある骨が灰色や褐色に透けて見えることがあります。妊娠後半期の母親または歯の発達期(特に9歳まで続く歯冠の石灰化時期)の小児がテトラサイクリン系抗菌薬を使用した場合、短期間の使用であっても、小児の歯にはっきりと永久的な黒ずみが生じます。