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基底細胞がん

執筆者:

Gregory L. Wells

, MD, Ada West Dermatology, St. Luke’s Boise Medical Center, and St. Alphonsus Regional Medical Center

最終査読/改訂年月 2018年 2月
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本ページのリソース

基底細胞がんは、最も多くみられる皮膚がんで、皮膚の外層(表皮)にある特定の細胞から発生します。

  • 通常は、皮膚に小さくつやのある隆起が現れ、徐々に大きくなっていきます。

  • 隆起は破れてかさぶたになることがあり、ときには出血を伴ったり、平らになって瘢痕状になったりすることもあります。

  • このがんは外観から確認できることが多いですが、通常は生検を行います。

  • 通常は切除しますが、皮膚に化学療法薬を塗ることもあり、ときには放射線療法や薬物療法も行うこともあります。

皮膚がんの概要も参照のこと。)

基底細胞は表皮(皮膚の外層)の最下層にあります。基底細胞がんは必ずしも基底細胞から発生するわけではありませんが、顕微鏡で観察すると、がん細胞が基底細胞に似ているために、この名がついています。

基底細胞がんは、最もよくみられる皮膚がんの一種です。米国では、毎年400万人以上の人に、この種のがんが発生しています。皮膚の色が薄く、日光にさらされた経緯のある人に多くみられ、皮膚の色が濃い人での発生はごくまれです。基底細胞がんは通常、日光にさらされる表皮に発生し、部位としては頭部と首によくみられます。

この腫瘍は非常にゆっくりと大きくなっていきますが、増殖のペースがかなり遅いため、新たに現れた増殖性病変とは気づかれないこともあります。しかし、成長速度にはかなり幅があり、なかには1年で1センチメートル程度大きくなるものもあります。

このがんは、他の部位に転移することはまれですが、周囲の組織に広がって徐々に組織を破壊していきます。基底細胞がんが眼、耳、口、骨、脳などの近くにできている場合、そこから広がると深刻な事態を招くことがあり、死に至る場合もあります。しかし、ほとんどの場合、このがんは皮膚の中でゆっくりと成長していくだけです。

症状

基底細胞がんは通常、小さくて硬い、つやのある盛り上がった増殖性病変として出現します(結節型の基底細胞がん)。数カ月から数年が経過すると、表面に拡張した血管(毛細血管拡張)が見えるようになることがあり、中心部が破れて、かさぶたを作ることもあります。がんと正常な皮膚の境界では、皮膚が厚くなり白いつやがみられる場合があります。がんの部分からときおり出血し、かさぶたができては治ることを繰り返す場合もあるため、患者本人はがんではなく潰瘍だと誤解してしまうこともあります。

その他のタイプの基底細胞がんは外観が大きく異なります。例えば、表在型の病変は平坦で厚みのない赤色またはピンク色の斑として現れ、斑状強皮症型の病変は厚みのある肌色または明るい赤色の斑として出現し、瘢痕(はんこん)のようにも見えます。

診断

  • 生検

基底細胞がんは見ただけで分かることが多いのですが、診断の確定には生検を行うことが標準的方法です。この検査では、皮膚から少量の腫瘍組織を採取し、顕微鏡で調べます。

予後(経過の見通し)

基底細胞がんで死に至ることはめったになく、治療もたいていの場合成功します。しかし、基底細胞がんにかかった人の約25%では、5年以内に新たな基底細胞がんが発生します。したがって、基底細胞がんにかかった人は、がんをチェックするため皮膚の診察を毎年受けるようにします。

予防

基底細胞がんは日光曝露が原因で引き起こされる場合が多いため、以下の対策を講じることが、このがんの予防に役立ちます。

  • 日光を避ける:例えば、屋外では日陰に入る、午前10時から午後4時まで(日光が最も強くなる時間帯)の屋外活動を減らす、日光浴や日焼けマシーンの利用を控える

  • 保護効果の高い衣類を着用する:例えば長袖のシャツ、ズボン、つばの広い帽子

  • 日焼け止めを使用する:紫外線防御指数(SPF)30以上で紫外線A波とB波に対する防御効果のあるものを指示通りに使用し、2時間毎に、また泳いだ後と汗をかいた後にも塗り直す(ただし、日光を浴びる時間を増やすことを目的に日焼け止めを使用してはならない)

また、皮膚に何らかの異常が現れて数週間経っても消えない場合は、医師の診察を受ける必要があります。

治療

  • 腫瘍の切除(様々な方法による)

がんの切除は、診療所でがんの部分を削り取って電気針で焼き切る(掻爬[そうは]および電気乾固と呼ばれる方法)か、手術による切除で行います。がんを極度の低温を使って破壊することもあります(凍結手術)。

ある種の化学療法薬を皮膚に塗ることもあります。皮膚に化学物質を塗ってレーザーをあてる光線力学療法(レーザーによる皮膚の症状の治療を参照)も使われることがあります。ときに放射線療法も使われます。

基底細胞がんのうち、大きなもの、再発したもの、眼や鼻の周囲など特定の部位に発生したものには、モース顕微鏡手術が必要になることがあります。

がんが周囲の組織に広がっているか他の部位に転移している患者や、手術や放射線療法が選択できない患者には、内服薬のビスモデギブ(vismodegib)またはソニデギブ(sonidegib)が使用されることがあります。

モース顕微鏡手術

皮膚がんの細胞は、しばしば皮膚の表面に見えている皮疹の縁より外側まで広がっているため、皮膚がんの手術では、がんを完全に切除するために特別な手技を用いることがあります。モース顕微鏡手術またはモース手術と呼ばれるこの手術では、まず肉眼で見える腫瘍を切除してから、切り口の縁を少しずつ切除していきます。手術中に、切り取った組織片をすぐに顕微鏡で調べてがん細胞の有無を確認します。切除した組織片の中にがん細胞が見つからなくなるまで皮膚の切除を続けます。この手術では、切除する組織の量を減らすことができ、がんが眼などの重要な臓器の近くにできている場合は特に有効です。

すべてのがん細胞を切除した後、医師は切除した部分の皮膚をどう修復するかを判断します。残っている皮膚の端を合わせて縫合することもあれば、皮膚移植や皮膚弁を用いることもあります。あるいは傷の上にドレッシング材をあて、傷の自然な治癒を促すこともあります。

モース手術には、皮膚がんの再発率を抑える効果もあります。この手術法は、基底細胞がんと有棘細胞がんの場合に有用ですが、黒色腫に用いられることはあまりありません。

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