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パンデミックH1N1インフルエンザ(ブタインフルエンザ)

執筆者:

Brenda L. Tesini

, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

最終査読/改訂年月 2020年 5月
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パンデミックH1N1(pH1N1)インフルエンザは、一般的には(正確性を欠いた言葉ですが)ブタインフルエンザと呼ばれており、比較的新しい株のA型インフルエンザウイルスによって引き起こされる、インフルエンザ感染症です。

インフルエンザも参照のこと。)

2009年、新しい株(新型)のインフルエンザウイルスが世界的に広く流行したことを受けて、パンデミック(世界的大流行)が起きたと判断されました。この株は、ブタ、トリ、ヒトのインフルエンザウイルスに由来する遺伝子を併せもつH1N1インフルエンザウイルス(インフルエンザの型と株を参照)でした。ブタから直接感染が起きたわけではありませんでしたが、最初に発表された報告がブタのウイルスの成分に注目したものであったために、一般には「ブタインフルエンザ」と呼ばれるようになりました。このインフルエンザウイルス感染症は、通常のインフルエンザと同じように、感染した人からほかの人へと広がりました(ヒト-ヒト感染)。

通常のインフルエンザとは異なり、pH1N1インフルエンザは、高齢者よりも、若者や中年の成人に発生する可能性が高く、死亡につながる可能性も高い感染症です。これは、pH1N1株が最近のインフルエンザの株とは非常に異なっていたためです。

ブタは特定の株のインフルエンザウイルスに感染する可能性があり、正確にはそれらのウイルスが「ブタインフルエンザ」と呼ばれるものです。ブタインフルエンザウイルス株の大半は、人間に感染するものとわずかに異なります。これらの株が人にうつることはごくまれであり、うつった場合でも、人から人へと感染が広がることはめったにありません。しかし、ブタインフルエンザウイルスの変異株の1つであるH3N2vは、これまでに米国のいくつかの州で小児と成人に感染しています。感染者は、健康そうに見えたものの実際には感染していた家畜のブタと接触したことがあり、その多くは品評会での接触でした。また少数ですが、このウイルスが人から人に感染した可能性がある事例も報告されています。

症状

H1N1インフルエンザの症状は一般的には通常のインフルエンザに似ています。発熱、せき、のどの痛み、全身の痛み、頭痛、悪寒、鼻水、疲労感などが生じます。吐き気、嘔吐、下痢もよくみられます。

ほとんどの場合、ウイルス感染後1~4日で症状が現れ、その後長くて1週間、症状が続きます。症状が現れる前日から消えるまでの8日間ほどは、患者から他の人に病気がうつる可能性があります。

症状は通常は軽度ですが、重症化して肺炎呼吸不全が生じることもあります。感染により、心臓や肺の病気や糖尿病などの慢性疾患が悪化したり、妊娠中であれば流産早産などの合併症が起きたりすることがあります。

5歳未満の小児や、腎臓または肝臓の病気がある人、薬やエイズなどの病気により免疫系の機能が低下している人では、合併症のリスクが高まります。重い合併症が生じて急速に進行することがあり、若く健康な人でもその可能性があります。

診断

  • 鼻またはのどから採取したサンプルの検査

症状が軽度または典型的な場合、特にpH1N1インフルエンザの流行時であれば、一般に検査は不要です。pH1N1インフルエンザの診断は通常、症状と身体診察の結果に基づいて下されます。

医師は鼻と口の中から分泌物のサンプルを採取して検査にかけることがあります。この検査によりH1N1インフルエンザ感染症を確定できます。

予防

インフルエンザに似た症状がある人は、自宅を出ないようにして、くしゃみやせきが出るときはティッシュで口と鼻を覆い、頻繁に手を洗い、アルコール系の手指消毒剤を使用するべきです。

pH1N1インフルエンザの患者と濃厚に接触したことがある人には、抗ウイルス薬が投与される場合があります。

現在のインフルエンザワクチンはpH1N1インフルエンザウイルスに対して効果があります。

治療

  • 安静と十分な水分補給

  • 症状の緩和

  • ときに抗ウイルス薬

激しい嘔吐、息切れ、胸部や腹部の痛み、突然のめまいや錯乱が生じた場合は、直ちに医師の診察を受ける必要があります。

小児では、唇や皮膚が青ざめている場合、水分が十分にとれていない場合、呼吸が速かったり困難な場合、異常な眠気やむずかり(抱かれるのをいやがることも含む)がある場合、発疹を伴う発熱がある場合は、直ちに受診する必要があります。

重度の合併症を起こすリスクが高い人(5歳未満の小児など)や妊婦に症状がみられる場合は、軽度であっても医師に連絡すべきです。

また、誰であれ、インフルエンザに似た症状が消えてから発熱やひどいせきが出た場合は、医師の診察が必要です。

pH1N1インフルエンザの治療は、症状の緩和に重点を置いたものです。例えば、アセトアミノフェンにより発熱や痛みを和らげることができます。十分な安静と水分補給が役立ちます。

合併症のリスクがある場合や、症状が重い場合は、抗ウイルス薬のオセルタミビル、ザナミビルまたはバロキサビルを使用することがあります。これらの薬は、症状が現れてから48時間以内に投与を始めるのが最も効果的です。米国では、pH1N1インフルエンザにかかった人の大半が、このような薬を服用することなく完全に回復しています。

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