(汗の病気に関する序 汗の病気に関する序 汗は皮膚の中にある汗腺で作られ、導管を通って皮膚の表面に排出されます。 汗は皮膚を濡らして蒸発することで、体温を低く保つのに役立っています。そのため、正常な状態では、暑いときほど、より多く汗をかきます。また、神経がたかぶったときや、ストレスにさらされたとき、病気で熱が出たときにも、人は汗をかきます。... さらに読む も参照のこと。)
通常、発汗が減少するのは体の特定の部位に限られます。原因としては、皮膚の損傷(外傷、放射線照射、感染症[ハンセン病など]、炎症など)や結合組織疾患(全身性強皮症 全身性強皮症 全身性強皮症は、皮膚、関節、内臓の変性変化と瘢痕化、および血管の異常を特徴とする、まれな慢性 自己免疫リウマチ疾患です。 全身性強皮症の原因は不明です。 指が腫れる、間欠的に指が冷たくなり青く変色する、関節が永続的に(通常は曲がった状態で)固まる(拘縮)などの症状のほか、消化器系、肺、心臓、腎臓の損傷が発生することがあります。 多くの場合、患者の血液中には自己免疫疾患に特徴的な抗体が認められます。... さらに読む 、 全身性エリテマトーデス 全身性エリテマトーデス(SLE) 全身性エリテマトーデスは、関節、腎臓、皮膚、粘膜、血管の壁に起こる慢性かつ 炎症性の自己免疫結合組織疾患です。 関節、神経系、血液、皮膚、腎臓、消化管、肺、その他の組織や臓器に問題が発生します。 診断を下すため、血液検査のほか、ときにその他の検査を行います。 全身性エリテマトーデスの全患者でヒドロキシクロロキンが必要であり、損傷を引き起こし続けている全身性エリテマトーデス(活動性の全身性エリテマトーデス)の患者には、コルチコステロイドな... さらに読む
、 シェーグレン症候群 シェーグレン症候群 シェーグレン症候群はよくみられる 自己免疫リウマチ疾患で、眼や口などの粘膜の異常な乾燥を特徴とします。 白血球が、体液を分泌する腺に侵入して損傷を与えることがあり、ときには他の臓器に損傷が及ぶ場合もあります。 診断を助けるために確立された基準が用いられることがあり、検査により涙と唾液の分泌量を測定するとともに、血液中に異常な抗体が存在しないかを評価できます。 通常は、眼や口などの表面を乾燥させないようにする対策を講じるだけで十分ですが、... さらに読む
など)による汗腺の萎縮があります。
発汗の減少は薬剤によって生じる場合もあり、特に抗コリン作用のある薬剤でよくみられます(抗コリン作用:どんな作用か? 抗コリン作用:どんな作用か? )。糖尿病による神経の損傷(糖尿病性神経障害 糖尿病における神経障害 糖尿病では、体の様々な部位、特に血管、神経、眼、腎臓に重篤で長期に及ぶ多くの合併症がみられます。 ( 糖尿病も参照のこと。) 糖尿病には、以下の2つの種類があります。 1型糖尿病:体の免疫系が膵臓のインスリン産生細胞を攻撃し、90%を超える細胞が破壊されて回復不能になる 2型糖尿病:体がインスリンの効果に抵抗性を示す さらに読む
)、また様々な先天性の症候群でも生じます。非常に重度の 熱中症 熱射病 熱射病は、体温が異常に上がり、多くの器官系に機能障害が起こる、生命を脅かす状態です。 ( 熱中症の概要も参照のこと。) 何時間も運動した若い運動選手や、暑い季節に冷房のない屋内で何日も過ごした高齢者などに起こることがあります。 体温は40℃を超え、脳の機能障害が起こります。 直ちに体を冷やす必要があります。 さらに読む では、発汗が止まることがあります。
発汗の減少の診断は医師が患者を観察することによって下されます。患者が暑さに耐えられなかったり、体の広い部分で発汗が減少していたりする場合は、高体温になる場合があります。
発汗が減少した場合の最善の治療法は、冷房をつけたり、衣類を濡らしたりするなどして体を冷やすことです。