インフルエンザ菌 Haemophilus influenzae b型(Hib)ワクチンは、 肺炎 肺炎の概要 肺炎は、肺にある小さな空気の袋(肺胞)やその周辺組織に発生する感染症です。 肺炎は、世界で最も一般的な死因の1つです。 重篤な慢性の病気が他にある患者において、肺炎はしばしば最終的な死因となります。 肺炎の種類によっては、ワクチンの接種によって予防できます。 米国では、毎年約200~300万人が肺炎を発症し、そのうち約6万人が死亡していま... さらに読む や 髄膜炎 髄膜炎に関する序 髄膜炎とは、髄膜(脳と脊髄を覆う組織層)とくも膜下腔(髄膜と髄膜の間の空間)の炎症のことです。 髄膜炎は細菌、ウイルス、または真菌、感染症以外の病気、薬剤などによって引き起こされます。 髄膜炎の症状には、発熱、頭痛、項部硬直(あごを胸につけるのが難しくなる症状)などがありますが、乳児では項部硬直がみられない場合もあり、非常に高齢の人や免疫... さらに読む など、 Hibによる細菌感染症 インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)感染症 グラム陰性細菌の一種であるインフルエンザ菌 Haemophilus influenzaeは、気道の感染症を引き起こし、それが他の臓器に広がることもあります。 この感染症はくしゃみ、せき、接触によって広がります。 この細菌は中耳の感染症や副鼻腔炎のほかにも、髄膜炎や喉頭蓋炎、さらには呼吸器感染症など、より重篤な感染症を引き起こします。 血液や感染組織のサンプル中でこの細菌が特定されれば、診断が確定します。... さらに読む の予防に役立ちます。このような感染症は小児では重篤化することがあります。ワクチンの接種により、小児での重篤なHib感染症の発生率は99%低下しました。このような感染症は、免疫系と脾臓(ひぞう)の機能が正常な成人ではまれです。
数種類のワクチン製剤が利用できます。
詳細については、CDCによるインフルエンザb型(Hib)ワクチン説明書(Haemophilus Influenzae type b (Hib) vaccine information statement)を参照してください。
接種
このHibワクチンは、筋肉内への注射で接種されます。 小児定期接種 小児期の予防接種スケジュール 米国では、ほとんどの医師は米国疾病予防管理センター(CDC—乳児・小児用スケジュール[schedule for infants and... さらに読む の一環として、米国では生後2カ月と4カ月または生後2カ月と4カ月と6カ月の時点で(どの製剤を使うかによって異なります)接種を行います。どちらの場合も、生後12~15カ月で最後の接種を行います(合計の接種回数は3回または4回になります)。
小児は全員ワクチン接種を受ける必要があります。
Hibワクチンは、ワクチン接種を受けていない年長の小児、青年、成人や、この感染症のリスクが高い以下の成人にも推奨されています。
脾臓の機能が低下している人
がんの治療で化学療法を受けている人
対象者が一時的に病気にかかっている場合、ワクチンの接種はその病気が治まるまで待つのが通常です(CDC:ワクチン接種を受けるべきでない人[Who Should NOT Get Vaccinated With These Vaccines?]も参照)。
副反応
注射部位が赤くなり、痛みや腫れが生じることがあります。ワクチン接種の後には、発熱がみられたり、小児が泣いたり、いらだったりすることがあります。
さらなる情報
役立つ可能性がある英語の資料を以下に示します。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention (CDC)):Hibワクチン説明書(Information statement about the Hib vaccine)
CDC: Hibワクチンを接種すべきでない人に関する情報(Information about people who should NOT get vaccinated with the Hib vaccine)