リファマイシン系は、細菌が遺伝物質を作り出すのを抑制することで作用する 抗菌薬 抗菌薬の概要 抗菌薬は 細菌感染症の治療で使用される薬です。ウイルス感染症や他のほとんどの感染症には効果がありません。抗菌薬は微生物を殺すか、その増殖を止めることによって、体に 自然に備わっている防御機構 が微生物を排除するのを助けます。 抗菌薬は特定の細菌感染症に対して使用します。しかし、... さらに読む のクラスです。それにより細菌は死滅します。
リファマイシン系薬剤としては以下のものがあります。
リファブチン
リファンピシン
リファペンチン(rifapentine)
リファキシミン
リファンピシン、リファブチン、リファペンチンは、他の抗菌薬と併用して、 結核 結核 結核は、空気感染する細菌である結核菌 Mycobacterium tuberculosisによって引き起こされる、感染力の強い慢性感染症です。通常は肺が侵されます。 結核に感染するのは、主に活動性結核の患者によって汚染された空気を吸い込んだ場合です。 最もよくみられる症状はせきですが、発熱や寝汗、体重減少、体調不良を感じるこ... さらに読む や 結核に関連する感染症 結核に関連する細菌による感染症 結核を引き起こす細菌は、抗酸菌に分類されます。抗酸菌には様々な種類があります。結核を引き起こさない種類(非結核性抗酸菌と呼ばれます)の多くは、特定の人に感染症を引き起こすことがあり、ときに結核と同様の症状をもたらします。例えば、肺に結核や一部の非結核性感染症が起こった場合の主な症状はせき、発熱、体重減少です。 最もよくみられるのがマイコバクテリウム・アビウム複合体 Mycobacterium... さらに読む の治療に用いられます。これらの薬剤の副作用は互いに似ています。
リファンピシンはしばしば他の抗菌薬と併用して、 ハンセン病 ハンセン病 ハンセン病は、らい菌 Mycobacterium lepraeまたはマイコバクテリウム・レプロマトーシス Mycobacterium lepromatosisという細菌によって引き起こされる慢性感染症です。感染の結果、主に末梢神経(脳と脊髄以外の神経)、皮膚、精巣、眼、鼻、のどの粘膜に障害が起こります。 ハンセン病は軽症のもの(皮膚の患部が1カ所から数カ所)から重症のもの(皮膚の患部が多数で、多くの臓器に障害... さらに読む やブドウ球菌に感染した人工弁や人工関節の治療に用いられます。
リファキシミンは、 大腸菌 大腸菌(Escherichia coli)感染症 大腸菌(Escherichia coli[E. coli])は グラム陰性細菌の一種で、健康な人の腸に存在しますが、特定の菌株は消化管、尿路、または体の他の部位に感染症を引き起こすことがあります。 汚染された食べものを食べたり、感染した動物に触ったり、プールの汚染された水を飲み込んだりして、腸内で大腸菌による感染症が発生します。 腸管の感染症は、ときに重度または出血を伴う下痢や腹痛を引き起こすこ... さらに読む (E. coli)による 旅行者下痢症 旅行者下痢症 旅行者下痢症は、上水道の整備が不十分な国や地域へ旅行した人によくみられ、下痢、吐き気、嘔吐を特徴とします。 旅行者下痢症の原因には、細菌、寄生虫、ウイルスがあります。 通常、この病気の原因となる微生物は食べものや水から感染し、特に水道水が十分に処理されていない可能性のある発展途上国で発生します。 吐き気、嘔吐、腹部けいれん、下痢が様々な重症度で起こります。 診断は通常、医師の診察に基づいて下されますが、ときに微生物を調べるための便検査が... さらに読む の治療に使用されます。
(抗菌薬の概要 抗菌薬の概要 抗菌薬は 細菌感染症の治療で使用される薬です。ウイルス感染症や他のほとんどの感染症には効果がありません。抗菌薬は微生物を殺すか、その増殖を止めることによって、体に 自然に備わっている防御機構 が微生物を排除するのを助けます。 抗菌薬は特定の細菌感染症に対して使用します。しかし、... さらに読む も参照のこと。)
妊娠中や授乳期間中のリファマイシン系薬剤の使用
妊娠中にリファマイシン系薬剤を使用するのは、治療による効果がリスクを上回る場合だけに限定するべきです。リファブチンについては、動物を対象とした研究で胎仔に対する有害な影響は認められていませんが、妊婦を対象とする適切なデザインに基づく研究は実施されていません。リファンピシンとリファペンチンについては、動物を対象とした研究で胎仔に対する有害な影響(先天異常など)が認められています。(妊娠中の薬の使用 妊娠中の薬の使用 妊婦の50%以上が、妊娠中に処方薬や市販薬(処方なしで購入できる薬剤)を服用したり、社会的薬物(タバコやアルコール)または違法薬物を使用しており、妊娠中の薬の使用は増えてきています。一般に、薬の多くは胎児に害を及ぼす可能性があるため、妊娠中は、必要な場合を除いて、薬剤を使用すべきではありません。病気や症状の治療に使用された薬剤が原因で発生... さらに読む も参照のこと。)
授乳期間中のリファマイシン系薬剤の使用は推奨されません。授乳を中止するか、リファンピシンの使用を中止するかは、その薬剤が母親の健康にどれほど重要かによって決定します。(授乳期間中の薬の使用 授乳期間中の薬の使用 授乳期間中に母親が薬剤を使用しなければならなくなると、授乳をやめるべきかどうか迷います。答えは以下の条件によって変わってきます。 母乳に移行する薬剤の量 薬剤が乳児に吸収されるかどうか 薬剤は乳児にどのような影響を与えるか 乳児の哺乳量はどのくらいか(乳児の月齢と母乳以外の食事や水分の摂取量により異なる) さらに読む も参照のこと。)