軽い指のけがでも、それにより爪に変化が起きることがあります。損傷した部分の爪に白く変色した小さな斑点が出現し、爪とともに外側に移動します。
爪床(爪甲の下にあって爪を指に接着している軟部組織)に重度の損傷、特に挫滅損傷が生じると、爪が変形したまま元に戻らない場合がよくあります。このリスクを減らすには、損傷を直ちに修復する必要があり、それには爪の除去が必要になります。
(爪の病気の概要 爪の病気の概要 変形と異栄養症、感染症、 陥入爪など、爪に生じる病気はたくさんあります。感染症は爪のあらゆる部分に生じ、爪の外観を変えることもあれば、変えないこともあります。爪の感染症は、ほとんどが真菌感染症( 爪真菌症)ですが、細菌やウイルスによる感染症もあります。 爪は、爪甲(ケラチンというタンパク質でできた硬い部分)と周囲の構造から構成されています... さらに読む も参照のこと。)
爪下血腫
損傷(かなづちなどで直接たたくケースがよくみられる)のすぐ後に、爪の下に血液がたまることがよくあります(爪下血腫)。血液は、爪の一部分または全体の下に暗紫色の斑点として現れ、非常に激しいズキズキする痛みを引き起こします。爪甲(爪の硬い部分)に小さな穴をあけて血液を排出することによって痛みを緩和します。通常、針または加熱したワイヤー(電気焼灼器)を用いて穴をあけます。この方法は痛みが比較的少なく、数秒しかかかりません。
血液によって爪が爪床から離れているため、血腫が小さくない限り、通常は数週間で爪が剥がれ落ちます。元の爪の下に新しく爪が生え、伸びきれば古い爪に置き換わります。
爪の下の腫瘍 爪の腫瘍 良性および悪性の腫瘍が爪に影響を及ぼして、爪の質感や色の変化( 異栄養症)を引き起こすことがあります。 良性腫瘍としては、粘液様嚢胞(液体で満たされた袋状の良性病変)、 化膿性肉芽腫、グロムス腫瘍などがあります。 悪性腫瘍としては、 ボーエン病(早期の皮膚がん)、 有棘細胞がん、 悪性黒色腫などがあります。がんが疑われる場合は、生検を行い、腫瘍をできるだけ早期に完全に切除することが推奨されます。... さらに読む によっても、似たような暗紫色の斑点が生じることがあります。しかし、損傷による斑点が数分以内に生じるのに対し、腫瘍による斑点は徐々に現れ、時間が経っても爪とともに外側に移動することはありません(腫瘍は爪の下の同じ部位にとどまります)。しかし、小さな血腫については、必ず爪とともに外に移動するか注意して観察する必要があります。