鳥インフルエンザウイルスは、動物から人間に感染することはまれですが、感染する場合、それは主にウイルスの遺伝子が変異したときに起こります。
鳥インフルエンザに感染した人のほぼ全員に、感染した鳥との濃厚接触がみられます(人から人に感染が広がる可能性はほとんどありません)。
感染した人には極度の呼吸困難やインフルエンザのような症状がみられることがあります。
鳥インフルエンザの診断には、鼻またはのどから分泌物のサンプルを採取して検査します。
鳥インフルエンザは抗ウイルス薬によって治療します。
(インフルエンザ インフルエンザ (流感) インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる肺と気道の ウイルス感染症です。感染すると、発熱、鼻水、のどの痛み、せき、頭痛、筋肉痛、全身のだるさ(けん怠感)が生じます。 ウイルスは、感染者のせきやくしゃみで飛散した飛沫を吸い込んだり、感染者の鼻の分泌物に直接触れたりすることで感染します。... さらに読む も参照のこと。)
鳥インフルエンザは、通常は鳥に感染する、数種類のA型インフルエンザウイルス株によって生じます。この感染症は家禽(かきん)に容易に広がります。ただし、動物から人間に感染することはまれです。人間にこのウイルスが感染するのは、主にウイルスの遺伝物質が変化(変異)して、人の気道の細胞に付着できるようになった場合です。鳥インフルエンザに感染した人のほぼ全員に、感染した鳥との濃厚接触がみられます。鳥インフルエンザが人から人にうつることは、まずありません。しかし専門家は、ウイルスにさらなる突然変異が起こり、人から人に感染しやすくなる可能性を懸念しています。そうなれば鳥インフルエンザは急速かつ広範囲に伝染し、世界的に大規模な流行(パンデミック)を引き起こすかもしれません。
鳥インフルエンザウイルスH5N1(インフルエンザの型と株 インフルエンザの型と株 インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる肺と気道の ウイルス感染症です。感染すると、発熱、鼻水、のどの痛み、せき、頭痛、筋肉痛、全身のだるさ(けん怠感)が生じます。 ウイルスは、感染者のせきやくしゃみで飛散した飛沫を吸い込んだり、感染者の鼻の分泌物に直接触れたりすることで感染します。... さらに読む を参照)の人間への感染は1997年に香港で初めて発生し、次いでベトナムで、さらにインドネシア、カンボジア、中国、タイ、トルコ、アゼルバイジャン、ジブチ、エジプト、イラクでも発生しました。2003年以降、人間のH5N1感染はアジア、アフリカ、太平洋沿岸地域、欧州、近東の16カ国で860件以上報告されており、454人が死亡しています。2019年には人間への感染が1件、ネパールで確認されました。
2013年には、中国南東部で集団発生が起きました。この流行を引き起こしたのは鳥インフルエンザ株H7N9でした。2013年以降、世界で1500件以上の人間への感染と615件以上の死亡が世界保健機関に報告されています。これらの感染は主に、市場で生きた家禽を購入して食べる地域で起きています。2019年には中国本土で1件の症例が確認されました。
中国ではH5およびH7インフルエンザウイルスを予防するためのワクチンが家禽に接種されています。この予防接種プログラムは、鳥インフルエンザウイルスが野鳥から家禽に広がるのを防ぐ上で有用です。家禽は人間と接触するため、ウイルスを人間に広める可能性が高くなります。
他の株のリインフルエンザウイルスも、散発的に人間における集団発生を引き起こしています。しかし、それらの集団発生では、人から人にウイルス感染が広がることはありませんでした。
症状
人間に発生する鳥インフルエンザのほとんどの原因であるH5N1とH7N9は、似た症状を引き起こします。
極度の呼吸困難や インフルエンザに似た症状 症状 インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる肺と気道の ウイルス感染症です。感染すると、発熱、鼻水、のどの痛み、せき、頭痛、筋肉痛、全身のだるさ(けん怠感)が生じます。 ウイルスは、感染者のせきやくしゃみで飛散した飛沫を吸い込んだり、感染者の鼻の分泌物に直接触れたりすることで感染します。... さらに読む (発熱、せき、のどの痛み、筋肉痛など)が生じることがあります。結膜炎や肺炎が生じる場合もあります。
重度の症状がある人では死亡率が高くなります。
診断
鼻またはのどから採取したサンプルの検査
インフルエンザのような症状に加えて、次のいずれかがある場合は、医師に連絡する必要があります。
鳥への感染がわかっている地域で鳥と接触した。
鳥インフルエンザに感染している人と接触した。
医師は鼻やのどをぬぐってサンプルを採取し、検査に送ります。
予防
感染した家禽の集団を特定して殺処分することで感染の広がりを食い止められます。
米国政府は流行時に備えてH5N1鳥インフルエンザのワクチンを備蓄しています。インフルエンザに対する標準的なワクチンでは鳥インフルエンザを予防できません。
治療
抗ウイルス薬
感染者にはオセルタミビルかザナミビル(インフルエンザの治療に用いられる 抗ウイルス薬 治療 インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる肺と気道の ウイルス感染症です。感染すると、発熱、鼻水、のどの痛み、せき、頭痛、筋肉痛、全身のだるさ(けん怠感)が生じます。 ウイルスは、感染者のせきやくしゃみで飛散した飛沫を吸い込んだり、感染者の鼻の分泌物に直接触れたりすることで感染します。... さらに読む )が投与されます。これらの薬により通常は生存率が改善します。