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日光と皮膚障害の概要

執筆者:

Elizabeth H. Page

, MD, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2018年 5月
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日光には、体内でのビタミンDの生産を促し、一部の慢性の皮膚病(乾癬 乾癬 乾癬(かんせん)は、1つまたは複数の盛り上がった赤い斑が生じる、再発を繰り返す慢性の病気で、それらの斑は銀白色の鱗屑(うろこ状のくず)を伴い、正常な皮膚との境界ははっきりしています。 免疫系の問題が関わっている可能性があり、遺伝的に乾癬を生じやすい人もいます。 特徴的な鱗屑または赤い斑が全身のあらゆる部分に様々な大きさで生じますが、特に肘... さらに読む 乾癬 など)の抑制に役立ち、健康感をもたらすという効用があります。皮膚は日光から体を守るバリアの役割も果たしていますが、日光にさらされることで皮膚自体にも損傷が起きます。具体的な損傷としては、痛みを伴う日焼け 日焼け 日焼けは、強い紫外線を短時間で浴びた(急性曝露)結果として起こります。 紫外線を浴びすぎると、日焼けが生じます。 日焼け(サンバーン)が起こると、皮膚は赤くなって痛み、ときに水疱が現れたり、発熱や悪寒が生じたりすることもあります。 日光を浴びすぎないようにし、日焼け止めを塗ることで、日焼けを予防することができます。... さらに読む 日焼け だけでなく、しわなど老化に伴う皮膚の変化、皮膚の前がん病変 日光角化症:前がん性の腫瘍 日光には、体内でのビタミンDの生産を促し、一部の慢性の皮膚病(乾癬など)の抑制に役立ち、健康感をもたらすという効用があります。皮膚は日光から体を守るバリアの役割も果たしていますが、日光にさらされることで皮膚自体にも損傷が起きます。具体的な損傷としては、痛みを伴う日焼けだけでなく、しわなど老化に伴う皮膚の変化、皮膚の前がん病変、皮膚がん、さ... さらに読む 日光角化症:前がん性の腫瘍 皮膚がん 皮膚がんの概要 皮膚がんは最も多くみられるがんです。屋外で働く人、屋外でスポーツをする人、および日光浴の愛好者で特に多くみられます。皮膚の色の薄い人(色白の人)は、作られるメラニンの量が少ないため、ほとんどのタイプの皮膚がんが特に発生しやすい傾向があります。皮膚の一番外側の層(表皮)で保護機能を果たしているメラニンという色素には、紫外線から皮膚を保護する... さらに読む 、さらにはアレルギー反応や一部の皮膚疾患の悪化などもあります ( 光線過敏反応 光線過敏反応 光線過敏症は日光アレルギーとも呼ばれ、日光によって引き起こされる免疫系の反応です。 日光が免疫系の反応の引き金になる場合があります。 日光にさらされた部分の皮膚にかゆみを伴う発疹や、発赤、炎症が生じます。 このような反応は、典型的には治療なしで消失します。 (日光と皮膚障害の概要も参照のこと。) さらに読む ) 。

紫外線

日光に含まれる紫外線(UV)は人の肉眼には見えませんが、皮膚に与える影響が最も強い波長の光です。紫外線は、その波長によって以下の3種類に分類されています。

  • 紫外線A波(UVA)

  • 紫外線B波(UVB)

  • 紫外線C波(UVC)

紫外線(全種類)はDNA(デオキシリボ核酸[体の遺伝物質])の損傷を引き起こしますが、それにより最終的にがんの発生をもたらすことがあります。紫外線には、皮膚の早期老化やしわが生じるなどの悪影響もあります。日焼けも紫外線(主にB波)によって生じます。紫外線の強さに安全なレベルというものはありません。

地表に届く紫外線の量は近年増加しており、特に北半球の高緯度地域で顕著となっています。こうした増加の原因は、大気の高層に存在して紫外線を遮断しているオゾン層の破壊です。オゾンは自然界に存在する化学物質で、紫外線の大半を遮断して地表に届かないようにしています。オゾンとフロンガス(クロロフルオロカーボン:冷蔵庫やスプレー缶用の噴射剤に使用される化学物質)が化学反応を起こすことで、保護作用のあるオゾン層に含まれるオゾンの量が減少してきています。

地表に届く紫外線の量は、その他の要因によっても変化します。紫外線が強いのは、1日の中では午前10時から午後3時まで、季節では夏、地域では海抜の高い場所と緯度の低い場所(赤道付近など)です。紫外線はガラス、厚い雲、煙、スモッグには大部分が遮られますが、薄い雲、霧、30センチ程度の透明な水は通過し、人に重度の熱傷を引き起こす可能性があります。

