(過敏症と炎症性皮膚疾患に関する序 過敏症と炎症性皮膚疾患に関する序 免疫系は身体のあらゆる組織の健康を維持する上で不可欠な役割を果たしています。免疫系は、微生物や異物など体内に侵入してきたものやがん細胞に反応して、それらを攻撃するために炎症を誘発します。通常であれば、免疫系の反応は体を保護し、治癒に役立つものですが、ときに免疫系の反応が誤って健康な組織に向けられ、それにより組織に強い炎症や損傷が生じること... さらに読む も参照のこと。)
環状肉芽腫は免疫系の反応により発生することがあります。
リングは1つのこともあれば、複数できることもあり、色は様々です。
診断は、通常は皮膚の外観に基づいて下され、皮膚生検によって確定することができます。
通常は治療しなくても自然に治ります。
原因は不明ですが、免疫系の反応の結果ではないかと考えられています。環状肉芽腫の患者では、多くの病気、感染症、薬、環境的要因が認識されていますが、環状肉芽腫があれば別の病気が存在するというわけではありません。
環状肉芽腫は女性で男性より2倍多くみられます。
症状
隆起は通常は赤色ですが、わずかに青みがかっていたり、淡い黄褐色または周囲の皮膚と同じ色のこともあり、1つだけの場合もあれば、複数ある場合もあります。隆起は圧痛を伴うことがありますが、通常は痛みもかゆみも引き起こしません。小児と成人の足、脚、手、手の指によく生じます。隆起はしばしば外側に拡大して、リング状になります。それぞれのリングの中心部は正常であるか、わずかにくぼんでいて、ときに青白かったり、明褐色であったりします。人によっては、リングが広範囲に生じることもあります。
診断
医師による評価
ときに皮膚生検
環状肉芽腫の診断は通常、外観に基づいて下されます。
治療
ときに、皮膚に注射するか皮膚に塗るコルチコステロイド、皮膚に塗るタクロリムス、光線療法、または凍結療法
広範囲にわたるリングに対して、ときに他の薬剤
ほとんどの場合、環状肉芽腫は治療を行わなくても治癒するため、症状がみられない人には治療は通常不要です。しかし、治癒には何年もかかることがあります。
コルチコステロイドのクリームやコルチコステロイドの発疹への注射が、発疹を治すのに役立つことがあります。あるいは、タクロリムスを皮膚に塗ることもあります。その他の治療法として、 光線療法 光線療法:皮膚の病気の治療に対する紫外線の利用 (紫外線を当てる)や 凍結療法 寒冷療法(凍結療法) リハビリテーション専門の療法士は、痛みと炎症を治療します。このような治療によって患者は体を動かしやすくなり、全面的に リハビリテーションに取り組めるようになります。実際には以下のような技法が用いられます。 温熱療法 寒冷療法 電気刺激 牽引 さらに読む (低温にさらす)も選択できます。
リング状の病変が広範囲にみられる場合に効果的となることがある他の薬として、ヒドロキシクロロキン、イソトレチノイン(isotretinoin)、ジアフェニルスルホン、シクロスポリンがあります。
インフリキシマブやアダリムマブなど、他の免疫抑制薬(免疫系を抑制する薬)が環状肉芽腫の治療に用いられることもありますが、これらは一部の人でこの病気を誘発することがあります。