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日焼け

執筆者:

Elizabeth H. Page

, MD, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2018年 5月
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本ページのリソース

日焼けは、強い紫外線を短時間で浴びた(急性曝露)結果として起こります。

  • 紫外線を浴びすぎると、日焼けが生じます。

  • 日焼け(サンバーン)が起こると、皮膚は赤くなって痛み、ときに水疱が現れたり、発熱や悪寒が生じたりすることもあります。

  • 日光を浴びすぎないようにし、日焼け止めを塗ることで、日焼けを予防することができます。

  • 冷水湿布、保湿剤、および非ステロイド系抗炎症薬により、日焼けが治るまで痛みを和らげることができます。

日光と皮膚障害の概要も参照のこと。)

日焼けが生じるのに必要な日光の量は、皮膚にあるメラニンの量(通常は色素沈着の量として見える)、より多くのメラニンを作る能力、過度の曝露が生じた日の日光中の紫外線量によって異なります。

日焼けが起きると、皮膚は赤くなって痛みます。重度の日焼けでは、皮膚が腫れて水疱ができることもあります。症状は紫外線を浴びて1時間という短時間で現れ始め、典型的には3日以内にピークに達します(通常は12~24時間後)。重度の日焼けが起きると、発熱、悪寒、脱力などの症状が現れる場合もあり、まれにショック状態(重度の低血圧と失神や顕著な脱力を特徴とする)に陥る場合もあります。

日焼けして数日たつと、生まれつき皮膚の色が薄い人では日焼けした部分の皮膚の皮がむけ、しばしばそこがかゆくなります。このようにして皮がむけた部分は、その後数週間は通常より日焼けしやすくなります。皮膚の日焼けした部分、特に皮がむけた部分には、感染が起きる可能性があります。黒子と呼ばれる、いつまでも残る褐色の斑点ができることがあります。若いうちに重度の日焼けを経験した人は、その後あまり日光を浴びなかったとしても、後に皮膚がん(特に黒色腫)を発症するリスクが高くなります。

知っていますか?

  • 薄い雲は紫外線を遮らないため、曇りの日でも日焼けは起きます。

  • 耐水性のある日焼け止めでも、泳いだり、汗をかいたりした後には塗り直す必要があります。

予防

  • 過度の日光曝露を回避する

  • 保護効果の高い衣類を着用する

  • 日焼け止めを使用する

日光を避ける

日光による障害を予防する上で最も有効で、かつ最も明らかな方法は、強い直射日光にあたらないようにすることです。たとえ皮膚の色が濃い人であっても、真昼の強い日光を浴びることは避けるべきです。紫外線は午前10時以前と午後3時以降はそれほど強くありません。日光を浴びることが避けられない場合は、なるべく早く日陰に入る、紫外線保護機能のある衣服を着る、日焼け止めを塗る、つばの広い帽子をかぶる、紫外線をカットするサングラスをかけるなどの対策を講じます。

紫外線をカットする素材や通さない素材は多くありますが、そうでない素材もたくさんあります。衣類や普通の窓ガラス、煙、スモッグは有害な光線をかなり遮ります。しかし、水は紫外線をあまり遮りません。紫外線A波と紫外線B波は、透明な水なら約30センチの厚さを通過します。雲や霧もフィルターとしての役割をあまり果たさないため、曇りの日や霧の日でも日焼けが生じることがあります。

雪、水、砂は日光を反射するため、皮膚に届く紫外線の量が増加します。海抜の高い地域(大気が薄いために多くの紫外線が皮膚に到達する)や緯度の低い地域(赤道など)でも、日焼けがより急速に発生します。

日光を浴びることは体内でのビタミンDの生産を促しますが、大半の専門家は、意図的に日光を浴びるのではなく、サプリメントの摂取によって体内のビタミンD量を維持するよう推奨しています。

衣類

日光による悪影響は、帽子、シャツ、ズボン、サングラスなどの保護用の遮蔽物を着用することで最小限に抑えることができます。目の細かい布地の方が粗い布地より日光をよく遮ります。日光から皮膚を強力に保護する特殊な衣類も市販されています。この種の衣類には、紫外線防御指数(UPF)の表示に続いて、保護レベルを示す数値を記載したラベルが貼られています(日焼け止めの表示に似たもの)。つばの広い帽子は顔面、耳、首の保護に役立ちますが、それでもこれらの部位には日焼け止めを塗る必要があります。紫外線からの保護を目的としたラップアラウンド型のサングラス(顔面を覆うような横幅の広いサングラス)を常時着用すれば、眼とまぶたの保護に役立ちます。

日焼け止め

強い直射日光にあたる前に、紫外線を遮断して皮膚を保護する成分を含有した日焼け止めのクリームまたはローションを塗るべきです。古いタイプの日焼け止めで防げるのは主に紫外線B波だけでしたが、新しい製品の大半は紫外線A波に対する保護にも効果的です。

日焼け止めはクリーム、ローション、ゲル、フォーム、スプレー、スティックなどの多様なタイプのものが市販されています。日焼けメイク製品では、紫外線からの十分な保護は得られません。

大半の日焼け止めには、日光を吸収、遮断、または反射する機能をもった物質がいくつか含まれています。紫外線B波を吸収する成分としては、桂皮酸、サリチル酸、PABA誘導体などがあります。ベンゾフェノン類は紫外線A波と紫外線B波を遮断します。アボベンゾン(avobenzone)とエカムスル(ecamsule)は、紫外線A波を除去することから、紫外線A波に対する防御効果を高めるために追加されることがあります。