自然の保護機構

皮膚は紫外線にさらされると、損傷から自己を守るために変化を起こします。表皮(皮膚の最外層)は厚くなって紫外線を遮ります。色素を作る皮膚細胞であるメラノサイトは、メラニンを多く作るようになり、その結果、皮膚の色が黒っぽくなります。メラニンは紫外線のエネルギーを吸収し、紫外線が皮膚の細胞を傷つけたり、深い部分の組織にまで届くのを防ぐ役目を果たすことから、日焼けはその後の紫外線曝露に対して若干の防御効果をもたらしますが、健康上のメリットはこれだけです。皮膚の色を黒くするために意図的に日焼けをする行為は、健康に有害です( 焼けた小麦色の肌は健康的か? 焼けた小麦色の肌は健康的か? 日焼けは、強い紫外線を短時間で浴びた(急性曝露)結果として起こります。 紫外線を浴びすぎると、日焼けが生じます。 日焼け(サンバーン)が起こると、皮膚は赤くなって痛み、ときに水疱が現れたり、発熱や悪寒が生じたりすることもあります。 日光を浴びすぎないようにし、日焼け止めを塗ることで、日焼けを予防することができます。... さらに読む 焼けた小麦色の肌は健康的か? )。

日光に対する感受性は、その人の皮膚にあるメラニン 皮膚の色素の概要 メラニンは、人の皮膚、毛髪、眼に様々な色合いをもたらしている色素です。どのような色になるか(色素の沈着)は、その人の皮膚に含まれるメラニンの量によって決まります。メラニンがなければ、皮膚は青白くなり、同時に皮膚から透けて見える血流のためにピンク色がかって見えます。皮膚の色が薄い人ではメラニンの生産量が非常に少なく、皮膚の色がやや濃い人では... さらに読む 皮膚の色素の概要 の量によって異なります。皮膚の色が濃い人ほどメラニンの量が多いため、日光による害に対する自然な抵抗力が高くなっています。そうはいっても、日光による障害や紫外線曝露に対する長期的な影響を受けないというわけではありません。

皮膚のメラニン量は、遺伝的な要因と、最近どのくらい日光を浴びたかによって異なります。紫外線を浴びた際に、メラニンがたくさん作られる人と、少ししか作られない人がいます。金髪や赤毛の人は、十分な量のメラニンを作り出すことができないため、紫外線の短期的・長期的な影響に対して特に脆弱です。皮膚に存在するメラニンの分布が不均一になり、そばかすが生じることもあります。白斑 白斑 白斑は、メラノサイトが喪失することで皮膚に白い斑状の領域が現れる病気です。 皮膚の白い斑は体の様々な部分に生じます。 診断は通常、皮膚の外観に基づいて下されます。 コルチコステロイドクリームなどの薬剤の外用や、皮膚の光に対する感受性を高める薬剤を併用した光線療法が皮膚の色素の再生に役立つことがありますが、必要であれば皮膚移植も行われます。... さらに読む 白斑 という病気の人では、皮膚に色素のない斑状の領域がみられます。白皮症 白皮症 白皮症は、皮膚の色素であるメラニンがほとんどまたはまったく作られなくなる、まれな遺伝性の病気です。症状は皮膚、毛髪、および眼に現れますが、ときに眼だけに現れることもあります。 一般的には、毛髪と皮膚は白くなり、眼はピンク色か薄い青灰色になります。 通常、診断は皮膚と眼の診察結果により行われます。... さらに読む 白皮症 の人では、メラニンがほとんどないかまったくありません。

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日光と皮膚障害

日光にさらされると皮膚の老化が早まります。長期的に日光にさらされることで生じる皮膚の障害は光老化として知られています。紫外線にさらされた皮膚には、細かいしわや粗いしわ、不規則な色素沈着、黒子と呼ばれる大きなそばかすに似た斑点、黄ばみ、皮革様のゴワゴワした質感などが生じます。紫外線に最も弱いのは、皮膚の色が薄い人たちですが、大量に浴びれば誰であれ皮膚に変化が生じます。

