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寄生虫妄想

執筆者:

James G. H. Dinulos

, MD, Geisel School of Medicine at Dartmouth

医学的にレビューされた 2020年 6月
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寄生虫妄想とは、寄生虫が自分の体に寄生しているという誤った思い込み(妄想)です。

寄生虫妄想の患者は、昆虫、蠕虫、ダニ、シラミ、ノミなどの生物に寄生されているという訂正不能の強い思い込みを抱いています。自宅、周囲の環境、衣類などにも寄生虫が生息していると考える人もいます。患者はしばしば、その生物がどのようにして皮膚や他の体の開口部から侵入して体内を動きまわっているかを鮮明な描写で説明します。

かゆみ、這っている感覚、刺激感は患者にとって非常にリアルに感じられます。そのような感覚を取り除くために、患者は皮膚をかいたり、いじったり、削ったりし、それにより皮膚にただれや潰瘍が起きることもあります。そのようなただれに感染が起きる場合もあります。皮膚に様々な化学物質や消毒薬を塗ることもあります。そのような化学物質により皮膚に炎症やアレルギー反応が起きる場合もあります。

患者は、寄生が事実であることを証明するために、毛髪、皮膚、乾燥したかさぶた、ほこり、糸くずなどを標本として持参します。スライドガラスの上や何かの容器にその標本を入れて持ってくることもあります。寄生虫妄想は、50歳以上の人と女性にみられることが多い症状ですが、非常にまれです。

寄生虫妄想がみられる患者の中には、健康について過剰な不安を抱く病気(病気不安症 病気不安症 病気不安症は、自分は重篤な病気にかかっている、またはかかりつつあると思い込む精神障害です。 患者は病気にかかっている、あるいはかかるのではないかと深刻に心配しているため、強い苦痛を感じ、日常の役割を果たすのが難しくなります。 徹底的な評価によって重篤な病気が否定されたにもかかわらず、患者が重篤な病気にかかっている、またはかかりつつあると心配し続ける場合に、この病気と診断されます。... さらに読む [以前は心気症と呼ばれていました])をもっている人や、メディアを通じて何らかの寄生虫疾患(疥癬 疥癬 疥癬は、ダニにが皮膚に寄生して起こる皮膚寄生虫感染症です。 疥癬は通常、身体的な接触によって人から人に伝染します。 疥癬にかかると、一般的に寄生しているダニはわずか数匹であるにもかかわらず、強いかゆみが生じます。 疥癬の診断は、医師がかゆみのある部位を診察するほか、ときに削り取った皮膚を顕微鏡で観察することによって下されます。 疥癬の治療法としては、ペルメトリンまたはリンデンの外用や、イベルメクチンの内服などがあります。 さらに読む 疥癬 など)について知識を得た人、寄生虫に感染した人との接触経験がある人などが含まれています。また、寄生虫妄想がみられる患者の中には、統合失調症、うつ病、不安、強迫症などの精神障害がある人もいますが、ほとんどの患者はそうではありません。ある種の薬物(コカインやメタンフェタミンなど)を乱用していたり、長期にわたる飲酒後の断酒による離脱症状として寄生虫妄想が生じることがあります(離脱症状 離脱症状 アルコール(エタノール)は抑制薬です。急激にまたは定期的に大量飲酒すると、臓器の損傷、昏睡、死亡などの健康上の問題を引き起こす可能性があります。 遺伝特性や個人的な性質がアルコール関連障害の発症に関与しています。 アルコールを飲みすぎると、眠くなったり攻撃的になり、運動協調や精神機能が損なわれ、仕事、家族関係、その他の活動が妨げられます。 長期間大量のアルコールを飲むと、アルコールに依存するようになり、肝臓、脳、心臓を損傷します。... さらに読む )。

診断

  • 医師による評価

アレルギー、皮膚炎、実際の寄生虫など、現実の皮膚病の多くでもかゆみが生じるため、寄生虫妄想の診断は困難になる場合があります。また、患者が皮膚をかいたり化学物質を使ったりすることで生じた皮膚のただれや炎症が他の皮膚の病気と似ていることもあります。

診断は身体診察の結果と薬物使用歴や精神障害などの病歴に基づいて下されます。実際の寄生や他の病気の可能性を否定するために、皮膚の擦過物を採取して調べたり、ときには血液検査を行うこともあります。実際の寄生の可能性が否定された場合は、寄生虫妄想が精神障害の一部であるかどうかを判断する上で、精神障害を専門とする医師(精神科医)による診察が有用となります。

治療

  • 精神医学的療法

  • ときに抗精神病薬

寄生虫妄想の治療は、皮膚の病気を専門とする医師(皮膚科医)と精神科医が協力して行うことが最善となります。皮膚科医は徹底的な評価を行い、実際の寄生虫が存在しないことを確認します。その後、患者を精神科医に紹介し、妄想の治療を行います。

リスペリドンやハロペリドール(一般に精神科医が処方します)などの抗精神病薬が非常に効果的です。しかし、患者はしばしば精神医学的支援を受けることを拒み、代わりに想像上の寄生虫を根絶する治療を求めて多くの医師を受診しますが、徒労に終わります。

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