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皮膚の構造と機能

執筆者:

Elizabeth H. Page

, MD, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2017年 2月
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皮膚は人体で最大の臓器であり、以下のような数多くの重要な機能を担っています。

皮膚は生存に不可欠な化学物質や栄養素を体内に維持している一方、危険な物質が体内に侵入するのを阻止する障壁となり、太陽光に含まれる紫外線の有害作用から体を守っています。さらに、皮膚の色、きめ、しわなど( 皮膚に生じる異常、増殖病変、色の変化の記述 皮膚に生じる異常、増殖病変、色の変化の記述 医師は、皮膚に生じる様々な種類の異常や増殖病変を言い表すために特定の専門用語を使用します。また、皮膚の病気や感染症には皮膚の色を変化させるものがあります。 (皮膚の構造と機能も参照のこと。) 萎縮は、皮膚が薄くなった部分で、ときにくぼみができることもあり、しばしば乾燥してしわのある「シガレットペーパー」状の外観を呈します。... さらに読む 皮膚に生じる異常、増殖病変、色の変化の記述 )は、その人特有の個性を示す特徴となっています。そのため、何らかの原因で皮膚の機能が損なわれたり外観が変化したりすると( 皮膚への加齢の影響 皮膚への加齢の影響 年齢を重ねるにつれ、表皮と真皮は薄くなっていきます。その下の皮下脂肪層も薄くなることがあります。皮膚の3つの層の体積が減り、全体として機能が低下してくると、医学的・美容的に重要な影響がいくつか出てきます。皮膚の弾力性が低下します。バリア機能が損なわれ、皮脂などの不可欠な脂分の分泌が減ることで、皮膚が乾燥してきます。皮膚の中にある神経終末(... さらに読む )、心身の健康に重大な影響が生じることがあります。

皮膚に生じる異常の多くは皮膚のみの問題ですが、皮膚の症状が体全体に関わる病気の手がかりになることもあります。したがって、医師が皮膚の病気を評価するにあたっては、多くの場合、他の多くの病気の可能性も考慮しなければなりません。このため皮膚の症状で受診した人でも、内科的な病気がないか調べるために血液検査やその他の臨床検査が必要になることがあります( 皮膚の病気の診断 皮膚の病気の診断 皮膚の病気には、医師が皮膚を観察しただけで特定できるものが数多くあります。全身の皮膚の診察には、頭皮、爪、粘膜の診察も含まれます。ときに、皮膚の一部を詳細に観察するために、手持ち式の拡大鏡やダーモスコープ(拡大レンズと内蔵式のライトを備えた器具)を使用することもあります。 診断につながる特徴としては、皮膚に現れている異常部分の大きさ、形、... さらに読む 皮膚の病気の診断 )。

皮膚を構成する層

皮膚には3つの層があります。

  • 表皮

  • 真皮

  • 皮下脂肪層(皮下組織とも呼ばれる)

各層には固有の機能があります。

皮膚組織をみる

皮膚には3つの層があります。皮膚の下には神経、神経終末、腺、毛包、血管があります。

皮膚組織をみる

表皮

表皮は、皮膚の外層を構成している比較的薄い丈夫な層です。表皮にある細胞の大半は角化細胞です。この細胞は、基底層と呼ばれる表皮の最下層の細胞から発生します。新たにできた角化細胞は表皮の表面に向かってゆっくり移動してきます。皮膚の表面に達した角化細胞は、徐々に剥がれ落ち、下の層から押し上がってくる新しい細胞に置き換わります。

表皮の外側の部分である角層(角質層ともいいます)は、基本的に水を通さず、傷のない正常な状態では、ほとんどの細菌、ウイルス、その他の異物が体内に侵入するのを防いでいます。表皮には、皮膚の他の層とともに内臓、筋肉、神経、血管を外傷から守る働きもあります。手のひらや足の裏のように、しっかりした保護が必要な部位では、表皮の外側のケラチン層(角層)が他の部分よりはるかに厚くなっています。