酸化亜鉛や二酸化チタンなど、物理的に光を遮断する成分が含まれている日焼け止めもあります。かつてはべとつきのある白い軟膏でしたが、現在では、ほぼすべての日光を遮断して皮膚を保護しながら、より透明な層を作れるように、剤形が改良されています。鼻や唇のように、小さく敏感な部分にも塗ることができます。化粧品の中にも、酸化亜鉛や二酸化チタンを含有する製品があります。それらの新しい日焼け止めは、濃さや色の点でより使いやすくなっていて、従来の他の化学的な日焼け止めと併用することで、その日焼け止めの紫外線防御効果をさらに高めることができます。

米国では、日焼け止めは米国食品医薬品局(FDA)によって紫外線防御指数(SPF)で区分されていて、SPFの値が高い製品ほど皮膚を日光から守る効果が高くなります。SPFが2~14の日焼け止めは最小限の防御効果しかなく、SPFが15~29の製品は適度な防御効果があり、SPFが30以上の製品は最も高い防御効果があります。それにより米国では、日焼けと光老化から皮膚を保護すると同時に、皮膚がんのリスクも低減できる製品には、「ブロードスペクトラム」という表示が与えられることになっていて、それらの製品にはSPF 15(以上)の防御効果があります。しかし、SPFは紫外線B波に対する防御効果のみを定量化する指標であって、紫外線A波に対する防御効果を表す尺度はありません。

最大限の防御効果を得るには、SPFが30以上あるブロードスペクトラムかつ耐水性の日焼け止めを使用するべきです。平均的な体格の人では、約30グラム(1オンス)を取って、全身の表面を覆うように塗ります。

塗る量が十分でない場合、塗るのが遅すぎた場合(最適な効果を得るには日光を浴びる30分前に塗る必要があります)、泳いだり、汗をかいたりした後に塗り直さなかった場合(耐水性と表示されている場合も含む)、ならびに日光を浴びている間に2時間毎に塗り直さなかった場合には、日焼け止めの効果が得られない可能性があります。ほとんどの人は日焼け止めを使用する際、推奨される量の半分も塗っていません。

知っていますか?

  • 日焼け止めを全身に塗るには、通常は約30グラム(1オンス)の量が必要になります(これは標準的なショットグラスを十分に満たせる量です)。ほとんどの人はその半分も塗っていません。

日焼け止めがアレルギー反応を引き起こすこともあります。日焼け止めを塗った後に、または塗ってから日光を浴びた後に、日焼け止めに対する反応が起きることがあります(光アレルギー反応と呼ばれます)。皮膚科医によっては、反応が起きた理由がはっきりしない場合、そのような光線過敏反応の診断を下すために検査を行うこともあります。

焼けた小麦色の肌は健康的か?

ひと言でいえば、答えはノーです。黒く焼けた肌はしばしば健康の象徴や、活発で運動を好むライフスタイルの証しとみなされますが、実際には、焼けて肌が黒くなること(サンタン)自体に健康上のメリットは何もないばかりか、かえって有害です。紫外線A波またはB波(UVAまたはUVB)を浴びると、皮膚に変化や損傷が生じます。自然光に長期間さらされていると、皮膚に損傷が生じ、皮膚がんのリスクが高まります。日焼けマシーンで肌を焼くことも、やはり有害です。このような装置で使用される紫外線A波は、しわや斑状の色素沈着(光老化)、皮膚がんなど、紫外線B波にさらされた場合と同じ長期的影響を引き起こします。結局のところ、安全な日焼けなど存在しないのです。

日焼けメイク(セルフタンニング)用のローションは、実際に日焼けを起こすわけではなく、皮膚の表面を変色させているだけです。ですから、紫外線にさらされるという危険を冒すことなく日焼けしたように見える肌を手に入れるには、安全な方法です。しかし、セルフタンニングローションにはメラニンを増加させる作用はないため、日光から皮膚を守る効果はありません。このため、日光を浴びる場合は、やはり日焼け止めを併せて使用する必要があります。日焼けメイク用ローションの効果には、かなりの個人差がみられ、その人の皮膚のタイプ、使用した製品の成分、塗り方などで差が生じます。

治療

  • 患部を冷やすとともに、不快感を軽減し患部を冷却する作用のある薬剤を外用する

  • 非ステロイド系抗炎症薬

  • ときに熱傷治療用の抗菌クリーム

ヒリヒリして熱をもっている部分には、冷水湿布を行うほか、市販品のヒドロコルチゾン軟膏や油脂性製品(ワセリンなど)、皮膚用の保湿剤(皮膚に刺激を与えたり、皮膚を敏感にしたりする可能性がある麻酔薬や香料が含まれていないもの)を使用することで、症状を和らげることができます。非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は皮膚の痛みや炎症を和らげます。麻酔薬(アミノ安息香酸エチルやジフェンヒドラミンなど)を含有する軟膏やローションを使用すると、一時的に痛みを和らげることができますが、アレルギー反応を引き起こすことがあるため、その使用は避けるべきです。熱傷用の抗菌薬クリームは、重度の水疱ができている場合にのみ使用します。日焼けで生じた水疱の大半は自然に破れるため、意図的に破ったり、中の液体を抜いたりする必要はありません。日焼けした皮膚が感染を起こすことはまれですが、感染が起きた場合には、治癒が遅れる可能性があります。感染が起きたときは医師の診察を受け、感染症の程度に応じて、必要であれば抗菌薬を処方してもらいます。

日焼けした皮膚は数日で自然に治り始めますが、完全に元の状態に戻るには数週間かかります。日焼けした皮膚がむけた後の新しくむき出しになった表皮は、薄くて最初のうちは日光にかなり敏感なため、数週間は日焼けしないように保護します。

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