アミノグリコシド系薬剤は 抗菌薬 抗菌薬の概要 抗菌薬は 細菌感染症の治療で使用される薬です。ウイルス感染症や他のほとんどの感染症には効果がありません。抗菌薬は微生物を殺すか、その増殖を止めることによって、体に 自然に備わっている防御機構 が微生物を排除するのを助けます。 抗菌薬は特定の細菌感染症に対して使用します。しかし、... さらに読む のクラスの1つで、 グラム陰性細菌 グラム陰性細菌の概要 グラム陰性細菌という分類は、グラム染色と呼ばれる化学的処理の適用後に細菌が何色に染色されるに基づくものです。グラム陰性細菌はこの処理によって赤く染まります。青色に染まる細菌もあり、 グラム陽性細菌といいます。グラム陰性細菌とグラム陽性細菌は、その細胞壁の違いから異なる色で染色されます。こうした菌の種類の違いによって、生じる感染症の種類も異... さらに読む (特に緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa)などによる重篤な細菌感染症の治療に使用されます。
アミノグリコシド系薬剤としては以下のものがあります。
アミカシン
ゲンタマイシン
カナマイシン
フラジオマイシン
プラゾマイシン(plazomicin)
ストレプトマイシン
トブラマイシン
スペクチノマイシンはアミノグリコシド系薬剤と化学構造が類似しており、同様の仕組みで作用しますが、現在、米国では入手できません。
アミノグリコシド系薬剤は、細菌が増殖するために必要なタンパク質を作り出すのを妨げることによって作用します。
これらの抗菌薬は口から服用(経口投与)した場合、血液中に 吸収 薬の吸収 薬の吸収とは、投与後に薬が血液中に移動することです。 ( 薬の投与と薬物動態に関する序も参照のこと。) 吸収は、どれほど速くどれだけの量の薬が、対象とする標的部位に届くかを意味する生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)に影響します。吸収(そしてその結果としての生物学的利用能)に影響する要因としては、以下のものがあります。 薬を設計し製造する方法 薬の物理的および化学的な性質 さらに読む されにくいため、通常は静脈内、ときに筋肉内に注射します。米国では、カナマイシンとフラジオマイシンは外用薬と内服薬としてのみ使用できます(内服薬は吸収されないため、消化管の除染に使用されます)。これらの抗菌薬は通常、多くの種類の細菌に効果がある別の抗菌薬(広域抗菌薬と呼ばれます)と併用されます。
どのアミノグリコシド系薬剤も、耳と腎臓に損傷を与えることがあります。そのため、可能であれば、医師は別の種類の抗菌薬を選びます。
(抗菌薬の概要 抗菌薬の概要 抗菌薬は 細菌感染症の治療で使用される薬です。ウイルス感染症や他のほとんどの感染症には効果がありません。抗菌薬は微生物を殺すか、その増殖を止めることによって、体に 自然に備わっている防御機構 が微生物を排除するのを助けます。 抗菌薬は特定の細菌感染症に対して使用します。しかし、... さらに読む も参照のこと。)
妊娠中や授乳期間中のアミノグリコシド系薬剤の使用
アミノグリコシド系薬剤を妊娠中に使用する 妊娠中に問題を引き起こす可能性がある主な薬剤* と胎児に有害な影響(難聴など)が及ぶ可能性がありますが、治療による効果がリスクを上回る場合もあります。(妊娠中の薬の使用 妊娠中の薬の使用 妊婦の50%以上が、妊娠中に処方薬や市販薬(処方なしで購入できる薬剤)を服用したり、社会的薬物(タバコやアルコール)または違法薬物を使用しており、妊娠中の薬の使用は増えてきています。一般に、薬の多くは胎児に害を及ぼす可能性があるため、妊娠中は、必要な場合を除いて、薬剤を使用すべきではありません。病気や症状の治療に使用された薬剤が原因で発生... さらに読む も参照のこと。)
授乳期間中にアミノグリコシド系薬剤を使用することは、一般に許容可能と考えられています。(授乳期間中の薬の使用 授乳期間中の薬の使用 授乳期間中に母親が薬剤を使用しなければならなくなると、授乳をやめるべきかどうか迷います。答えは以下の条件によって変わってきます。 母乳に移行する薬剤の量 薬剤が乳児に吸収されるかどうか 薬剤は乳児にどのような影響を与えるか 乳児の哺乳量はどのくらいか(乳児の月齢と母乳以外の食事や水分の摂取量により異なる) さらに読む も参照のこと。)