(寄生虫感染症の概要も参照のこと。)
蟯虫感染症は、米国で最もよくみられる線虫感染症です。
蟯虫感染症は、ほとんどの症例が学齢期の小児、小児を世話する成人、または感染した小児の家族に発生しています。
蟯虫の感染経路
感染は蟯虫の虫卵を飲み込むことから始まります。小腸で虫卵から幼虫がふ化して、大腸に移動します。そこで、幼虫は2~6週間かけて成虫となり、成虫は交配を行います。虫卵が発育すると、雌の成虫は直腸に移動し、肛門から出て虫卵を産みつけます。成虫は肛門周辺の皮膚に粘着性のゼラチン状の物質を付着させ、その中に虫卵を産みつけます。ここから、虫卵は指、衣服、寝具、おもちゃや食べものなどに移動します。虫卵は体外では常温で3週間以上生存することができます。
虫卵はたいてい指や汚染された食べものから口に入ります。小児では肛門付近を触った手を口に入れて再感染を起こすこともあります。指をしゃぶる小児は、感染のリスクが高くなり、また小児と一緒に住んでいたり、口腔と肛門を接触させる性交をする成人でもそのリスクは高まります。