毛孔性紅色粃糠疹の原因は分かっていません。
この病気の最もよくみられる病型は次の2つです。
若年発症古典型
成人発症古典型
若年発症古典型は遺伝性で、小児期に発症します。成人発症古典型は遺伝性ではないとみられ、成人期に発症します。
どちらの年齢群でも他の非古典型がみられます。日光、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症などの感染症、軽い外傷、または自己免疫疾患が急性増悪の誘因となることがあります。
症状
毛孔性紅色粃糠疹の症状としては、ピンク色、赤色または橙赤色の鱗屑を伴う斑が体のあらゆる部分に生じることがあり、通常はかゆみを伴います。皮膚が厚くなり、黄色に変更することもあります。
診断
医師による評価
皮膚生検
毛孔性紅色粃糠疹の診断は、鱗屑と局面の外観および発生部位に基づいて下されます。
ときに、皮膚組織のサンプルを採取して顕微鏡で調べる(生検)ことにより、ほかの病気(乾癬 乾癬 乾癬(かんせん)は、1つまたは複数の盛り上がった赤い斑が生じる、再発を繰り返す慢性の病気で、それらの斑は銀白色の鱗屑(うろこ状のくず)を伴い、正常な皮膚との境界ははっきりしています。 免疫系の問題が関わっている可能性があり、遺伝的に乾癬を生じやすい人もいます。 特徴的な鱗屑または赤い斑が全身のあらゆる部分に様々な大きさで生じますが、特に肘、膝、頭皮によくみられます。 この病気の治療は、皮膚に塗る薬剤(外用薬)、紫外線照射(光線療法)、内... さらに読む や小児の 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)は、頭皮や顔面、髪の生え際、耳の周囲、ときにその他の部位に慢性の炎症が起き、脂ぎった黄色い鱗屑(うろこ状のくず)やフケが生じる病気です。 ( 皮膚炎の概要も参照のこと。) 原因は不明ですが、皮膚に常在している微生物であるマラセジア Malassezia属の真菌の数が何らかの役割を果たしています。脂漏性皮膚炎が最もよく生じるのは、乳児(通常は生後3カ月)、10代の人、30~70歳の人です。こ... さらに読む
など)の可能性を否定します。
治療
皮膚に塗る薬
内服薬
光線療法
毛孔性紅色粃糠疹の治療は非常に困難です。症状が緩和することはありますが、この病気自体を治癒させることはほぼ不可能です。古典型は3年かけて徐々に改善しますが、非古典型ははるかに長く持続します。
鱗屑を軽減するために、 保湿剤 保湿剤(皮膚軟化剤) 皮膚の病気に対する治療には、主に外用薬(皮膚に直接塗る薬剤)が使用されます。経口または注射で投与(全身投与)された薬は、全身の隅々に行きわたります。まれですが、患部に高濃度の薬物を作用させる必要がある場合には、皮膚のすぐ下に注射して投与する(皮内注射)こともあります。 一部の外用薬を用いる治療では、以下の要因が治療の成功を左右します。... さらに読む (皮膚軟化剤)が投与されたり、乳酸を塗った後にドレッシングを行って皮膚に空気が触れないようにし(密閉ドレッシング 閉鎖性ドレッシング材 皮膚の病気に対する治療には、主に外用薬(皮膚に直接塗る薬剤)が使用されます。経口または注射で投与(全身投与)された薬は、全身の隅々に行きわたります。まれですが、患部に高濃度の薬物を作用させる必要がある場合には、皮膚のすぐ下に注射して投与する(皮内注射)こともあります。 一部の外用薬を用いる治療では、以下の要因が治療の成功を左右します。... さらに読む )、その後に コルチコステロイド 抗炎症薬 皮膚の病気に対する治療には、主に外用薬(皮膚に直接塗る薬剤)が使用されます。経口または注射で投与(全身投与)された薬は、全身の隅々に行きわたります。まれですが、患部に高濃度の薬物を作用させる必要がある場合には、皮膚のすぐ下に注射して投与する(皮内注射)こともあります。 一部の外用薬を用いる治療では、以下の要因が治療の成功を左右します。... さらに読む を皮膚に塗ったりします。ビタミンAの内服が効果的な場合もあります。外用薬による治療で効果がみられない場合は、アシトレチン(acitretin)やメトトレキサートの内服も選択肢の1つになります。
光線療法 光線療法 乾癬(かんせん)は、1つまたは複数の盛り上がった赤い斑が生じる、再発を繰り返す慢性の病気で、それらの斑は銀白色の鱗屑(うろこ状のくず)を伴い、正常な皮膚との境界ははっきりしています。 免疫系の問題が関わっている可能性があり、遺伝的に乾癬を生じやすい人もいます。 特徴的な鱗屑または赤い斑が全身のあらゆる部分に様々な大きさで生じますが、特に肘、膝、頭皮によくみられます。 この病気の治療は、皮膚に塗る薬剤(外用薬)、紫外線照射(光線療法)、内... さらに読む (紫外線照射)や、 腫瘍壊死因子-アルファ阻害薬 免疫抑制薬 関節リウマチは炎症性関節炎の1つで、関節(普通は手足の関節を含む)が炎症を起こし、その結果、関節に腫れと痛みが生じ、しばしば関節が破壊されます。 免疫の働きによって、関節と結合組織に損傷が生じます。 関節(典型的には腕や脚の小さな関節)が痛くなり、起床時やしばらく動かずにいた後に、60分以上持続するこわばりがみられます。 発熱、筋力低下、他の臓器の損傷が起こることもあります。... さらに読む
、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリン、経口コルチコステロイドなどの免疫機能を弱める薬も使われています。