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カポジ肉腫

執筆者:

Gregory L. Wells

, MD, Ada West Dermatology, St. Luke’s Boise Medical Center, and St. Alphonsus Regional Medical Center

最終査読/改訂年月 2018年 2月
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本ページのリソース

カポジ肉腫は皮膚がんの一種で、複数の平坦な皮疹または隆起が皮膚にでき、ピンク色、赤色、または紫色をしています。原因はヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)感染症です。

  • 足の指や脚に1つまたは少数の斑点が現れる場合があり、またあらゆる部位の皮膚や口腔内または陰部にも現れる場合があり、内臓を含む他の部位に転移します。

  • このがんは外観から確認できることが多いですが、通常は生検も行います。

  • 斑点は外科的に切除したり、放射線療法により治療することができますが、がんの悪性度が高い場合は、化学療法薬やインターフェロンアルファによる治療も行います。

皮膚がんの概要も参照のこと。)

ヒトヘルペスウイルスには多くの種類があります。その一種である8型がカポジ肉腫の原因になる可能性があります(特に免疫機能が低下している場合)。

カポジ肉腫には4つのタイプがあります。これらのタイプはいくつかの特有の集団に発生し、集団毎に症状や進行に差がみられます。以下のものがあります。

  • 古典型カポジ肉腫:このタイプは高齢の男性に、通常はイタリア系、東欧系、ユダヤ系の人に発生します。

  • 風土病型カポジ肉腫:風土病型とは、このがんが一定の場所でよく発生するという意味です。アフリカの一部地域の小児や若い成人に発生します。

  • 免疫抑制型カポジ肉腫:このタイプは臓器移植後に投与された免疫抑制薬によって免疫機能が低下している人に発生します。

  • エイズ関連型(流行性)カポジ肉腫:このタイプはエイズ患者に発生します(米国では症例の大半を占める)。

症状

カポジ肉腫は通常、紫色、ピンク色、または赤色の斑点または隆起として皮膚上に出現します。このがんは約5~10センチメートル、あるいはそれ以上に大きくなることもあり、青紫色から黒色をしており、患部は平らかわずかに盛り上がっています。腫れがみられることもあります。ときに、がんが下にある軟部組織まで広がり、骨に浸潤することがあります。口腔内などの粘膜面にできたがんは、青色から紫色に見えます。消化管の中では、ときにがんの患部から多量の出血が起きますが、通常は何の症状もみられません。

古典型カポジ肉腫

このタイプのカポジ肉腫が発生した高齢(60歳以上)男性では、脚に他にも同様の斑点がいくつか現れることがありますが、他の部位に転移することはまれで、死に至ることはほとんどありません。

その他の集団では、より悪性度の高いカポジ肉腫が発生します。皮膚に現れる斑点は高齢男性の場合と似ていますが、しばしばいくつも生じ、全身のどこにでも発生します。

エイズ関連型カポジ肉腫

エイズ関連型カポジ肉腫の患者では、数カ月のうちに斑点が現れ、それらはしばしば顔面や体幹などの他の部分に広がりますが、口の中にできることも多く、そうなるとものを食べる際に痛みます。この斑点はリンパ節や内臓にもできることがあり、特に消化管にできやすく、その場合は内出血を引き起こし、便に血が混じります。カポジ肉腫がエイズの最初の症状になることもあります。

知っていますか?

  • 米国では、カポジ肉腫の症例の大半はエイズ患者です。

免疫抑制型カポジ肉腫

このタイプは一般的に臓器移植の数年後に発生し、重症となります。

風土病型カポジ肉腫

小児では、風土病型カポジ肉腫はリンパ節に発生するのが通常です。その場合、皮膚に斑点が現れることもあれば、そうならないこともあります。この病気は通常、突然発生して重症化し、死に至ります。

成人では、風土病型カポジ肉腫は古典型に類似した、ゆっくり成長する皮膚の斑点や斑が生じる傾向があります。他の部位に転移することはまれで、死に至ることはあまりありません。

診断

  • パンチ生検

通常、カポジ肉腫は外観から診断がつきます。カポジ肉腫の診断確定のために通常、皮膚の一部を小さく採取して顕微鏡で調べるパンチ生検が行われます。

エイズ患者や免疫抑制が起きている患者では、がんが広がっている部位を見つけるために他の検査を行います。通常は胸部と腹部のCT検査を行い、患者の症状に応じて他の検査も行います。

治療

  • 斑点が1~2カ所の場合は切除

  • 斑点が多数ある場合とリンパ節に転移がある場合は放射線療法

  • エイズ関連型では、抗レトロウイルス薬またはインターフェロンアルファ

高齢の男性において成長の遅いカポジ肉腫の斑点が1~2個みられる場合は、外科手術、凍結手術(極度の低温を利用する治療法)、または電気凝固術(電流を利用する治療法)で病変を除去することもあります。斑点の除去に、イミキモドのクリーム剤やビンクリスチンまたはインターフェロンアルファの注射剤も使用されることがあります。斑点の数が非常に少なく、ほかに症状がない場合は、腫瘍が広がるまで治療をしないという選択肢もあります。

斑点がたくさんできている場合や、リンパ節に転移がある場合は、放射線療法を行います。

より悪性度が高いカポジ肉腫患者でも免疫系が正常な場合は、インターフェロンアルファや化学療法薬がしばしば有効です。

免疫抑制型カポジ肉腫

免疫抑制薬の投与を受けている人の場合、薬剤を中止すると腫瘍が消えることがあります。しかし、本来の病気のために免疫抑制薬による治療を継続しなければならない場合は、その用量を減らします。用量を減らせない場合は、手術、化学療法、放射線療法を行います。シロリムスを投与することもあります。このような治療を行っても、免疫系が正常な人の場合と同じような効果は得られません。

エイズ関連型カポジ肉腫

エイズ患者の場合、化学療法や放射線療法による治療の効果はあまりありません。しかし、抗レトロウイルス療法による集中的な治療は、それによって免疫系の機能が改善されれば、効果をもたらす可能性があります。エイズ関連型カポジ肉腫患者に対し、インターフェロンアルファ、ドキソルビシン、またはパクリタキセルの静脈内注射を行うこともあります。一般に、エイズ患者のほとんどでは、カポジ肉腫の治療を行っても延命効果は期待できません。

風土病型カポジ肉腫

風土病型カポジ肉腫は治療が困難です。一般的には、患者の不快感を減らして痛みのない状態にし、症状を十分に治療するようにします。

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