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Q熱

執筆者:

William A. Petri, Jr

, MD, PhD, University of Virginia School of Medicine

最終査読/改訂年月 2018年 7月
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Q熱はリケッチア感染症に関連し、ヒツジ、ウシ、ヤギの体内に主に生息するコクシエラ・ブルネッティ Coxiella burnetiiにより引き起こされます。

  • 症状が軽い人もいますが、ほとんどの人には、発熱、重度の頭痛、悪寒、乾いたせき、極度の脱力、筋肉痛などのインフルエンザ様症状がみられます。

  • 少数の人は心臓に影響を及ぼす重度の病気である慢性Q熱を患います。

  • 患者がヒツジ、ウシ、またはヤギに接触した可能性があれば、医師はQ熱を疑い、Q熱であることを確かめるために、血液検査を行い、感染組織のサンプルを調べることがあります。

  • Q熱の患者には数週間の抗菌薬治療を行いますが、慢性Q熱の場合は数カ月から数年に及ぶ治療が必要です。

Q熱は世界中でみられます。Q熱を引き起こす細菌は主にヒツジ、ウシ、ヤギの体内に生息しています。感染した動物は乳や糞尿の中に細菌を排出します。人が空気中に漂う細菌に汚染された飛沫を吸入するか、汚染された生乳(加熱殺菌されていない牛乳)を飲むことで、これらの細菌に感染します。非常にまれですが、この病気は人から人に伝染することがあります。

以下に当てはまる人は、Q熱の発生リスクが高いといえます。

  • 獣医

  • 食肉加工施設の従業員

  • 食肉処理場や酪農場の作業者

  • 家畜農家

  • ヒツジを飼っている研究所の研究員

  • 感染した動物がいる農場から風下の数キロメートル以内に住む人

症状

細菌が体内に侵入して9~28日後に症状が突然始まります。症状がないか、あっても軽度のこともあれば、インフルエンザ様症状がみられることもあります。

Q熱になると、発熱、重度の頭痛、悪寒、極度の脱力、筋肉痛、食欲不振、発汗などの症状が現れますが、発疹はみられません。肺に影響が及ぶことが多く、乾いたせき(空せき)、胸痛、息切れ(肺炎 肺炎の概要 肺炎は、肺にある小さな空気の袋(肺胞)やその周辺組織に発生する感染症です。 肺炎は、世界で最も一般的な死因の1つです。 重篤な慢性の病気が他にある患者において、肺炎はしばしば最終的な死因となります。 肺炎の種類によっては、ワクチンの接種によって予防できます。 米国では、毎年約200~300万人が肺炎を発症し、そのうち約6万人が死亡していま... さらに読む 肺炎の概要 による)が引き起こされます。高齢者や病気で弱っている(衰弱している)人では、症状が重くなる場合があります。

妊娠中に感染した女性は、流産や早産のリスクが高くなります。

慢性Q熱は、感染者の5%未満に起こる重度の病気です。以下に該当する人は、慢性Q熱のリスクが非常に高い状態です。

  • 妊婦

  • 病気や薬によって免疫機能が低下している人

  • 心臓弁膜症の患者

治療しない場合、死亡するQ熱患者の割合は1%程度ですが、心臓が侵されていると死亡率が上がります。

診断

  • 感染組織の生検と検査

  • 血液検査

  • ときに胸部X線検査

Q熱の症状は他の病気と似ているため、症状は診断の助けにはなりません。Q熱が疑われる場合、医師は患者に農場やその付近に在住しているかどうかを質問します。これは、Q熱を引き起こす細菌が主にウシ、ヒツジ、ヤギの体内に生息しているためです。

診断を確定するために、蛍光抗体法 リケッチア感染症とそれに関連する感染症(アナプラズマ症、エーリキア症、Q熱など)は、他の生物の細胞内でしか生きられない特殊な種類の細菌によって引き起こされます。 これらの感染症のほとんどは、ダニ、ノミ、シラミを介して感染します。 発熱、重度の頭痛のほか、通常は発疹が起こり、全身のけん怠感がみられます。... さらに読む によって血液のサンプル中の抗体を確認することがあります。ただし、この検査を1回実施するだけでは不十分です。抗体の値の上昇を確認するには、3~6週間後に検査を再度行う必要があります。それに加えて、より早く細菌を検出するため、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法 リケッチア感染症とそれに関連する感染症(アナプラズマ症、エーリキア症、Q熱など)は、他の生物の細胞内でしか生きられない特殊な種類の細菌によって引き起こされます。 これらの感染症のほとんどは、ダニ、ノミ、シラミを介して感染します。 発熱、重度の頭痛のほか、通常は発疹が起こり、全身のけん怠感がみられます。... さらに読む が用いられることもあります。このように、抗体検査は通常、患者の発症直後に感染症を診断する役には立ちませんが、後に診断を確定する助けになります。

明らかな感染部位があれば、医師は感染組織の生検を行うことがあります。

せきや他の呼吸器症状がみられる場合は、胸部X線検査を行います。

予防

Q熱の主な予防法は、主に、ヒツジ、ウシ、ヤギを飼育している施設で適切な衛生処理と適切な検査を行うことです。加熱殺菌された牛乳や乳製品だけを摂取するようにすることも有用です。

オーストラリアではワクチンを利用でき、これらのQ熱に感染する可能性の高い人(食肉処理場や乳製品製造所の作業者、家畜農家、研究所で働く人など)に対する予防に用いられています。米国ではこのワクチンは利用できません。

ワクチンを接種する前に、医師は血液検査と皮膚テストを行い、接種を受ける人がQ熱に対する免疫をもっているかどうかを判定します。すでに免疫をもっている人にワクチンを接種すると、注射部位の近くに重度の反応が起こる場合があります。

治療

  • 抗菌薬

初回の感染は、抗菌薬のドキシサイクリンを服用して治療します。抗菌薬の投与は、患者の状態が改善し、5日間にわたって発熱がみられなくなるまで続けます。ただし、最短でも7日間は使用する必要があります。一般的に2~3週間の治療が必要です。

Q熱心内膜炎

心臓に感染症が発生した場合は、治療に数カ月から数年を要します。一般的には18カ月以上の治療が行われますが、一部の患者には生涯にわたる治療が必要です。患者には通常、ドキシサイクリンとヒドロキシクロロキンを投与します。いずれも経口で使用されます。治療を止めてもいい時期を判断するために、定期的に医師が診察と血液検査を行います。

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