免疫系 免疫系の概要 人間の体には、異物や危険な侵入物から体を守るために、免疫系が備わっています。侵入物には以下のものがあります。 微生物( 細菌、 ウイルス、 真菌など) 寄生虫(蠕[ぜん]虫など) がん細胞 移植された臓器や組織 さらに読む は身体のあらゆる組織の健康を維持する上で不可欠な役割を果たしています。免疫系は、微生物や異物など体内に侵入してきたものやがん細胞に反応して、それらを攻撃するために炎症を誘発します。通常であれば、免疫系の反応は体を保護し、治癒に役立つものですが、ときに免疫系の反応が誤って健康な組織に向けられ、それにより組織に強い炎症や損傷が生じることがあります。過敏症(アレルギー)と炎症性皮膚疾患は、皮膚に生じる免疫系の反応によって引き起こされます。そのような病気としては以下のものがあります。
皮膚には様々な免疫系の反応が起きますが、その多くで発疹が生じます。「発疹(ほっしん)」という用語は、皮膚の変色(発赤など)や性状の変化(膨らみや腫れなど)を指します。アレルギー反応(過敏反応)に続いてしばしば生じるものなど、多くの発疹はかゆみを伴いますが、痛みを伴うものもあれば、何の感覚も生じさせないものもあります。ときに、触れたり食べたりした物質や使用した薬剤によって免疫反応が誘発されることもありますが、多くの場合、免疫系の反応によって発疹が生じる原因は特定することができません。
発疹の中には、 主に小児に生じるもの 小児の発疹 発疹とは、皮膚の性状や色の異常な変化を指します。 発疹の原因には、刺激のほか、細菌、真菌、ウイルスの感染などがあります。 症状として、赤み、白色や黄色のかさぶた(痂皮)、かゆみ、真珠のような丘疹や隆起、嚢胞などがあります。 発疹の治療には、刺激の少ない洗浄剤、保湿軟膏、抗菌薬やコルチコステロイドの軟膏、かゆみ止めなどが役に立ちます。... さらに読む もあれば、ほぼ常に成人に生じるものもあります。
過敏症による発疹のほとんどは、その外観に基づいて診断が下されます。発疹の原因は血液検査では判断できないことが多いため、通常は血液検査は行いません。しかし、長く続いている発疹、特に治療で改善しない発疹には、 皮膚生検 生検 皮膚の病気には、医師が皮膚を観察しただけで特定できるものが数多くあります。全身の皮膚の診察には、頭皮、爪、粘膜の診察も含まれます。ときに、皮膚の一部を詳細に観察するために、手持ち式の拡大鏡やダーモスコープ(拡大レンズと内蔵式のライトを備えた器具)を使用することもあります。 診断につながる特徴としては、皮膚に現れている異常部分の大きさ、形、... さらに読む を行う場合もあり、この検査では皮膚の発疹ができた部分をメスで小さく切除して、それを顕微鏡で調べます。また、 接触皮膚炎 接触皮膚炎 接触皮膚炎は、特定の物質に直接触れることで皮膚に炎症が起きる病気です。発疹は非常にかゆく、特定の部位に限定され、しばしば境界がはっきりしています。 ( 皮膚炎の概要も参照のこと。) 物質により皮膚の炎症が引き起こされる仕組みは、以下の2つのうちいずれかです。 刺激(刺激性接触皮膚炎)... さらに読む
が原因として疑われる場合には、 パッチテスト 皮膚テスト 皮膚の病気には、医師が皮膚を観察しただけで特定できるものが数多くあります。全身の皮膚の診察には、頭皮、爪、粘膜の診察も含まれます。ときに、皮膚の一部を詳細に観察するために、手持ち式の拡大鏡やダーモスコープ(拡大レンズと内蔵式のライトを備えた器具)を使用することもあります。 診断につながる特徴としては、皮膚に現れている異常部分の大きさ、形、... さらに読む
を行うこともあります。