表皮の基底層全体に散在しているメラノサイトと呼ばれる細胞は、皮膚の色を決める主な要素の1つであるメラニン色素を作り出します。しかし、メラニンの最も重要な機能は、DNAを傷つけて皮膚がん 皮膚がんの概要 皮膚がんは最も多くみられるがんです。屋外で働く人、屋外でスポーツをする人、および日光浴の愛好者で特に多くみられます。皮膚の色の薄い人(色白の人)は、作られるメラニンの量が少ないため、ほとんどのタイプの皮膚がんが特に発生しやすい傾向があります。皮膚の一番外側の層(表皮)で保護機能を果たしているメラニンという色素には、紫外線から皮膚を保護する... さらに読む など多くの有害作用を引き起こす日光中の紫外線( 日光と皮膚障害の概要 日光と皮膚障害の概要 日光には、体内でのビタミンDの生産を促し、一部の慢性の皮膚病(乾癬など)の抑制に役立ち、健康感をもたらすという効用があります。皮膚は日光から体を守るバリアの役割も果たしていますが、日光にさらされることで皮膚自体にも損傷が起きます。具体的な損傷としては、痛みを伴う日焼けだけでなく、しわなど老化に伴う皮膚の変化、皮膚の前がん病変、皮膚がん、さ... さらに読む 日光と皮膚障害の概要 )を遮断することにあります。

表皮には、ランゲルハンス細胞という皮膚の免疫系を構成する細胞も存在します。この細胞には体内に侵入した異物を見つけ、感染から体を守る役割がありますが、皮膚アレルギーの発症にも関わっています。

真皮

表皮の下にある真皮は、線維組織と弾性組織(大部分がコラーゲンでできていますが、少量ながら重要な働きをするエラスチンの要素も含まれます)で構成される厚い層で、この層があることで、皮膚は柔軟でかつ丈夫な組織になっています。真皮内には神経の末端(神経終末)、汗腺と皮脂の分泌腺(皮脂腺)、毛包、血管があります。

神経終末は痛みや触感、圧力、温度を感じとる部分です。皮膚の部位によっては、神経終末が他の部位より多く集まっているところがあります。例えば、手の指先やつま先には多くの神経が通っているため、触感に極めて敏感です。

汗腺は、熱やストレスに反応して汗を出します。汗は水と塩分、その他の化学物質からなる液体です。汗が皮膚から蒸発すると、体温が下がります。わきの下と性器周辺にはアポクリン汗腺という特殊な汗腺があり、ここから出る汗は濃厚で脂っぽく、この部分の皮膚にいる細菌がこの汗を分解することで特徴的な体臭が生じます。

皮脂腺は毛包内に皮脂を分泌します。皮脂は脂の一種で、皮膚にうるおいを与え、柔軟な状態に保つ働きと、異物に対する保護膜としての働きがあります。

毛包は体中にみられる様々な種類の毛を作り出します。毛はその人の外見を左右するだけでなく、体温を調節する、外傷から体を保護する、感覚を高めるなど、いくつかの重要な役割も担っています。一部の毛包には、損傷を受けた表皮を再生できる幹細胞も含まれています。

真皮にある血管は、皮膚に栄養を供給するとともに、体温を調節する働きをしています。暑さを感じると、血管が拡張して皮膚の表面近くを流れる血液の量が増えることで、その部分から体内の熱を発散できるようになります。寒さを感じると、血管が収縮することで、体内の熱を逃さないようにします。

皮膚にある神経終末、汗腺、皮脂腺、毛包、血管の数は、体の部位によって異なります。例えば、頭部には多くの毛包がありますが、足の裏にはまったくありません。

皮下脂肪層

真皮の下には脂肪組織の層があり、体を外気の熱や寒さから守り、クッションのように体を保護する役割と、エネルギーを蓄える役割を担っています。脂肪は脂肪細胞という生きた細胞の中に蓄えられており、この細胞は線維組織によって結合しています。皮下脂肪層の厚みは体の部位によって異なり、まぶたの皮下脂肪層はとても薄いですが、腹部や殿部では人によっては厚さが5~10センチメートルにもなります。

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