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菌血症

執筆者:

Paul M. Maggio

, MD, MBA, Stanford University Medical Center

最終査読/改訂年月 2018年 3月
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菌血症とは血流に細菌が存在する状態をいいます。

  • 菌血症は、日常的な行為(激しい歯磨きなど)、歯科的または医学的処置、あるいは感染症(肺炎尿路感染症)が原因となります。

  • 人工関節や人工心臓弁を使用している人や心臓弁に異常がある人では、菌血症が長引くリスクや菌血症で症状が生じるリスクが高まります。

  • 菌血症では通常、症状はみられませんが、ときに特定の組織や臓器に細菌が増殖して、重篤な感染症を引き起こすことがあります。

  • 菌血症による合併症のリスクが高い場合には、歯科的または医学的処置を受ける前に抗菌薬を使用します。

通常、特に日常的な行為が原因の場合には、細菌が少量しか存在せず、免疫系の働きによって血液中から速やかに排除されるため、菌血症が感染症を引き起こすことはありません。しかし、特に免疫機能が低下している状況では、細菌が長期にわたって存在し、数も多くなることがあります。このような場合には、菌血症が引き金となって、ほかの感染症や敗血症と呼ばれる全身性の重篤な反応が起こる可能性があります。

免疫系によって排除されなかった細菌は、全身の様々な部位に蓄積し、そこで感染症を引き起こします。具体的な部位は次の通りです。

菌血症になると、細菌が体内の特定の構造物(異常が起きた心臓弁など)に引っかかり、そこに蓄積することがあります。特に細菌が蓄積しやすいのは、静脈内のカテーテル、人工関節、人工心臓弁など、体内に設置された人工物です。このような細菌の集まり(コロニー)はその部位に付着し続け、連続的または周期的に血流へ細菌を放出します。

原因

菌血症は以下のような場合に発生します。

  • 特定の日常的な行為

  • 歯科的または医学的な処置

  • 特定の細菌感染症

  • レクリエーショナルドラッグの注射

日常的な行為によって、健康な人で菌血症が起きる場合があります。例えば、激しく歯磨きを行うと、歯ぐきに存在する細菌が血流に入ってしまい、これが菌血症の原因となることがあります。食べものの消化の際に、腸から血流に細菌が入ることもあります。日常的な行為が原因の場合、菌血症から感染症になることはまれです。

歯科的または医学的処置が菌血症につながることもあります。歯科処置(歯科衛生士による歯の清掃など)の際に、歯ぐきで生息していた細菌が剥がれて、血流に入ることがあります。カテーテルを膀胱に挿入した場合や、チューブを消化管や尿路に挿入した場合にも、菌血症が起こる可能性があります。細菌はカテーテルやチューブが挿入された部位(膀胱や腸)にも存在している可能性があるため、無菌的な手法が用いられていても、これらの処置で細菌が血流に入ってしまうことがあります。感染を起こした傷口、膿瘍(内部に膿がたまった空洞)、床ずれなどに対する外科的処置によっても、感染部位から細菌が剥がれて、菌血症が発生する場合があります。

細菌感染症の一部(肺炎皮膚膿瘍など)では、細菌が周期的に血流に入り、菌血症を引き起こすことがあります。一般的にみられる小児期の細菌感染症の多くは、菌血症を引き起こします。

レクリエーショナルドラッグ(娯楽目的で使用される薬物)の注射も、通常は針が細菌に汚染されていて、使用者が皮膚を適切に消毒せずに注射することが多いため、菌血症の原因になります。

症状

歯科処置などの普通の出来事が原因の菌血症は、通常は一時的なもので、症状は起こりません。ほかの原因による菌血症では発熱することがあります。菌血症の人に発熱や心拍数の上昇、悪寒戦慄(寒気とふるえ)、低血圧、消化管症状(腹痛、吐き気、嘔吐、下痢など)、呼吸数の増加、または錯乱がみられる場合は、おそらく敗血症または敗血症性ショックを起こしています。

診断

  • 血液サンプルの培養

菌血症や敗血症、敗血症性ショックが疑われる場合には、医師は通常は血液サンプルを採取し、検査室で細菌を増殖させる検査(培養検査)と特定を試みます。必要な場合は、ほかのサンプル(尿やたんなど)から細菌を培養する場合もあります。

予防

菌血症による合併症のリスクが高い場合には(人工心臓弁や人工関節を使用している、心臓弁に特定の異常があるなど)、以下のような菌血症を引き起こす可能性のある処置の前にしばしば抗菌薬が投与されます。

  • 歯科処置

  • 感染している傷口の外科的処置

  • 膀胱カテーテルの挿入

抗菌薬は、菌血症やそれに伴う感染症、敗血症の予防に役立ちます。

治療

  • 抗菌薬

感染症や敗血症が発生した場合は、抗菌薬による治療が行われます。

また、医師が細菌の感染源(カテーテルなど)を除去します。

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