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大量発汗

(多汗症)

執筆者:

Shinjita Das

, MD, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2017年 5月
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大量発汗(多汗症)がみられる人は多量の汗をかき、なかにはほぼ常に汗をかき続ける人もいます。

汗の病気に関する序も参照のこと。)

熱がある人や高温の環境にいる人も汗をかきますが、大量発汗がある人では、このような状況でなくても汗をかきます。

局所的な大量発汗

大量発汗が皮膚表面全体にみられることもありますが、たいていは体の限られた特定の部分のみにみられます(局所的な大量発汗といいます)。症状がよくみられる部位は、手のひら、足の裏、額、わきの下です。このような部位の発汗は通常、不安、興奮、怒り、恐怖によって生じます。このような発汗は正常な反応ですが、大量発汗のある人では、ほとんどの人が汗をかかない状況で大量の汗が出ます。

香辛料の効いた熱い食べものを食べたときに唇の周囲、鼻、額に汗をかく人もいます(味覚性発汗と呼ばれます)。味覚性発汗は正常な現象ですが、ある種の病気によりそのような発汗が増えることがあり、具体的な病気としては、神経を侵している糖尿病、顔面に発生した帯状疱疹、脳の病気、頸部の自律神経系に発生したある種の病気、耳の前部にある唾液腺(耳下腺)につながる神経に生じたある種の外傷などがあります。

全身性の大量発汗

体のほとんどの部分で生じる大量発汗は、全身性の大量発汗と呼ばれます。具体的な原因は見つからないのが通常です。しかし、全身性の大量発汗を引き起こす要因としては、暑さにさらされることや発熱など、いくつかのものが考えられます。

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大量発汗の主な原因

種類

ホルモン(内分泌)障害

甲状腺機能亢進症(甲状腺の活動が過剰になった状態)、血糖値の低下(低血糖)、ある種の下垂体の病気、下垂体の機能に影響を及ぼす薬物の使用

薬物

抗うつ薬、アスピリンなどの非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、ある種の糖尿病治療薬、カフェイン、テオフィリン

オピオイドからの離脱症状

神経系の病気

けが、自律神経系の機能障害、がんによるある種の神経の損傷

がん*

感染症*

結核、心臓の感染症(心内膜炎)、全身性の重度の真菌感染症

その他

ある種の病気(カルチノイド症候群)、妊娠、閉経不安のある人で生じる紅潮と下痢

発熱

暑さにさらされること

*主に寝汗を引き起こす。

症状

慢性的に多量の汗をかいて皮膚が湿った状態にあると、その部分が白くなってしわがより、ひび割れてきます。赤くなって炎症を起こすこともあります。皮膚に普段から生息している細菌や真菌が汗を分解することで、問題の部分から悪臭が生じる場合もあります(臭汗症)。衣類が汗でぐっしょり濡れることもあります。

大量発汗のある人の多くは、自分の症状について不安を抱いており、それが引きこもりにつながることがあります。このような不安が発汗を悪化させることもあります。

診断

大量発汗の診断は、通常は患者の病歴と身体診察の結果に基づいて下されます。ときに、少量の汗を見えるようにする物質を皮膚に塗ることもあります。他の病気を発見するために、血液検査やホルモンのスクリーニングを行うこともあります。

治療

大量発汗は市販の制汗剤である程度抑えられます。しかし、より強力な治療法が必要になる場合も多く、特に手のひらや足の裏、わきの下、陰部で大量発汗が起きている場合に、そうなりやすい傾向があります。処方薬である強い塩化アルミニウム溶液が助けになることもあります。使用する際は、夜間に、まず皮膚の汗をふいてからこの溶液を塗布します。朝になったら、その部分の皮膚を洗います。治療開始時には、発汗が抑えられるまで、溶液を数度塗る必要があります。その後は必要な期間について週1~2回塗れば緩和状態が維持できます。この溶液は炎症のある皮膚、破れている皮膚、湿っている皮膚、最近毛を剃った皮膚には塗らないようにします。汗によって塩化アルミニウムが洗い流されないように、この溶液を塗る前に服用する抗コリン薬(グリコピロニウムやオキシブチニンなど)が処方されることもあります。しかし、このような薬剤には副作用があり、そのため患者が使用をやめてしまうこともあります( 抗コリン作用:どんな作用か?)。

ときに水道水イオントフォレーシスも用いられます。これは汗をかく部分(典型的には手のひらや足の裏)に10~20分間、微弱な電流を流す方法です。この手順を1週間にわたり毎日行い、その後は週1回または月2回程度の頻度で繰り返します。

A型ボツリヌス毒素をわきの下、手のひら、または額に直接注射し、発汗を誘発する神経を不活化することも可能です。用量に応じて約5カ月にわたり発汗を予防できます。この注射は有効ですが、筋力低下や頭痛を招くことがあり、費用がかかります。米国食品医薬品局(FDA)によるA型ボツリヌス毒素の承認は、使用対象がわきの下の多汗症に限定されていますので、それ以外の部位に対する使用には、米国においても保険が適用されません。

他の治療法で効果がない場合は、重度の発汗を抑えるために様々な外科的処置が試みられることもあります。大量発汗がわきの下のみにみられる場合は、手術または脂肪吸引法により汗腺を除去する治療法も行われます。大量発汗が手のひらだけに起きている場合は、汗腺につながる神経を切断する胸腔鏡下交感神経切除術と呼ばれる手術で治療できる可能性があります。しかし、手術を行うと、実際には汗は出ていないのに発汗があるように感じる(phantom sweating)、代償性発汗(治療部位以外で発汗が増加する)、味覚性発汗、神経痛、ホルネル症候群など、永続的な合併症が発生することもあります。代償性多汗症は、胸腔鏡下交感神経切除術後に最もよくみられ、患者の最大80%で発生し、患者の生活に支障をきたすことがあり、元の症状よりはるかにひどい場合もあります。

臭汗症は1日2回、石けんと水で洗うことで治療できますが、それで効果がみられない場合は、ほかの手段による治療が行われます。

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