日光を浴びることが多ければ多いほど、前がん病変 日光角化症:前がん性の腫瘍 日光には、体内でのビタミンDの生産を促し、一部の慢性の皮膚病(乾癬など)の抑制に役立ち、健康感をもたらすという効用があります。皮膚は日光から体を守るバリアの役割も果たしていますが、日光にさらされることで皮膚自体にも損傷が起きます。具体的な損傷としては、痛みを伴う日焼けだけでなく、しわなど老化に伴う皮膚の変化、皮膚の前がん病変、皮膚がん、さ... さらに読む 日光角化症:前がん性の腫瘍 皮膚がん 皮膚がんの概要 皮膚がんは最も多くみられるがんです。屋外で働く人、屋外でスポーツをする人、および日光浴の愛好者で特に多くみられます。皮膚の色の薄い人(色白の人)は、作られるメラニンの量が少ないため、ほとんどのタイプの皮膚がんが特に発生しやすい傾向があります。皮膚の一番外側の層(表皮)で保護機能を果たしているメラニンという色素には、紫外線から皮膚を保護する... さらに読む 有棘細胞がん 有棘細胞がん 有棘細胞がんとは、皮膚の扁平上皮細胞に由来するがんのことです。 皮膚にかさつく厚い増殖性病変が出現し、それが治りません。 このがんの診断を下すには、生検を行います。 転移していない場合は、手術、皮膚への化学療法薬の塗布、ときには放射線療法を行うことで通常は治癒します。 他の部位に転移している場合は、死に至ることもあります。 さらに読む 有棘細胞がん 基底細胞がん 基底細胞がん 基底細胞がんは、最も多くみられる皮膚がんで、皮膚の外層(表皮)にある特定の細胞から発生します。 通常は、皮膚に小さくつやのある隆起が現れ、徐々に大きくなっていきます。 隆起は破れてかさぶたになることがあり、ときには出血を伴ったり、平らになって瘢痕状になったりすることもあります。... さらに読む 基底細胞がん 、悪性黒色腫 黒色腫 黒色腫(メラノーマとも呼ばれます)は、色素を作り出す皮膚細胞(メラノサイト)から発生する皮膚がんです。 黒色腫は、正常な皮膚から発生する場合もあれば、すでにあったほくろから発生する場合があります。 皮膚に様々な色の斑点を伴う平坦または隆起した褐色の不規則な皮疹、あるいは黒または灰色の硬い隆起が現れます。... さらに読む 黒色腫 など)が発生するリスクが高まります。皮膚がんは、小児期や青年期に日光を大量に浴びた人や、仕事やレジャー活動で持続的に日光を浴びる人々(運動選手、農業従事者、牧場労働者、船員、日光浴の愛好者など)で特に多くみられます。さらに、日焼けマシーンの中で紫外線を浴びることでも、皮膚がんや皮膚障害のリスクが高まります。

治療

日光の悪影響を抑えるためには、それ以上日光を浴びないようにし、日焼けマシーンの利用は控えるとともに、保護効果の高い衣類を着用し、日焼け止めを塗ることが特に重要です( 予防 予防 日焼けは、強い紫外線を短時間で浴びた(急性曝露)結果として起こります。 紫外線を浴びすぎると、日焼けが生じます。 日焼け(サンバーン)が起こると、皮膚は赤くなって痛み、ときに水疱が現れたり、発熱や悪寒が生じたりすることもあります。 日光を浴びすぎないようにし、日焼け止めを塗ることで、日焼けを予防することができます。... さらに読む 予防 )。いったん生じてしまった皮膚の損傷を元に戻すことは困難です。保湿クリームを使用すれば一時的にしわが目立たなくなり、化粧をすれば皮膚の色(そばかす、夏日斑、黒子など)の難点や細かいしわを隠すのに役立ちます。ケミカルピーリング、アルファヒドロキシ酸、トレチノインクリーム、レーザーによるリサーフェシングなどの治療法により、細くて薄いしわ、不規則な色素沈着などの見た目を改善できることがあります。しかし、深いしわなどの目立った皮膚の損傷を回復させるためには、かなりの治療が必要です。

日光角化症:前がん性の腫瘍

日光角化症は、皮膚が長い年月にわたって日光にさらされたことが原因で起こる前がん性の腫瘍です。この腫瘍は通常ピンク色か赤色で、うろこ状のかさつき(鱗屑)を伴う不規則な形の領域として生じます。明るい灰色や褐色になり、触れると硬くデコボコが感じられたり、ザラザラした感じになることもあります。

日光角化症は通常、液体窒素で凍らせたり(凍結療法)、削り取ったり(掻爬)、電流で焼いたりして(電気焼灼術)切除することができます。しかし、病変の数があまりに多い場合は、フルオロウラシル(皮膚に塗って使用できる化学療法薬)を含有する液剤またはクリーム剤を使用することもあります。フルオロウラシルは皮膚に発赤や鱗屑(うろこ状のくず)を引き起こしたり、角化症の部分やその周囲の日光で損傷した部分の皮膚に灼熱感を生じさせたりするため、この治療を行うと、しばしば皮膚の状態が一時的に悪化したように見えます。

イミキモドという薬は、免疫系が皮膚の前がん病変や早期の皮膚がんを認識して破壊する反応を促進する効果があることから、日光角化症の治療に有用です。イミキモドは、およそ12~16週間にわたり皮膚に塗って使用します。インゲノール・メブテート(ingenol mebutate)は、日光角化症の治療薬として2~3日間にわたり皮膚に塗って使用する新しいゲル剤です。インゲノール・メブテートの主な長所は、治療期間が短いことです。イミキモドとインゲノール・メブテートはどちらも、フルオロウラシルで生じるものと同様の発赤、鱗屑(うろこ状のくず)、灼熱感を引き起こします。

別の治療法として光線力学療法があり、これは皮膚に特殊な化学物質を塗ってから腫瘍に人工の光を照射するというものです。この治療法では見た目が日焼けしたような状態になります。光線力学療法の主な利点は、一般的に皮膚の発赤、鱗屑、炎症が起きる期間が短いという点です。

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